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決戦 12
「それとこれを」
そう言うと孝基は腰に帯びた大刀をラスコーに手渡した。
「これは?」
不思議そうに重い大刀を握り締めラスコーは孝基を見返した。
「長船兼光……西園寺の家から持ち出した家宝の剣だ。すまないがこれを父上に返してくれ」
「余が……私がですか?」
ラスコーの顔を見ながら孝基はにやりと笑った。
「そうだ。遼南脱出後は我が父西園寺重基を頼れ……伯父からの手向けだ」
「重基公……とはどんな方ですか?」
静かに呟くラスコーの顔に孝基は手を伸ばした。その頬をさすりながら孝基は話を続ける。
「ただの気のいい爺さんだよ。俺の若い頃は結構切れ者で通っていたからな……俺のやりたいことで何度もやりあったこともあるが……もう昔の話だ」
「伯父上……今なら間に合います。余を差し出して領民の命を救ってください」
突然切り出されたラスコーの言葉に一瞬戸惑った表情を浮かべるが、孝基は静かに首を横に振った。
「それは出来ない……兼州が宇宙の笑いものになる……」
「支配者の論理じゃないですかそれは!領民のためを思えば……」
「もうそう言う次元の話じゃないんだ。陛下が最初に央都に屈することを拒否した時からこの状況は用意されていたんだ」
「そうですか……」
ラスコーは唇を噛みながら足元に視線を落とした。




