同衾
女同志の夫婦と知り合いになった
というか同じ劇団に所属している女の役者二人が
バイセキュシャルとレズビアンだったという話
飲み会の二次会で近くの席で意気投合して
三次会は、このカップルと三人という組み合わせになり
二人にとっては当たり前な日常を聞かされる事となった。
「バイセクシャルで
女にモテる時期と、男にモテる時期があった
とは言っても
正直な所、同居の男旦那は、いらなかったんだよね
でも子供は欲しかったし、親とかにも言い訳が欲しかったんだ
一応、結婚はしてみましたよ
でも男女夫婦での夫婦生活は無理でした
って言い訳がたつでしょ?
宗教上の理由でバイもレズもダメって家だったからね
未だにカミングアウトは出来てないんだけどね」
「でも彼女の元旦那さん
結構に売れている役者さんだから
慰謝料と養育費、結構な金額を毎月、貰えているんだよね
娘も彼女に似て可愛いし」
『しかし、その元旦那、気づいて文句を言ってこないんですか?』
「言ってこないよ
こんな売れてない女の役者に言いくるめられて
子供を作るためだけに利用されたなんて
売れっ子の男の役者様のプライドが許せないらしいから
言い出せないし
言ったら子供の親権があるのは、こっちだから
二度と会わせてやらないよ
って感じの事を遠回しに言ったら
何も言い出さずに黙ってくれたし
次のストレートな奥様と新しい家庭を作ったみたいだから
本人は、もう、どうでもいいんじゃないの?
でもなー、やつもナルシストで女顔だろ
次に結婚したのも、同じようなナルシストのバイらしいからぁ
仕事が忙しいで、ほっといたら
すぐに女と浮気するんじゃないかな、ヤツの新しい奥様
まあ、一応は同じ子供の親って事で関わっているとはいえ
事実上、もう関係無いようなもんだから
ヤツの家庭が、どうなろうが、知ったこっちゃないけど」
『そういや、子育てって?どちらが?やってんです?』
「二人で、やってんよ。
実際に妊娠して母乳が出て自分の乳やったのは
この、ワターシだけどね
それ以外は、どちらかに仕事が入ったら
もう片方が仕事をセーブして
子供の面倒を見るって感じかな
どっちも、親は田舎の地方都市にいるから
たまーに孫の顔を見せに帰省するけどね」
『じゃ、子供を産んでない方の人は親になんと?』
「離婚した旦那との子供をつれたシングル・マザーの友達
って事で紹介してるよ。
女同志のパートナーな事を役所で届け出た事は言ってない
兄弟は保守的な地方都市で固い仕事しているからね
カミングアウトをして、もし雑誌とかに乗ったら
職場の人に言われちゃうでしょ
”君の姉妹、百合カップルなんだって?”
とか差別する側になりたいから
差別する材料があったら、なんでも良くて
同じ事の繰り返しな生活で暇だからか
刺激的な悪口だったら、とびつくように言う輩って
あーゆー地方都市には多いからねー
なので、そういうワケで・・・
女同志の夫婦生活の事とかは
夜の生活から、日常生活の分担まで
いっさい親戚には言ってない
たぶん、言っても共通の世間話って感じで
聞いてはくれないし理解してくれないだろうから
”根本的な事が違うから、わからない”
みたいな事を言うだけなのが、眼に見えているからね」
「同じような女同士カップルで
パートナー申請をしてなかったから
片方が突然の病気で余命宣告されて亡くなって
遺産と言える不動産とか相続できなかったとか
亡くなりそうになった時に病院に行けなかったとか
そういうのを聞いて役所には届け出たんだよね
法律的に女同志で夫婦になる法律は無いけど
一応パートナー制度はあるみたいだから」
『でも、いつのまにか、他の男女夫婦に、つられるとか無いんですか?』
「どっちかが、旦那みたいになって、どっちかが奥様みたいにって?
他の男女夫婦みたいに?
いやー無いわー
家事とか子育てだけする旦那と、外で仕事して稼ぐだけな奥様って事」
「いや、それ逆」
「あ、言い間違えた
外で仕事をする旦那と、家にいる奥様ってパターンな夫婦
てのに、いつのまにか違う家にいる二人組なのに
精神状態が、つられているかっていう質問に答えるなら
答えは NO だね」
「夜の夫婦生活に関しちゃ
どっちがウケで、どっちがセメ って意味で
旦那がセメで、奥様がウケっていうのが常識なら
そういやあ、バイで男を知っている彼女がセメで
ワターシがウケって奴かな」
『もし、どっちか片方が売れたら
ゴシップ雑誌対策とか?やるんですか?』
「ああ、そうなったら、そうなった時に考えるよ
てか、今でもゴシップ雑誌にネタを売りそうな
金のためには、なんでもやるって感じのには
女同志パートナーな事は言ってないな」
「将来、そういうゴシップ雑誌業界?
に引き釣り込まれそうな人とかにもね」
『という事は、自分を信用してくれたと言う事で?』
「うん、まあね、そうなるかな」
「一応、言っとくけど、ここだけの話にしてね」
『もちろんですよ。でも、もし、そうしなかったら?』
「こいつみたいに弱みを握るかも」
と言いながらスマホで見せてくれたのは
元旦那の売れっ子役者さんが
過激なプレイをしている写真
『ははー。やだなー冗談ですよ、言うわけ無いじゃないですかぁ』
「それに、もし売れたら売れた方が個人事務所を作って
そこから大手事務所とかの業務提携って事にでもして
二人共同経営な会社って事にでもして
共有財産にでもするかもしれないねー
まあ、そんなに金が入ってくるワケじゃないから
今は、どうでもいいけど」
あとは、出会った時の事から
昔はストレートだった彼女をバイした時の事から
ずっと惚気を聞かされて、ふと思った事を聞いた
『そういやあ、御子さんって、今、誰が面倒みてんでしたっけ』
「あー。こんな時間かー、大きくなったから
一人で御留守番できる年齢になったとはいえ
そろそろ帰って、おやすみの挨拶でもするかぁ
じゃあ、またねー」
そして、その夜の賛辞会は終わった。




