夜話(鴨宮のドサ回り日記6)
「明日から、お笑いパート2も無くして
代わりに、”家も村の一部”ってなテーマで追加したい
でもだ、なーんにも思いつかないんで
家族ネタで何か思いつく限り言ってみて」
『ドリフの家族コント
絶対的な家庭内権力を持つ母ちゃん
ドタバタな ネタを巻き起こす末っ子』
「永遠の家族を持たない
根無し草で旅行者な、トラさんと
親世代、自分の結婚相手、子世代まで
家族と一緒に生きるサクラ
同じ浅草でも、旅の途中で寄る旅行者視点と
そこで暮らす生活者視点で永遠に何かが違う感覚」
『どうせ、ここじゃ家族との幸せなんか手に入らない
しょせんは村の中でも弱く苦しい存在だし
家をつげる長男なワケでもない
ならば、いっその事、どこかで何かを新しく初めて
そこで自分の家族を、いや村のような集まりを作ろう
そして、その群れの中で幸せを手に入れよう
と、出かけて行くが、どこへ行っても、ヨソモノ
家族、いや夫婦となる相手すら見つからず
村に戻って、家を継いだ長男や、その子供と一緒に
野良作業をするだけで一生を終える次郎物語』
「政治も昔は呪術だった
天才的な呪術である村長一族が呪縛をかける儀式
その儀式で、”みんな、そうしているんだから同じ事をしよう”
と、村の中だけで通用する常識が確立している中
その常識に異を唱え、村八分にされ
”村の掟を守れないなら出てけ” と叩きだされた男が
呪縛を解いて村を変えようとする」
『で? 結局、結末は?
村長一族が勝って今まで通り、いつも通りか?
いや、その追放男が呪縛を解いて村を変えて終わりか?
村を変えたは、いいけど今まで通りの風習が壊れて
新しさに、ついていけない昔が良かったとか言う村人と
どうせ、何も無いんだから、全員平等に、ヨーイドンで
新しく始めた事で競争したい村人とで抗争が始まるのか?』
「いや、それは村長一族を悪役にして
自分の私腹を肥やすだけの不正を
呪縛によって実行していたって事で
立ち上がった男が一時は追放されたけど
呪縛をといて村長一族を滅ぼして新しく村長になって
村に平和が訪れて、ハッピーエンドって事で良いのでは?」
『それなら、トラさんパターンの方が良いんじゃないかな
一瞬だけ新しく関わった女と家族のように過ごすけれど
しょせんは誰かの家族になっていくのを見届けるだけな男
そして、いつかは、どこかでと 希望を抱いて彷徨う』
「トラさんパターンって、そうだっけ?」
『家族を持つ才能が無い男が、ずーっと家族を探して彷徨って
結局、妹の家族を傍観するだけで独りって物語だろ?』
「いやー違うと想うけどなー」
『それを言うなら、王子様と結婚するまでで終わるシンデレラ
それに右へ倣えした伝統的な恋愛物語は
家族を見つけるまでの物語って事になんのか?』
「だって、誰かの結婚生活物語なんか面白くないだろ?」
『結婚生活物語ってか、家を描いた名作・・なんか、あったっけ?』
「テレビドラマじゃ、あったよ、たしか、なんとか一家とか なんとか一族とか
でも、農村の一部な農家をってのは無いな
たぶん、そんなの面白いって思う人間がいないって事で
誰かがアイデアを出しても却下され続けてきたジャンルなんじゃないかな?」
『うん、テレビとか映画とかじゃ、やらないだろ?
だから、こういう大衆演劇で、やるんだよ
少ない人数の閉じた世界で成立している
農村社会を生きる農家の一族物語ってのをな
日本人の心の奥底には
謙虚に身の程を弁えて、己の分を知って農村の掟を守り
村の中の人間関係を大事にして
地道に野良作業の繰り返しの中で生きる事が素晴らしい
という農村社会の美徳が根付いているから
その価値観に基づいた村人に危害を加える悪役を倒し
村を守ってくれる正義と勇気の人ってな勧善懲悪な時代劇
とかが、テレビで人気があるのが証拠だろ?』
「じゃ、定番で、狐憑きシーンでも足します?
狐憑きで錯乱して、村の常識や掟からしたら
”何を言っているんだ? ワケがわからん”
と誰もが感じるような事を言い出して混乱をもたらしたけど
狐に憑りつかれたのを、村人の一人が祓って村に平穏が戻る
ってなシーン」
『そうだな、んで、それを、やるとしたら
狐憑きが語る非常識で掟破りな
馬鹿げた混乱を招く戯言は、どんな内容にするかだな』
「”農村の農家一族だけど、山師になって一発当てて
こんな貧乏で情けない暮らしから抜け出す
その才能が俺には、あるんだ”
とか、村の中でも、どう考えても百姓になって
地道に毎日、田畑に出かけていく生活しか無理だろ
って言われているのが言うってのが、よろしいのでは?」
『そっか、それでいくかぁ、それじゃ明日は
いかにも百姓らしい百姓な外見のキミが
”身の程知らずで、恥知らずな、天才俺様妄想”
を、お笑いパート1で歌った曲と同じ演奏に乗せて
お笑いパート2だったトコで歌ってみて
アドリブ字余りになっても、グダグダになっても、いいから
ある程度、グダグダになっても
その直後のクライマックスに向けての定番シーンが
引き立つから、それは、それで、いいんで』




