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即興(鴨宮のドサ回り日記14)

あまりにも、今までの定番劇がウケないので


「いっそのこと即興劇でも、やろうか?」


あまりの客席の反応に嫌気が指していて

それに賛成してしまう劇団員




劇のタイトルは、”告白ゲーム”



 主人公の男が夢の中で色んな人間になって

 同じ女に恋をして告白する


 だけれども、色んな事が下手すぎて

 相手にされなくてフラれる


 そして、相手にされなかった虚しさを一人語り


 諦めて次の女を探そうとした所で眼が覚めて


 違う男になっていて

 また、同じ女に告白する



女は同じ役者さんがやって

男は劇団の男が色んな衣装を選んで


 恋心を抱えたキッカケを語り


 他人からしたら、なんじゃそりゃな思い込みを語り


 クッサイ 告白セリフを暑苦しく語り


 失恋した気持ちを語る


それを全て各自が自分の体験でも

誰か知人の体験でもいいから

セリフを考えるってだけな即興劇。



全く準備とか稽古とか無しに、ぶっつけ本番


演じている本人が緊張もするし

どうなってしまうんだろ感を抱えるから

観ている人にも伝わるんじゃないか?


という、ドキュメント・バラエティを

大量に製作しているテレビ局で構成作家もやっている

座長も思いつきというか、無茶ぶり



最初に演じた人は、まだ誰もやっていないからと

よくある設定。昔の少年漫画雑誌ラブコメに

よくあったパターンを語る


 女は幼馴染で、子供の頃から一緒に過ごした初恋相手


 男女を意識する年齢になってから数年


「たぶん彼女も僕の事を好きなはずだ」


 そう固く思い込むくだりを一人語りで語っていく



そして告白セリフ


 情熱的に情念を込めて好きだと叫ぶような告白


その暑っ苦しいセリフを破壊するような断りセリフ


 ごめんね、実は男兄弟くらいにしか思えないの

 というか顔が嫌いなの・・ゴメンネ


好き好きビームを放つような態度を一変させた男が

相手にされなかった悲しい気持ちを独白


 あれ? そうだよな。どうかしてたなぁ


 なんで、こんなワケの、わからない感情に支配されて


 何かに憑りつかれたかのように告白なんか、したんだろ


 馬鹿みたいだなー。告白なんかしないで


 女兄弟みたいなのと接しているだけにすれば良かったのに


 何、やってんだろうな。馬鹿みたいだ。


 まあ、いいかあ、忘れて他の・・・


というセリフを言いかけた所で

それを遮るようにナレーションが入って


夢が覚め、別の男が出てきて言う


「あ、なんだ、夢かぁ、変な夢だったな

 いや、どんな夢だったっけ? 忘れた」



・・・



男は幼馴染から恋人にしたい

女は兄弟みたいな隣人だから色恋とかは結構


ってなパターンを数人、少しだけ変えた後


 シンデレラ姫と王子様パロディを

 脳内お花畑な感じで独り語りして


 王子様とは誰も見ない現実を女に思い知らされる


てなパターンを数人が即興する


 姫様のようなキャラで語られた女が


 言葉の暴力ボクシングのチャンピオンのような女で


 男が言葉の暴力でボコボコにされる


というパターンになったのだが

これが、この観光地では何故かウケた。


なので、持ち時間ギリまで

各自が、そのパターンで繰り返し。



他の公演場所じゃ絶対に、やらない方がイイ即興劇だが


結構に勉強には、なったような気がする。



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