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決戦 10

「同じく北天を経て東に進み東海を抜け東和に至るルート……まあこちらの道を陛下には歩んでいただきます」


「東海……花山院兄弟は余を見過ごすでしょうか?」


不安げなラスコーに孝基は笑みで応える。


「直永は武人です。落ち武者を狩るような真似はしないでしょう。問題は政務を司る康永ですが……」


「気弱で知られる男ですね」


「そうです。恐らくはこちらが抜けるのを知っていて見過ごす可能性もあります」


「しかし……そうすると吉田少佐はこのルートに山を張ると思うのですが」


ラスコーの問いに孝基は表情を歪めた。


「確かに問題はそこでしょう。他の二つのルートは地の利のある『外憲』が待ち構えているでしょうがここは吉田の本隊が待ち構えている可能性が高いです」


「吉田俊平……切れ者で知られる男」


嘆息するラスコー。だが孝基は予想外に脳天気に話を続けた。


「確かに吉田の信用を置いている部隊が立ちはだかるでしょうが……吉田俊平も神ではない。勝手を知らない領域では苦戦することでしょう。こちらには地の利がある」


「確かに初めての土地。東海への配慮もあって無人偵察機を飛ばすわけにも行かない……となるとこちらが有利と言えますが」


「そうです、信じましょう」


どこまでも楽天的な孝基の言葉に逆にラスコーは不信を募らせることになった。

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