幕間 4月●日 ○×△の日記
私の友人はとても美しい。
美術品の様な美しさでもあるが、どこか清らかで清楚な趣がある。
日本には「大和撫子」と言う言葉がある様だけど、きっと彼女の為に作られた言葉だろう。
私の友人は美人なだけでなく、可愛くもあり、それでいてどこか愛嬌もある。
所作も気品の様なものを感じるけど、偶に隙が合って、そこがまた可愛いのだ。
私の友人はとても優しい。
偶に人の話を聞かない所や、私を寮に置いて行ってしまう事もあるけど、私の頬や頭を撫でて「可愛い」って、褒めてくれる。
私がちょっと意地悪な事をした時でも、それでもにっこり笑って許してくれる。
私が悲しいや、寂しいと思ったら、傍にいてくれようとしてくれる。
偶に悪い顔をして、何か企んでいる事もあるけど、それを実行した所を見たが無い。
私は友人のお茶目な所も大好きだ。
私の友人はとても面白い。
人から「姫」と言われたり、可愛いと褒められると、一瞬だけ嫌そうな顔をするけど、それでも微笑む。
体重を気にしている様だけど、ハンバーグやプリンの前では無条件降伏する。
私の前では言葉遣いが崩れる事があって、偶に「おうふ」とか意味の分からない事を口にする。
偶に変な事を口走るけど、心を開いてくれていると考えると嬉しいな。
私の友人は頭が良い。
学園の成績はいつも上位10番以内に入っている。
この街で『魔女姫』と呼ばれているだけあって、魔法については教師と同じぐらいじゃないかと思うほど詳しかったりする。
他にも、色々な事を知っているけど、エ、エッチな事は私には教えてくれない。
エロ川君を私の半径5メートルに近づけない事からも、徹底している。
私は子供じゃないのに、ちょっとだけ悔しい。
私の友人は負けず嫌いだ。
勝負事で負けると「私もまだまだね」と言いながらも、悔しそうな顔をしている所が、とても愛らしい。
将棋は得意じゃないのに、勝負をすると「ま、待った!」や、負けると「もう一回!もう一回だけ!お願い!」と言って、勝つまでやろうとする所が可愛い。
私の友人はギリギリの接戦で勝つと、飛び跳ねて嬉しがるので、負けたのになぜだかこちらも嬉しくなる。
もしかしたら、一番じゃないと気に入らないだけなのかもしれない。
そんな私の愛しい友人の様子が最近おかしいのだ。
何になのか分からないけど、どうやら悩んでいるようだ。
私は、私の友人ほど頭が良い訳ではないので、きっと私の想像に及ばない事なのだと思う。
それでもやはり気になってしまう。
あんなに参っている姿を見るのは初めてだ。
何か元気付けてあげたいけど、私にできる事は傍にいることぐらいだ。
もどかしいけど、私の友人が何か言ってくるまで我慢しようと思う。
もしかしたら、最近転入してきた金髪碧眼の王子様の様な男の子が原因かもしれない。
友人がおかしくなったのは、時期的には丁度その男の子が来た時だ。
いや、でも事故に遭った時に既に様子がおかしかったので、なんとも言えない。
やはり、あの時の事故で怪我をしたのかもしれない……と思ってもいた。
そんな風に思っていた今日この頃であったけど……
私の友人が部屋を訪ねてきた。
とても言いにくそうな話題なのか、友人にしては珍しく、口籠って内容を言おうとしない。
その顔は何か思いつめた様でもあり、とても私の胸を締め付けた。
私は堪らず、手を引いて友人を部屋に招き入れ、お話をする為にベッドの上に座ってもらう。
私の何があっても受け入れるという言葉に、友人は葛藤しながらも口にした。
そう「私の胸が揉みたい」と。
私は一瞬、友人が何を言っているのか分からなかったけど、頼られている事だけは分かった。
ならば、言う事なんて決まっている。
勿論、恥ずかしいけどイイに決まっている。
私の友人は、頬を赤らめながら私の胸に手を伸ばす。
そして――
血のようなモノが付着しており文章が読めない。
書いていたら、なぜだか分からないけど、鼻から血が出て日記帳を汚してしまった。
ここは後で書き直しが必要だ。
あの行為にどのような意味があったのか私には分からなったけど、次の日には、友人はいつものちょっと変な友人に戻っていたらいいなと心から思う。
……でも、今日の様な友人も悪くない気もする。
う~ん。今日は少し体調が悪いのかもしれない。
だって、あの後から切なくも体が火照るのだ。
そうだ!今日は友人が忘れていった制服を抱きしめて寝よう。
きっと、良い夢が見られる筈だ。
何だか、とてもアダルトな一日だったなぁ。
次から二章です。




