総務課軍団7
見れば見る程重苦しい部屋の雰囲気に、僕達は圧倒されていた。二十畳はあろう応接間の床の間に飾られた、古めかしい鎧兜。だが、その横の襖がスート静かに開けられ、臼柄の着物に古い絵画から抜けだして来たような女性が現れた時は、僕は思わずその場で敬礼しそうになった。
着物を着慣れているのは一目で解った。普通の帯に比べて柔らかくそうで、体にそれを締めると言うよりも軽く巻き付ける感じで、人様の前でも失礼に感じさせない様ゆるく着こなしている。その姿がとても自然でやはり我々の肌感覚とは少し違うものを感じた。本格的な丸帯の正装で迎えてくれるとは思わなかったが、その帯の絞め方一つで、普段も普通に着物で過ごされているのがわかる。
どんな怒られ方をするのかとあやまりの言葉を考えながら、僕は持って来たお土産をご婦人の前に差し出した。だが、その次の言葉が出てこない。暫く間が空いたが、でもクレーム奥様は「ありがとう」そう言って僕達にお茶を進めてくれた。
でも、そのまま沈黙が続く。間が持たなくなって来て、奥様の背後にある鬼の面がやたら気になってきたが、その時、奥様はおもむろに大きなため息をつくと、意外にも随分恐縮している様子で喋り始めた。
「どうも私は短気でいけないわね、あんな事ぐらいで、こんな可愛いお嬢さんを、こんな辺鄙な所に呼び出すなんて……。私はあの件は、あれで終わらせるつもりだったのよ。だけど今日は外出していないけれど、ディナーの時に主人にポロっと愚痴を言ったら、私に黙って勝手に病院に電話してしまったの。本当にごめんなさい」と、向こうから頭を下げて来た。
「あなた達、食事まだでしょう? この辺何もないから大変なのよ、今用意させているから一緒に食べましょう!」
そう言って立ち上がると、奥に何やら指示を出しに行った。




