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異同(鴨宮のドサ回り日記7)


お笑いパート1・2に客からのツッコミが入ってうるさいので


 俺たちは、どうせ何も変えられない


 身の程知らずな狐憑き


という2パートを場の空気で座長が作った



狐憑きになる身の程知らずボケをする村人役をした人と


狐を祓う祈祷師役でツッコミを入れる二人は


ほぼアドリブの掛け合いで、座長の観たいシーンを

作れたようだ。流石に長いつきあいなだけある。


 狐に憑かれた村人が、こんな村から離れて

 あれを、やりたい これも、やりたい

 ワシには眠っている才能がある天才なのだ

 才能を発揮するために

 村を出て同じ事をやりたいと思っている人々と

 一緒に過ごすために都へと行く


というような、自惚れ節を唄えば


祈祷師役が、少しヒステリックな感じで唄い返す


 先祖代々、其方の一族が守ってきた田畑を耕し

 百姓として生きる事が御前の運命

 それ以外に生きていく方法は無い

 その村の中での役目を嫌がり反抗するのは無意味だ


 自分で天才と思い込んだだけだ

 誰も、それを認めはしない

 狐に騙されているのだ


 後で、やらなければ良かったと後悔する

 村の中で役目が決まっているのだから


 それに、やりたいと言っている事も良く考えてみろ?

 農村の百姓として生きるために必要ない事

 やらない方が人生が幸せになる事だ


 なぜに、そんな恥をかくだけな事を。やりたがる?

 百姓の家に生まれた身の程を弁えぬ?


そして、最後には


 自分に眠れる才能があるだなんて、どうかしていた


 この農村のため、先祖代々の田畑を守るため


 身の程を弁えて地道な同じ事の繰り返しに生きる


 そんな人生こそが自分の人生なのだ


 二度と、こんな事を、やりたいなどという

 馬鹿げた欲望、いや願望を抱える事は無いだろう


というような事を言って、狐憑き状態から解放された男と

その男と一緒に暮らす農家一族の感謝の言葉を受けて


祓い師は、村から何処へと帰っていく。



・・・



ここへ来るバスの中で見かけた光景を思い出す


1週目、2週目、3週目と首都圏から離れていき

ガソリンスタンドのガソリン値段が高くなるほどに

ガソリン精製施設もある港から離れた

山村郡部な山奥へ山奥へと入ってきたが


4週目、5週目にかけては、古都である大都市へ向けて

の移動となって段々と人口の多い地方都市になっていく


3週目に公演したココが、首都と古都の中間にある

閉鎖的な農村温泉街って感じで

田舎町と聞いて連想するのは、こういう街だろうなって場所


なので6日間みっちり公演ってワケじゃなくて


金曜から土日と週末を跨いで

月曜が休みな観光客相手の客商売をする人が

集結していた月曜までの4日間公演


最終日のヤジというか客席からのツッコミは凄かった


自分が客商売をしていて観光客に言われて

ムカついた事や怒りを抱えた事を

鬱憤晴らしに、そのまま喚きまくっている客が数名いて


ちょっとでも、突っ込めるような事を言ったら

即、大声で突っ込んできていた。



土曜日の昼の部だけは少しだけ違っていた


来る途中に見かけた山奥の中にポツンとあって


 オマエラ、何もないココで仕事だけに集中しろ


と従業員に言っているんじゃないかってな事業所


そこの会社員さんだろうなって感じの

いわゆる若年労働者と、その家族って感じの人が混ざり

客の平均年齢が少しだけ下がり

今まで、飛び交っていた客席からの過激なツッコミが無くなる


土曜午後、いつも集会場代わりにしている

常連さんらしき高齢者の皆様が全員いないからだ


ふーむ、どこか別の集会場があるのだろう

とある時間帯だけ、いなくなると逆に気になる



というような感じで、3週目最終日な月曜公演が終わり

火曜日になって移動日


山奥の温泉街、ポツンとある事業所だか工場だか


県に金が無いからなのか、ボロボロな県道から

よくある少し広めな国道へと出て

次の公演地である地方都市に入り

その地方都市の歓楽街にあるヘルスセンターへ到着


さーて、4週目も頑張ろう

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