第547話 王に並ぶ
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ディオス達とぶつかる、アルダ・メルキオールの両隣…
ディオス達を乗せた時空要塞戦艦達が、ホーリートライアングルの時空の高次元に到達する。
時空要塞戦艦の三艦達が下にするのは、紫真珠のようなホーリートライアングルの時空達だ。
機神型時空要塞戦艦エルディオンの艦橋にいるディオスが鋭い顔をしている隣に信長が来て
「兄貴…」
ディオスは頷くと、時空要塞戦艦達の前にレオニドスとメファノタスの二柱が立っている。
レオニドスとメファノタスの顔は威圧を伴った邪悪な笑みだ。
レオニドスが
「ようこそ…宇宙王の方々…」
メファノタスが
「我らが最上のおもてなしをしよう」
レオニドスとメファノタスの二人が哄笑して同時に
『なぁ…に、お代は皆様の命という事で…』
二柱が足下にするホーリートライアングルの時空から波動の細波が集まる。
それは、このホーリートライアングルの時空に存在する過去の戦士達の遺志である。
ホーリートライアングルの時空になる前は、多くの非道や悲しみが各時空達に満ちていた。
その悲しみや非道を身に受けた者達が残した意志が望む事は、安寧と平和である。
自分達の平和と安寧をもたらす存在への渇望だ。
その渇望を叶えた存在がいた。
それが…アヌンナキ、アルダ・メルキオールだ。
そして、その渇望の残滓達は、この平和と安寧を守る為に、力へ変貌する。
そう、レオニドスとメファノタスはかつて戦士だった。
戦争の終焉を望み、安寧と平和の為に戦い続けた戦士だ。
故に、このホーリートライアングルの時空に残る戦士の遺志達が、レオニドスとメファノタスに集約する。
それは、さながらディオスが宇宙王としてサルヴァードを発動するのと…。
いや、同質の現象だった。
そう、レオニドスとメファノタスは、デウスエクスでありながら、超越存在だ。
だが、超越を使うには、この高次元へ来るしかない。
故に、レオニドスとメファノタスは、全力が発揮できる。
レオニドスとメファノタスが爆発する。
それは宇宙開闢と同等の衝撃だ。
三艦の時空要塞戦艦は吹き飛ばされるも、三艦の時空要塞戦艦から出て来た、ディオス、充人、アダムカイン、アヌビス、雷御の五人が前に出て防壁を張って衝撃から守る。
二柱の宇宙開闢級の爆発から、黄金の鎧獅子と、銀に輝く鎧龍が出現する。
その巨大さ、百万光年は超えている。
ゴオオオオオオオオ!
二柱のゴルドランとドルシルバーが雄叫びを上げると、二柱が融合する。
出現したのは、黄金の鎧獅子の躯体を脚部に、白銀の鎧龍が上半身の、竜騎士が出現した。
その全長は軽く三百万光年を突破している。
アパドラスが膨大な力の波動を放つ。
そして、右腕に宇宙誕生のエネルギーを集約させ、ディオス達に放った。
荒唐無稽で回避不能の宇宙級暴威が迫る。
ディオス達は、ディオスは意識を集中させアースガイヤを思うと…機神型時空要塞戦艦エルディオンにいるアースガイヤの民達の願いが引き金となって、ディオスは黄金の龍騎武者サルヴァードへ。
アヌビスも黄金火炎鬼神のアランディスへ。
充人は息子アダムカインの力を引き金に黒き重厚な龍機神のリベラシオンへ。
アダムカインは、時空要塞戦艦・轟天にいるレガリア達を引き金に輝く翼の鎧機神ヴァースディアへ。
そして、雷御は、奏との繋がりを通じてサタンヴァルデウスの宇宙級体を発動させる。その姿は、多腕で黒い外套を纏う鉄の鎧武者…ザダルデルスへ。
五つの宇宙王級の存在が、アパドラスが放った宇宙開闢閃光を弾き返した。
ディオスのサルヴァートには、機神型時空要塞戦艦エルディオンが
アヌビスのアランディスには、アヴィシャガンが
アダムカインのヴァースディアには、轟天が
各々の頭部の部分にいた。己の時空との繋がりをアシストする為に。
アパドラスは帰って来た宇宙開闢閃光を軽々と左手で掴むと、更にそれを練り込み密度を上げると、頭上に掲げ爆発させた。
銀河爆裂流星群が、そこに花開く。
一撃が銀河級の攻撃が無数に降り注ぐ。
それに宇宙王達は、防壁を展開する。
ディオスは、内部にした機神型時空要塞戦艦エルディオンの皆の力を借りて、個々に防壁を展開しつつ、ディオスのサルヴァードは、自身の数十倍もあるアパドラスに攻撃する。
”ギャラクシーフレア!”
と、ディオスのサルヴァードは、銀河創成の爆発をアパドラスにぶつけるも、アパドラスはそれを突き破ってディオスのサルヴァードへ正手を当てる。
「ぐおおおおおお」
と、三十万光年のサイズのディオスのサルヴァートが、たった一つの正手で吹き飛ばされる。
その後、アヌビスと充人が続く、アヌビスのアランディスと充人のリベラシオンは、火炎鬼神の拳に閃光爆炎、重厚な龍機神の拳に超絶質量を、ぶつかれば宇宙必滅の一撃を数十倍もあるアパドラスにぶつける。
その衝撃は、宇宙が二つも誕生する威力だが
「温いわ!」
と、アパドラスからレオニドスとメファノタスの声がして、ぶつかった胸部で弾き返した。
アランディスとリベラシオンが弾かれ、そこへ、アパドラスの正手の叩き付けが落ちたが。
「父さんーーー」
と、アダムカインのヴァースディアと、雷御のザダルデルスが神々を押し固めた跳躍蹴りをアパドラスへぶつける。
それで、アランディスとリベラシオンの正手は止まるも、アパドラスがその三百万光年級の超絶巨体で、ヴァースディアとザダルデルスへ突進する。
「ぐお!」
と、ザダルデルスの雷御は意識を持って行かれそうになるも、外套にしている喰手触手の群体を伸ばして、蜘蛛の巣のようにしてそれを受け止める。
そこへ、ディオスのサルヴァード、アヌビスのアランディス、充人のリベラシオン、アダムカインのヴァースディアの四柱の宇宙級体達が、同時攻撃をする。
サルヴァードは黄金の剣、アランディスは両手に殲滅閃光を、充人のリベラシオンは右腕に全てを押し通す超質量、ヴァースディアは両手に全てを薙ぎ払う流星群閃光を。
アパドラスへぶつけた。
強大な爆発と爆発の相乗効果によって、アパドラスは宇宙開闢、宇宙終焉、時空消滅の威力を浴びるが
「所詮、キサマ等はその程度よ」
と、メファノタスの声が響いた次に、あらゆる消滅の力を打ち払って、アパドラスが向かってきた四つの宇宙級体達を叩き落とした。
「ぐお!」とディオスは唸り、アヌビスに充人とアダムカインは悶絶する。
そして、アパドラスは捕まえている雷御のザダルデルスに狙いを定め
「笑止!」
と、レオニドスの声がした次に、ザダルデルスは全身にアパドラスの正手を浴びて打ち上がって、ディオス達が倒れる宇宙の上に落ちた。
ディオスは、サルヴァードを起こす。
「はぁはぁはぁ…」
と、遙か巨大で睥睨するアパドラスを見上げる。
五人の宇宙王級が全力を持っても敵わない。
これが…事実だ。彼ら、レオニドスとメファノタスは、どうしてアルダ・メルキオールの両隣に立てるのか?
二人の実力は、軽々と宇宙王級を超えている。
充人の中にある機神人類が、充人の密度のカウンターウェイトのように、レオニドスとメファノタスは、アルダ・メルキオールのカウンターウェイトなのだ。
レオニドスとメファノタスの実力以上の力をアルダ・メルキオールは持っているのを、レオニドスとメファノタスの強さが証明している。
ディオスのサルヴァードが立ち上がった次に、アヌビス、充人、アダムカイン、雷御と四人も立ち上がると、睥睨する超絶巨体アパドラスから
「なるほど、ここまで耐えるという事は、それなりの者達という事か…」
と、メファノタスの声がする。
次にレオニドスが
「消滅は不可能だろうが。ここから遙か彼方へ吹き飛ばす事は可能か」
と、告げた次に、アパドラスの頭上に、強大な力が収束して煮詰まっていく。
おそらく、ファースト・エクソダスの宇宙王アヌビスが今まで作ってきた百近い宇宙達の質量よりも、更に強大で高密度なエネルギーを収束している。
これを受ければ、無事では済まない。そして、確実にこの威力でホーリートライアングルの時空から吹き飛ばされる。
ディオスは、サードアイを開いてアパドラス…レオニドスとメファノタスを視る。
彼らがこれ程に強大な理由が見えた。
このホーリートライアングルの時空が誕生する前に、死んでいった多くの戦士達の遺志が、彼らに力を与えている。
その遺志の力、無量大数を超えている。
無量大数の死んでいった戦士の遺志達が共鳴して、願い、力を生んでいる。
このホーリートライアングルの時空の平和と安寧を守れ、何としても守るのだ!
多くの犠牲、多くの無念を知っている戦士達の遺志が、レオニドスとメファノタスに味方して力を与えている。
守る、守る、守る、とした遺志の集結がレオニドスとメファノタスのデウスエクスであり、それに呼応したデウス達を宿している。
鉄壁の守護神アスラン、絶大なる守り神ヴァジュラ。
その共鳴は美しかった。守る遺志達と、守る神達の共振は、最高潮に高まる。
レオニドスとメファノタスが
『我らがいる限り、このホーリートライアングルは揺るがん』
と、ディオス達を遙か彼方へ吹き飛ばす超絶攻撃を放とうしたが…。
唐突に、閃光が目の前で瞬く。
ディオスはサルヴァードから
「やったか?」
そう、ディオスの作戦通りにアルシュが至って超越の力をもたらすグゥディオ・ソルが消えて、そして…アシュリード達が…。
レオニドスとメファノタスのアパドラスは、それを察して
「消えろーーー」
と、ディオス達を始末した次に、アシュリード達へ向かおうとしたが。
ディオス達に放たれた超絶が、スフィアの神城に吸収される。
ディオス達のいる宇宙の上の上に、アシュリードがレーヴァティンから受け継いだ神城を置いて、アパドラスの力を吸収したのだ。
アパドラスのレオニドスが
「そんな、レーヴァティンが…隊長が!」
八つの光輪を背負うアシュリードが神城から下りて来る。
それに、リュシュオル、ユティス、イエツァ、マレーナの四人と、ラプター、パンテーラ、ウルス、ルプスの四人も付いてくる。
八柱のデウスエクス達は、アシュリードと繋がって共鳴するように光を放っている。
アシュリードを前にするアパドラスのレオニドスが
「キサマ! どうやってレーヴァティンを!」
アシュリードが
「エレンティアさんが、僕に託してくれた」
メファノタスが怒り
「世迷い言をーーーーー」
アシュリードが
「聞いて欲しい。僕は、この世界を壊すつもりなんてない! 僕は、兄さんの隣に立ちたい。それだけだ!」
レオニドスが
「御方は、絶対の唯一! キサマのような逆しまが図に乗るな!」
メファノタスが
「御方の両隣に立つのは、我らであって!」
雷御が
「並び立ってねぇだろう」
レオニドスが怒りを雷御に向け
「知ったかぶるな!」
ディオスが
「雷御の言う通りだ。お前達は、大切とする御方の隣に並び立っていない。崇めて距離を置いてる。それは、お前達がそうであって欲しいと無意識に思っているからだ。本当に並び立っているなら、嫌な面も、ダメな面も、見ているはずだ」
アヌビスが
「これはかつて、崇められて苦しんだ私からの言葉だ。誰も崇められる事を望んでいない。誰も隣にいないには…寂しいモノだ。だから、誰かが隣にいてくれるのは…嬉しかった」
充人が
「本当にお前達がやりたい事はなんだ?」
アパドラスから威圧が消える。
レオニドスとメファノタスが、やりたかった事。それは…とても、単純だ。
アルダ・メルキオールと偶にでいい、テーブルを囲んで対話をする事だ。
それだけだ。
ホントにそれだけが、二人の願い。
簡単な事だ。友でありたい。
それだけだ。
アパドラスのレオニドスとメファノタスの前に、リザーとエレンティアの陽炎が現れ
エレンティアが
”我ながら意地を張ったものだ”
と微笑み。
リザーが
”ごめんなさい。私の迷惑に巻き込んで…”
と微笑む。
レオニドスとメファノタスが項垂れた次に、アシュリードに手を伸ばす。
そこから光が伸びて、レオニドスはアシュリードの右手にある黄金の剣に、メファノタスは、左手にあるヴァジュラに、繋がる。
レオニドスが
「汝に託していいか?」
アシュリードは頷き
「ああ…きっと必ず…」
アシュリードが、真にアルダ・メルキオールの逆しまとなった。
アシュリードは閃光に包まれ、閃光の神服を纏い、十柱のデウスエクスと繋がる。
鷲のラプター、豹のパンテーラ、狼のルプス、熊のウルス、鳳凰のリュシュオル、月の女神のユティス、太陽の子のイエツァ、大海の母神のマレーナ。
そして、守護神の獅子のレオニドスと、鉄壁の守護龍のメファノタス。
真の絆繋合王になったアシュリードの遙か頭上から、アルダ・メルキオールへ伸びる道が下りて来た。
その道の先にアルダ・メルキオールがいる天頂の神座がある。
ディオスが
「行きたまえ。君の思いを…伝えて来なさい」
アシュリードは頷き「はい」と告げて、その道の上を飛翔して昇っていく。
自らの逆しま、対であるアルダ・メルキオールの元へ。
飛んでいくアシュリードを見上げるディオスに、充人が
「ディオス…これから…」
ディオスは頷き
「ああ…必ず、その時が…」
と、告げた隣に、命輝跡王のアルシュがライアーと共に来た。
アルシュが
「ディオス。本当にその通りになるのか? 二人が話し合って終わりという事も…」
ディオスが鋭い顔をして
「それでもいいが、それでは連中の思い通りにならない。そして…」
雷御が来て
「ま、アイツ等に一撃入れれば何でもいい」
アヌビスとアダムカインも来て、アヌビスが
「見えるな」
と、告げてとある上を見上げている。
その見上げる超高次元に微かであるが6つの王座が見えた。
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