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遭遇


鴨宮が、とある劇団のミュージカルに客演する事になった


「お前も一緒に裏方雑務をしてみる?」


そんな事を言ってくる


『いやー、素人がクビ突っ込んでも邪魔なだけでしょ

 大道具をするにしても、音響関係の雑務をするにしても』



「うん、音響雑務はね、確かに、いらない


 有名な映画監督が、この劇団の音楽やってる5人を

 テーマに映画を作ったくらいに音楽関係者ってかマニアに有名だから

 下手に何かやろうとすると


 ”下手くっそな ド素人 邪魔” の一言で叩きだされるね


 ”たった5人のオーケストラ” と賞される5人が


 劇中の音楽を全て生演奏していて

 PAとかの上演スタッフも固まってるから


 俺が参加する舞台作品は、”今を生きる日本人の暮らし”


 年間200ステージくらい地方公演をしている劇団なんで

 客演している間、首都から離れる事になるんで

 今、やっているバイトは一旦、やめる事になるな


 なんで、俺がやめて負担増えるかもだけど、よろしくね」



『で? どんな役やるの?』


「主人公な、農家の跡取り息子と元気な農家のお母ちゃん一家と

 同じ農村に住む百姓役」



などと鴨宮と雑談をしていると


「全く馴染みの無い人と一人で関わるの大変だから

 お前も来てくれない? 顔合わせの飲み会」


その一言で、劇団の飲み会に何故か参加する事となった。


飲み会にいる中で、自分のような完全部外者に話しかけてきたのは


なんで、こんな人が劇団関係者? てな人ばかり


デビュー作が、ほどほどに売れたらしい少女漫画家

(男なのに女心を研究するために女装してると言っていた

 実際のトコ、そういやぁ、こういう眼鏡っ子いるかとも思えた)


戦隊ヒーローシリーズで、悪の組織幹部役をやっていた役者さん

(その戦隊ヒーローシリーズを見ていたのでサインを貰った)



・・・(鴨宮視点)



稽古とかを一緒にしてみて

同じ農村の仲間感覚を形成するために

朝から晩まで一緒に過ごして

人間関係を見聞きする内に

不思議な感覚な人が多い事に気づいた


学校とか会社とかだと、一緒の班とかクラスとか

同じ部署に所属する同僚とか上司部下とか

そういう組織内制度の形式によって人間関係が

形成されていくワケなのだけれども


 基本、自由業なので誰と関わろうが自由

 誰と関わらないくても自由


という事で


 全ての人間関係は、内輪の暗黙の了解とか

 人間的な相性が合うか合わないかとかで形成


普通の社会人とは違うと言えば違ったし

ワザと違う部分を抱えようとしていた


それは色恋沙汰とかで一番、極端に出ていた。


 ナルシストな二人が出会い

 自分と同じような外見で性別が逆な男女同士で

 カップルになっていたり


 御嬢様 あんど 爺や


 御坊ちゃま あんど 婆や


 てなパターンの主従関係なカップルだったり


色々と言えば、色々なカップルのパターンが語られる。


 色恋は芸の肥やし


という事なのだろうか、普通の世間常識からは

色んな意味で外れていると思って聞いていた。


自分とかは傍観者でしか無かったけれども


 テレビとかでも馴染まれている

 女にモテる色男な役者顔なワケでもなけりゃ


 話術でクドくのが上手なワケでもないので


自分と同じ男でも、これは女の方から寄ってくるだろうな

って色男な役者さんが語る色恋沙汰の武勇伝を聞く事で

まるで自分が、その経験をしたかのような錯覚をする

疑似恋愛経験をするくらいでしか

色恋沙汰には関われない日常だ。それを口にすると


 若いのに枯れてるね。もっと関わって

 世の中に、どんな女がいるのか知った方がいいんじゃないの?


そんな事を言われる。

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