1-5 クレイマン博士と人形のマキナ 後編
1-5 クレイマン博士と人形のマキナ 後編
ずっしりと重みのある重厚な扉、重たい空気感。やばそうな空気がピリピリする。これ絶対アクシデント起きるパターンだ。
「博士やっぱり帰りません?これ絶対やばい奴ですよ。死んじゃう奴です。」
「ここまできて何を言っとるんじゃ?まだわし何も活躍しとらんぞ。心配せんでも大丈夫じゃ。わしこう見えても元外開者じゃよ?強さにおいては鬼並み以上に納めてきた自負があるぞい」
博士が頼もしい。
「わかりましたよ。そこまで言うなら行きましょうか」
扉を押すとギギギとゆっくりと自動で開いていく。すると目の前には博士がよくやっている召喚用の陣がかかれていた。
「あれって召喚陣ですよね?てかでかくないですかあれ強いの絶対出ますよ博士」
軽口をたたきながら部屋に入ると扉が急に締まり召喚陣が青白く光りだす。
「大丈夫じゃわしはこう見えても外界のダンジョンをいくつも踏破してきた男ダンジョンマスタークレイマンじゃ。」
今絶対考えたであろう新しい異名をほざきながら博士が不敵に笑う。
「きますよ」
グオンッと激しい振動と共に黒くてでかい何かが出現する。黒い体色。赤い眼。巨大な大斧。鍛え抜かれた腹筋とヤギの顔。こいつは…
「ブラックミノタウロスじゃ!!気をつけるのじゃカグラ!強いぞ!!」
僕は緊張で身構える。
「じゃが相手が悪かったの。出でよ我が眷属!サモン“魔石戦士”“魔石騎士”」
青白い光と共に2体の魔石でできた戦士と騎士が現れた。
「黒き獣よダンジョンマスタークレイマンにひれ伏すがいい、行け眷属よ!血祭りじゃ!!」
博士がかっこいい。
2体のゴーレムはブラックミノタウロスに突っ込んでいく。
ブラックミノタウロスは黒い炎を口から吐き出すと博士のゴーレムたちは一瞬で燃え尽きた。
「あれ?」
プスプスと消しづみが燃え尽きた。
「何やってるんですか博士!!全然っダメじゃないですか!!一瞬でしたよ!!あんたの輝き!!」
ブラックミノタウロスがギャオオオと咆哮をあげ突進してくる!!
「カグラよ紙を持っとらんか?ちょっと漏らした…。」
あーもうこの爺さんは全く!!スキル発動“蜘蛛の網”“網渡り(ネットウォーク)”
僕は博士を抱きかかえ素早く蜘蛛の糸を放出し、天井へ逃げる。
するとミノタウロスは黒炎の吐息を僕に向けて吐き出す。素早く巣を作り慌てて僕は飛び移った。
「博士!!水弾作れます?それをあいつめがけて打ち続けてください!!回避はぼくがやります!!」
「わかったのじゃ。でもその前に紙を…」
「あーもういいからやれよ!!」
あいつはさっきから大斧を使おうとせずに、黒炎の吐息ばかり使ってくる。おそらく距離感で攻撃のパターンが変わるんだろう。遠距離から攻撃を当て続ければ基本ブレスのみのはず…。ならかわし切れる。
僕は攻撃をかわすかわす。
「僕はこれから博士を投げて僕があいつに突進します。僕が合図したらさっきの出来損ないを召喚して突進させてください!!」
「出来損ないとはなんじゃ!!あれは魔術の粋にして至高の…(割愛)」
いつものうざ話をし始めた博士を部屋の隅に放り投げ、僕はブラックミノタウロスに突進する!!
スキル“油玉”!!
僕はブラックミノタウロスに油玉をぶつけ股下をスライディングで抜けていく。
「今だ博士!!」
「任せろーい!サモン“魔石戦士”“魔石騎士”行くのじゃー!!」
ブラックミノタウロスはゴーレムたちに黒炎の吐息を放つ!!
「グモオオオオオオオオッ」
すると黒炎が蜘蛛の巣を伝いブラックミノタウロスに引火した。博士との斜線上に蜘蛛の巣をうすく張り巡らし、スライディングしながらつけたのだ!ミノタウロスは遠距離攻撃を優先する癖があったので、万が一失敗しても死ぬのは博士だけ!完璧な作戦だ!
ブラックミノタウロスは自らの炎に焼かれ、崩れ落ちた。
「やりましたね博士!ついに踏破です!」
「最後のやつ失敗したらわし死んでない?」
「気のせいですよ博士それより最奥の秘宝です見に行きましょう」
大部屋の奥に小部屋があり、黒い豪華な宝箱が置いてあった。
宝箱を開けると青い魔法文字が空中に浮かび上がった。
“よくぞ数々の試練を突破した同胞よ。鬼族は常に死の危機にさらされている。願わくばこの法具は同胞を守り、種を導く者へ受け継がれることを願う。偽りの心臓と吸魂の短刀を汝に送ろう。鬼族の未来に幸多からんことを…”
宝箱には赤い心臓の形をした脈打つオブジェと黒く吸い込まれそうな程美しい短刀が入っていた。
早速、もどり心臓のオブジェを博士の最高傑作に埋め込んでみた。美しい赤い光が人形に灯る。
「ん…」
「おお我が最高傑作がついに…」
「おめでとうございます博士」
「くさい…」
博士は服を着替えるのを忘れていた。
これがマキナとの出会いだった。




