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即位 14

「では……」


静かにカバラは玉座に手を伸ばした。緑色の翡翠の光が紫衣のカバラを染め上げていく。


「なんと……」


「これは神々しい」


人々は感嘆をもらす。カバラは笑みを浮かべながら静かに玉座についた。


「遼南に栄えあれ!」


地響きとなった声が宮殿に響いた。人々はただこの瞬間のためにあるというように拍手しため息を漏らした。


カバラはその興奮が冷めやらぬ前に初勅の宣誓のために立ち上がった。マイクが静かに下ろされてくる。


「朕は思う……この遼南に乱れありと」


普段の力のない声とはまるで違った腹の奥底から絞り出されたような声に側近達は驚きを隠せずにいた。カバラは言葉を続けた。


「乱れの元……それは朕の嫡子、ムジャンタ・ラスコーにある。奴は兼州を占拠し独立の気配を見せている」


予想されていた言葉とは言え、諸官はその言葉を聞くと背筋に寒いものが走った。この帝は子殺しをするつもりである。その事実が今知らされようとしていた。


「乱れの元は絶たねばならん……兼州を討て。まずは兼州を討て」


そこまで言うと力が抜けたというようにカバラはそのまま玉座に倒れこむように座っていた。


「兼州を討てか……」


静まり返った宮殿の中、一人ガルシア・ゴンザレス将軍だけが笑みを浮かべて青ざめているカバラ帝の表情を眺めていた。

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