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異世界従魔具店へようこそ!〜私の外れスキルはモフモフと共にあり〜  作者: 渡琉兎


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第192話:ピースの新しい従魔具

 今のピースはオシャレなシャツとズボンを身に着けている。

 完全に衣服上下を作り直すか、それとも装飾品でさらなるオシャレなピースを目指すべきか。


「……ピースはこれで、どんな従魔具を作ってもらいたい」


 そう口にした楓は、魔法鞄から氷竜の魔石を取り出した。


 ――ガタッ!?


 その途端、セリシャは目を見開いて勢いよく立ち上がる。


「……ど、どうしたんですか、セリシャ様?」

「…………こ、国宝の中から、国宝が出てきた!?」

「あ、やっぱりこれもそれだけ価値のあるものでしたか?」


 ピースが氷竜の魔石を選んだ当初は、楓も貴重なものだと思って断ろうとしていた。

 しかし、レイスからアッシュの命とは比べられないと言われてしまい、彼女もそれに納得していた。

 一度納得してしまえば、貴重なものだろうという思いは頭の中から消えてしまい、氷竜の魔石が国宝級の材料なのだということをすっかり忘れていた。


「当然じゃないの! ……あぁ、でもそうよね。うん、仕方ないわよね」


 こちらの世界では一般的な考え方も、異世界からやってきた楓にとっては分からないことばかりだ。

 セリシャは何度も深呼吸を繰り返し、ようやく落ち着くと、楓が持つ氷竜の魔石に目を向ける。


「……美しいわね」

「そうですよね。あれ? でも、レクシアさんの従魔具にも、竜の材料が使われていますよ? ティアナさんが火竜の魔石とか持ってきてくれたので」


 レクシアの従魔具をオーダーメイドで依頼するため、ティアナは数日間バルフェムを離れていた。

 そして、戻ってきた時には火属性に適性の高い材料が集まっており、その中に火竜の鱗や爪、魔石と言った材料が揃っていたのだ。


「それはだって、ティアナさんだもの」

「私、Sランク冒険者だからね!」


 胸を張って「Sランク冒険者だから」と言われた楓だったが、ティアナが強いことは知っていても、Sランク冒険者がどれほどすごいのかということは、いまだに分かっていなかった。


「……そっか! それもそうですね!」


 とはいえ、今はピースの従魔具を作ることの方が優先されるため、追及することなく話を進めることにした。


「それじゃあ改めて! ピースは氷竜の魔石でどんな従魔具を作ってほしいかな?」


 楓が聞くと、ピースは既に考えていたのか、すぐに答える。


「キキキキキュカキッキ!(キラキラの王冠を作ってほしい!)」

「お、王冠?」

「キュン!(うん!)」


 ピースが願ったのは、氷竜の魔石で作る王冠だった。

 まさかの願いに楓は問い返したが、ピースの意志は固いのか即答した。


「王冠かぁ……うん……うん! ピースに似合うかも!」


 すると楓もすぐにピースが青を基調とした王冠を被っている姿を想像し、似合っていると判断すると、満面の笑みでそう口にした。


「キュキキ、キャキュゲキキャキュウ!(それと、カエデを守れるようにしてほしい!)」

「……え? 私を、守る?」


 続けてのピースの要望に、楓は驚きのまま呟いた。


「ピースはカエデさんの従魔だもの。主を守りたいと思うのは、当然のことだわ」

「ライバル出現じゃない、レクシア?」

「良い関係を築けているじゃないか」


 ピースの要望を聞いたセリシャ、ティアナ、ヴィオンがそう口にした。


「……ありがとう、ピース」


 肩の上でそう口にしたピースに対して、嬉しさのあまり楓は涙目になりながら、優しく指先で彼の頭を撫でる。


「……よし! それじゃあ作ろう、ピースの王冠を!」

「キャッキー(やったー!)」


 従魔具の形は決まった。

 楓はようやく、ピースの従魔具作成に着手する。

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