(第14章)フォールン・エンジェル
――次の日の朝、ソラリスはポイント静岡に降りたようだ。俺とオズとカミユはエレベータールームに入る。他にも数百人が入ってきた。
シャッターが閉まり、ガタン! と揺れてエレベーターが下降する。地上まで1時間は掛かる。
俺は床に座って目を閉じて瞑想をする。
オズはカミユにウォーパークⅩの仕様を説明してるようだ。
――1時間後、また、ガタン! と揺れてエレベーターは停まる。シャッターが開いてぞろぞろと人が降りていく。
『僕達も行きましょう。ドーム内にGL筐体があります』
俺達3人もエレベーターを降りて、歩き出す。何か嫌な予感、微かに焦げ臭い……ってか俺のGTRが黒焦げになっていた。
俺はGTRに駆け寄り、『何で!? どうして!? 電磁波で出火する!?』と叫ぶ。
『スカイ、落ち着いて!』
『スカイ君、これは酷いね』
『チクショー!』
『また買えばいいじゃない』
『オズ、そういう問題じゃないんだ』
『車は男のロマンだからね』
『上玉だったのに!』
俺達3人は搬出口の左隣にあるドアからドームに入る。俺は消化不良だ。
中はパーティションで仕切られていた。
『着いてきて〜、こっちがGL室です』
俺とオズはカミユに案内されて通路を左に曲がり、右に曲がり、すると右側の仕切りにGL筐体が3台並んでいた。
『じゃあ、カミユ君は船着き場からスタートだから、私が迎えに行くわ。スカイは採掘場に戻って』
『了解!』
俺はウォーパークⅩにログインする。誰かに回復してもらおう。
俺はバーストライフルを持つ。あれ? 動ける……誰かが回復してくれたか。
沙耶は居ない。代わりに周りはプレーヤーでごった返していた。
『何事だ!?』
一般プレーヤーが応答した。
「スカイ様、ログインされたのですね。沙耶が居た辺りはバグが凄くて、寿命のカウントダウンが止まるんですよ」
『マジか! 良かったな。トッププレーヤーの面々は?』
「拠点、客船を落として集まってますよ」
『分かった、ありがとな』
俺は客船に向かおうとした時、「スカイ! 待って! 待って!」
『…………メルか、接近禁止命令はどうした』メルは衛生兵のアバターだ。俺を回復した?
「助けて……私だけ、バグの影響が受けられないの」
『所詮バグだからな。ミノルに助けてもらえ』
「ミノルはタイムアウトしたよ」
メルは俺に左手を見せる。
『後10秒か……衛生兵のアバターなんかにするから。助けてやりたいが間に合わない、方法がない』
「私……死ぬの?」
『残念だけど』
「うっ! お腹が痛い! 苦しい…………」
パッと、メルのアバターが消える。タイムアウトしたか。メルの死に特別な感情はない。さよなら、メル。
俺はアームテンタクラーの4本をブースターにして飛んで客船に行く。
客船の船首にプレーヤーが100人くらい居た。サトル、ミセル、スズンヌセンセー、カニパン、キャットラバー、ヒューイ、ロック。他のトッププレーヤーも! それと佐久間先輩!? ……オズと愉快な仲間達の初期メンバーが揃ったな。




