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即位 3

「でも世はそんな皇帝を望んでいる……君臨すれども統治せず……統治を、実権を握った皇帝ムジャンタ・ラスバは時代から粛清された」


ラスコーの淡々とした言葉に孝基は苦笑いを浮かべる。


「確かに……ゴンザレスや軍閥達の動きを見てるとそんな感じだな……皇帝は無能であればあるほどいい」


「余も無能を演じるしか無いのか?」


「おいおい、俺達を悪者みたいにってまあそうだな。戦場をむやみに広げる俺達は悪者以外の何者でもないか」


そんな孝基の自虐にラスコーは愛想笑いを浮かべた。


「それに伯父上。余の感ですが……南都は私達を見限りますよ」


「それはどうして?」


「アンリという男が皆の言うような切れ者なら兼州王に余を押すのは余に皇帝即位の目がある段階まででしょう。父上の即位でその目が無くなれば……」


「あっさりと捨ててゴンザレスの片棒を担ぐか……考えられる話だな」


それまでとはうって変わった真剣な表情で孝基が答える。


「それにパワーバランスに法ってしか動けないってことは……この戦い最初から負けが決まっていたんですよ」


「そうだ。負けは決まっている」


諦めた表情で孝基は呟く。そんな彼にラスコーは力ない笑みを返した。


「ただ俺にも意気地がある。単に押しつぶされるのはゴメンだ。その為にはお前さんに無理なお願いをすることになるかもしれないが」


「いつでも言ってください。力になれれば幸せです」


「そんな言葉。子供が吐くもんじゃねえな」


「仕方ありません。余はいつまでも子供でいるわけには行かなかったんですから」


「ひでえ話だ」


吐き捨てるようにそれだけ言うと孝基は部屋を出て行った。ラスコーは何もできずにそれを見守るしかなかった。

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