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略奪の鬼  作者: あきねこ
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1-4 クレイマン博士と人形のマキナ 中編

1-4 クレイマン博士と人形のマキナ 中編


「ついにやってしまったんですね…サルマ叔父さん」


なんとなく親近感。


「ふむ。勘違いしておるようじゃが違うぞい。断じて違うぞい。それとわしはクレイマン博士じゃ。サルマという男は死んだ…(割愛)」


「それで少女殺しのサルマ叔父さんは死体のことを最高傑作と言っているんですね。中々いい趣味じゃないですか。」


湧き上がる親近感。


「違うと言っておろう。それとクレイマン博士じゃ。この子はゴーレムじゃよ!死体ではない。」


「わかってますよヘヘヘ。でも動いてないじゃないですか。失敗作ですか??」


「何を言っておるこれは文字通り最高傑作じゃ。何といっても自分で学習し、成長するゴーレムじゃぞ!世界でもこんなもの作れるのはわししかおらんじゃろう。フォーッフォッフォ」


てことは今は睡眠中か?白目むいてるが…。睡眠の仕方を学習させた方がいいな。


「ただの…スペックを追求しすぎてこいつを動かせる核がないのじゃ。通常の核じゃ魔力がまるで足りん」


なるほど…この世界のゴーレムというものは必ず核といわれる魔石が入っている。


その魔石が良いものほどより複雑で高度な動きもできるという。


成体の竜から稀に採取される竜核を使ったドラゴンゴーレムは火を吐いたり、空を飛べたりするらしい。


「そこでじゃ。ギフト持ちのカグラ君におねがいがあるんじゃが、惑いの森南東の滝裏にある鬼試しの洞窟の最下層にの、命亡き者に命をあたえる仮初の心臓があるらしいんじゃがわしと一緒にちょっと行かんかの?」


ちょっとお茶しよう?みたいなノリで博士が言う。


「嫌ですよ。その洞窟って確かあれですよね。初代長老がつくった鬼族しか入れないわ、難易度高いわで踏破者が一人もいないって噂のダンジョンですよね。1人で逝ってくださいよ。骨は拾ってあげますよ。魔物が…。」


初代長老は中々にぶっ飛んだ人物で、ギフトと言われる特殊能力もちだったらしい。


なんでもギフトとは生まれた時から備わっている特殊能力で鍛えれば身に着けられるものではなく世界で有名な人物は強力なギフト持ちが多いという。


因みに初代長老は惑いの森に囲まれているこのガーグ村を守るように結界を張り、惑いの森自体に鬼族以外の種族が入ると方向感覚を失う幻惑魔法を1000年前にかけ、今でもまだ効果がおとろえていない。


そのおかげでガーグ村は1000年もの間、他種族や魔物からの侵略を避け、小都市まで発展できたという背景があるのだが、その偉大な御業から初代村長は「魔力が異常発達するギフト持ち」と言われているが僕の読みでは違う。


恐らく彼は魔法の持続時間を任意で操れるギフトもちだったのではと考えている。


そして彼は黒い1本角の鬼だったという…。


「初代長老の再来といわれておるカグラ君なら朝飯前じゃよ。それにわしのゴーレムたちもつれていくし、ただとはいわん。もし仮初の心臓を手に入れたらマキナをやろう!いつも部下が欲しいと言っておったろう。この子は役立つぞい。」


「言われてませんし、僕がギフト持ちなのを知ってるの博士だけですよ。村じゃ栄養失調の角無し鬼とか言われてますよ。」


元来、鬼は白い角が2本生えている。


だけど稀に初代長老や僕のように黒い1本角の鬼が生まれ、ギフトを持っていることが多々あったみたいだ。


それで黒い1本角の鬼は村を率いる英雄やら、最強の守りてやら村の年輩者は言っているが、実際はただ単に難産だったり、栄養がうまくいきわたらなかったりした未熟児である可能性が高いと研究で発表されたみたいで、僕は結構村では馬鹿にされている。


「なんの、わからん奴らには言わせておけばいいんじゃよ。わしは知っておるカグラのギフトには無限の可能性があり、主がそれを使いこなすために鬼一倍努力しておることはの。じゃからわしと一緒に無限の可能性を追求し…(割愛)」


あーせっかくいいこと言ってるのにこの爺さんは…。


まあいいか、この爺さんはなんだかんだ言っても天才だし、爺さんが最高傑作とか言ってるゴーレムは恐らく使えるし欲しいな。


とか考えていると拉致られ荷馬車に投げ込まれた。


あっという間に滝裏の洞窟についてしまった、博士の持つゴーレムの一つホースオブストーンゴレムスのせいだ。


石でできた馬で頭部が二つに枝分かれしている。


馬力も馬とはけた違いに強く、石でできてるため木々をなぎ倒しながら進める。


環境破壊の温床だ。


「これ見つかったら木こりの人たちにおこられますよ。資源が減るって」


「大丈夫じゃよこの森は魔力濃度が異常に高いから植物や魔物の成長が早いんじゃよ」


知識人なのか脳筋なのかよくわからない爺さんだ。


「では行くぞい」


博士が滝に魔力を飛ばすと滝がわれ洞窟の入り口が現れた。


「ちょっと待ってください洞窟内部について調べます。スキル“音響把握(エコーロケーション)”」


ぼくのギフトを紹介しよう。


僕のギフトは捕食した他者から一つだけ能力を奪えるギフト。


相手が生き物だろうが無機物だろうが能力を一つだけ奪える。


因みにこの能力に気づいたのは発火の実と言われる果物を食べた時だ。


発火の実は強く擦ることで火花を出せる実だ。


こいつは見た目が栗とよく似ていて、前世の記憶を持っていた僕は食べ物だと思い食べた。


翌日近所の犬を撫でまわしていたら犬が発火した。


今では完璧にコントロールできているため問題ない。


すまないポチ。君の尊い犠牲は忘れない。


ぼくはこのギフトのことを『略奪』とよぶことにしている。


“音響把握”は惑いの森にある小川で捕れるエコーフィッシュと言われる目のない魚を食べた時に入手した能力だ。


特殊な音波を出し地形の位置を把握できるし、音波が届く範囲内なら生き物の様子も把握できるため索敵にも便利だ。


「全部で5階層からなっていますね。“音響把握”で魔物や罠がないルートを把握できたんでサクサク行きましょう。」


「う、うむ…。」


そして僕らは一度も敵と遭遇せずに最下層、最奥の部屋にたどり着いた。


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