『You are my...』
『全弾装填。──魔銃『ギガンテス』の銃声に震え上り、怯え慄け』
ギリクの手元に組み上げられたのは、レイゼンの魔砲にも負けず劣らない巨大な魔銃。
特別な魔弾を装填した回転弾装が。不気味は音を立てて、ガチャリ、と回る。
「・・・貴様が、誰であろうと。なんであろうと、我が同胞の無念を晴らす邪魔をするならば。消す」
「やってみろよ、じい様。──ただし、ライアの嬢ちゃんが見てるってことだけ言っとくぜ」
・・・? 『ライア』。
白騎士の動きが止まっているうちに、ギリクは銃口を向けて、発砲。
超大口径の魔弾が一つ排出され、路地にめり込む。
反対側の路地に、背中から吹き飛び、壁を崩して埋もれたスプルスは、すぐに立ち上がると何事もなかったかのように、ギリクの方へと歩き出した。
「おまえのそれは、女王の・・・、いや、女王は、亡くなられた、なら、なぜ?」
「だから、ライアの嬢ちゃんがいるだろうが。ボケてねえで、思い出せやッ!!」
ギリクは、容赦なく二発目と三発目を連射した。
砲撃音で、廃墟の窓ガラスが割れて落ちる不協和音の中で、ライアは膝を抱えていた。
「先生。先生。──・・・おとうさん」
女王であることを、スプルスは望んでいた。ずっと、ずっと。
だから、ライアは。
スプルスを、『父』と呼ばないことに決めていた。『先生』、それが・・・ライアには寂しかった。
◇◇
「おとうさん」
そう呼ぶ声が、かすかに聞こえた。
スプルスは、砲撃に耐えながら声の主を探して・・・小さな少女を見つけた。
「ら、い、あ」
ギリクは、攻撃の手を止めた。砲撃が止むとあたりは雨音がしとしと、と屋根を叩いていた。
ライアは、スプルスの前に立つと。
「先生! ひとりでどっかに行っちゃ行けません!! ・・・って、ウィスタードさんに叱られますよ?」
「・・・。ああ。そうだな・・・。ギリク、すまない。疲れた。あとは任せる」
鎧が砕けて消えると、スプルスは膝をついて倒れかけたが、ギリクが支えて、「しゃあねえ、じい様だな」と不満をこぼした。




