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決戦 11
「しかし……本当に余が逃げてもいいのか?」
ラスコーの問いに孝基は静かに頷いた。
「その方が我々は安心できます。それに陛下に生きていて頂ければ我々に負けはないのです……」
「負けがない?」
孝基の言葉が理解できないというようにラスコーはその言葉を反芻した。
「そうです。陛下がいつか本当にこの遼南の主となる日がいつかくる。それを信じることができますから」
「いつか……そんなことがあるものだろうか」
ぼんやりとラスコーが呟いた。孝基は満足げに頷く。
「これから遼州は荒れます。外惑星星系のゲルパルト、第四惑星の胡州、東の東和、西の西モスレム、北の遼北。どこも野心でギラギラしている。それに地球の勢力が加われば戦乱がやってくるのもむべなるかなというところでしょう」
「戦乱……これだけで済むわけでは無いという話か?」
「そうです。今の遼南の動乱は本格的な戦乱の序章に過ぎない。本当の戦乱はあと三十年……いや十年もすればやってくる」
「預言者じみた話だな」
「俺は合理主義者ですよ。預言者じゃない」
孝基は照れたように頭を掻いた。
「本当の戦乱……」
ラスコーは少しばかり混乱しながらこれからのことについて考えていた。




