限界突破
『永住は…………どうしようかしらね。いくら寿命に困らないと言っても、日本が恋しいわ』
『ソラリスに来れた人は選ばれた民、俺は戻るよ。ハッキリしないが、やり残した事がある』
オズが2階から降りてきた。
『スカイ、戻ったのね。話は大体聞いたわ』
『オズ……沙耶を抹消しよう。二度と復活出来ないように』
『沙耶は生きてるの?』
『俺の勘だが、沙耶はまだ生きている』
『ソラリスはGLと隔絶されてる。地上に戻るの?』
『ああ。オズ、また俺を導いてくれ』
『任せて。戦闘だけに特化した、スカイをフォローしないとね。カミユ君も連れていこ、シューティングゲームの腕は衰えてないみたい』
『複雑だが、戦力になるならいいか。明日にはソラリスが静岡に降りるってさ』
『考えうる最悪のシナリオはポールシフトによりインフラが電磁波に曝されてGLの誤作動、18歳以上の者が寿命をベーシックにされる』
『ベーシックになると何年?』
『7日間、168時間よ』
『そうなると何もしなければ、あと2日でタイムアウトか』
もどかしいが1日は待たなきゃいけない。
『二人とも、ご飯にしましょう。お腹空いたでしょ? 猪肉があるわよ』
『母さん、マジか! ソラリスに猪がいる!?』
『ソラリスの南側は農産エリアよ。牛、豚、鶏もたくさん飼育されてるわ』
『食料は何年持つの?』
『補給なしでも8年は大丈夫よ』
『それでも8年か。大地から離れて長くは暮らせない』
『そうね。…………さあ、猪肉ステーキを焼くわよ』
『私、手伝いましょうか?』
『いいのよ、オズさん。お肉を解凍して焼けるまで少し時間があるから散歩にでも行ってらっしゃい』
『そうだな。オズ、行こう』
『うん』
俺とオズは石畳の道を歩き、下の景色が見える所で座る。下は海だ、光学迷彩で透けて見えるのだろう。
『オズ、俺はGL依存症の特効薬を打ってもらった。それにゴッドモードが使える』
『何を言ってるの? ゴッドモードって何? パーフェクトモードが最上位よ』
『じゃあ、俺が発動させたのは…………』
『バーストライフルによるバグかもね』
『ゆうこが味方してくれたのは真実』
『ゆうこってスカイが持ってた人型AIロボット?』
『ネットの中で生き続いてるよ。……沙耶をデリートしよう、完全に』
俺とオズはソッと手を重ねる。
『沙耶にまた辛酸を舐めさせてやりましょ』




