総務課軍団3
この病院は、年に一度自己申告の形で評価が下される。だが、その申告表にAと書いて出しても「君のやっている事は良く判らん」の一言でBに落とされる事が良くあった。
いったい、どんな基準で評価をしているのか? 上司の好き嫌いで判断されてる気がいつもしていたが、評価など どうでも良いいので、こんな会議早く終わってくれと言うのが僕の本音だった。
その後、お客様の対応をしたらしい女の子数名が、申し訳無さそうに僕の所に謝りに来た。しかし今回の件は、その時運悪く受付にいたものが、たまたま被害にあったのは明白。どっちにしても交通事故の様なものなので、「大丈夫、大丈夫」と逆に彼女らを慰めた。
その時はこれで一件落着。数時間もすればもうその事は忘れていたが、事はそう簡単には行かなかった。翌日、今度はその方のご主人と名乗る人から電話があった。
「家の家内がお宅の病院で不愉快な対応をされたと言う事で、男性社員からはそれなりの謝罪があったとの事だけと、かなり不愉快な対応をされたのは女性だったと言っている。一体どうなっているのかな? クレームをつけて来た客にはなんでも良いから適当に謝っとけ、そんな感じがしたと怒っているのだけど」
この電話がまわされた先は案の定総務課。つい最近トップになった女性課長は初仕事のクレーム対応でシックハックしているのが見てとれた。
僕は電話かわりましょうかと言いかけたけど、とりあえず新米課長がどう処理するのか、興味があったので、黙ってその対応を見守った。
クレームをつける本人は意識していなくても、不愉快な事が起こると納得するまで処理しないと気が済まない人はかなりいる。
自分も学生時代、電気屋でバイトしていた時にえらいクレームを受けた事があり、新人課長の対応を横で聞きながら、その時の事を思い出していた。
僕は自慢じゃないけどパソコン関係には詳しい。大学の一、二回生の頃は秋葉原の有名な電気屋で一時パソコン販売のアルバイトをしていた事もあった。
それなりに知識も有ったしその知識に対してのプライドもあったので、その当時良くあった、生意気な店員の部類に入ったかも知れない。
秋葉原に来る客は多少店員の態度がでかくても、専門知識が豊富で自分が本当に必要とするものを的確に教えてくれる店員には、ファンが出来る事も良くあった。
その店員から買った場合、何かあった時の対応も完璧にしてもらえる。だから、その販売員からしか買わない。そんな客が多いいのも秋葉原の特長であった。
ある時、こうゆう事があった。まだ開店したばかりで店の掃除をしていると、ちょっと焦った感じの客が入って来ていきなり捕まえられた。
「ちょっと見てもらえないか、こちらの店で買った物ではないのだけど起動しないのだ、今日大事な会議があって困っている。何とかなりませんか!」
はじめて見る客だったが、かなり焦った感じで僕の前にノートパソコンを差し出した。
起動しないのには何か理由がある。落とした、又は水没した。そうゆう場合は駄目な時もあるが、大抵は何らかの原因があって、それを取り除けば起動する。
僕はそのパソコンを少しさわっている内に原因が解ったので、奥に持って行ってものの五分でパソコンを起動し、「直りました。もう大丈夫です」とお客に返した。
どうやって直したかは企業秘密。
……ちょっと大袈裟かも……
だけど普通の経験あるパソコン販売員だったら解るはずだ。フリーズしてるだけなのでメモリーを開放すれば起動する。ただしノートパソコンはバッテリーが入っているのでちょっとしたコツがいる。只それだけの事だ。それでもそのお客さんは大感激してくれて、若いアルバイトなのにずっと僕のお得意様になってくれ、それからは色んなものを買ってくれた。
そんな僕に、地方店がオープンしたので三日程販売の応援に入ってくれとの依頼があった。応援に入る店は典型的な何でも置いているコンビニ風電気屋。一応パソコン担当だったが、応援初日オープンして一時間もしない内に「カメラはどこ?」と知らない客に尋ねられた。




