第538話 修羅地獄 入口
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ロゴスリアの曼荼羅世界に落ちたディオス達、そこで…
ディオスは、デウスマギウス・アミダライオウをしまって雷御と共に鉄火場の修羅地獄を進む。
雷御が立ち止まり、ディオスを止める塹壕の中。
隠れた二人の前を髑髏の兵士が第一次世界大戦で使用したGew98を抱えて走って行く。
それが過ぎ去った後、雷御が先へ進みディオスが続く。
ディオスが
「どこへ向かっている」
雷御が先を進みながら
「もう少しで全員がいる場所に合流する」
と、告げて数分後に、とある窪地になっている場所に到着すると
「ディオスさん!」
と、奏にアルシュにスコルピオンとライアーにキャロルの五人と…リュシュオル・ユティス・イエツァ・マレーナの敵方の四人、計九人が集まった場所に来る。
ディオスと雷御は、五人の方に合流して
「さて…」
と、敵方の四人の彼女達を見詰め
「これは…どういう事かな?」
答えてくるとは思えない。
だが、リュシュオルが
「私達にも分からないわ」
スコルピオンが
「ウソを言ってんじゃあねぇか?」
ユティスが
「本当に分からないの…」
四人の雰囲気は困惑と戸惑いを見せている。
ディオスが雷御を見て
「雷御は…知っているようだが…」
雷御が渋い顔をして腕を組み
「こんな事が起こるとは…オレとしても、到底、信じられない」
アルシュが雷御に
「知っているなら、話せ」
雷御が眉間を寄せて
「ここは、神の胎中、ゴッドフィールド。神は、その力を振るう為に、その胎中に自身の力を生成する空間、領域を持っている。一であり全でもある。一点でもあり世界でもある。その源であり、その領域、神の力を生じさせる過域、神の胎中がここだ」
アルシュとディオスは、その言葉の意味を考え、他の者達は困惑で首を傾げている。
ディオスが
「つまり、自分が最も力を振るった過去の領域、それを神の胎中、ゴッドフィールドと?」
スコルピオンが
「おう、もっと分かり易くしてくれよ」
アルシュが
「要するに、神自身が生まれた過去の世界自身が、ここに出現しているって事だ」
雷御が
「オレは、罪人食いの天道だ。この腹の中に、喰った罪人共の魂群を消化して分解する罪人地獄の胎中を持っている」
と、自分の腹部を摩って
「しかし、これが外に展開される事は無い。展開されたら、それは過去の残滓として空間に、世界に、時空に消える。だから、存在できるなんて不可能だ」
アルシュが
「だが、オレ達はいる。その存在するはずのない、そこにいる」
ディオスが暫し考えていると、ライアーが
「ディオス、まさか…カログリアの連中の…」
ディオスが顎に手を置き
「ライアー、カログリアの彼女達は、超越存在の力を宿された者達だよなぁ」
ライアーは頷き
「そうだ」
ディオスが鋭い目で
「超越存在の力は、違う世界の世界力同士を繋げて共存させる力がある。それにだ。想定が間違っているかもしれない」
雷御がハッとして
「まさか、展開されたんじゃあなくて、俺達自身が…」
マレーナが
「つまり、取り込まれたって事ですか? ロゴスリアの中に…」
奏が
「じゃあ、他のみんなも…」
キャロルが
「いるだろうが…こうなっているかもしれん」
と、自分の左腕を上げるとそこには
全員が驚く。
キャロルの左手が周囲にいた髑髏の兵士のように骸骨の手になっている。
キャロル自身の境目と、骸骨の手の境目がしのぎを削っている。
スコルピオンが
「ってことは…他の連中は、この辺りにいる髑髏の連中に…」
アルシュが目を見開き
「理解した。そういう事か、どうしてこのメンツが残っているのか…。オレとディオス、雷御、ライアーは、超越存在の力を持ち、尚且つ、それを触媒にしてアシュリードの力を受け取り他へ分配する中核だった。キャロルは、ライアーと繋がっているから。奏は…繋がっている雷御から。そして、コイツ等は…」
と、リュシュオル・ユティス・イエツァ・マレーナの四人を見て
「同じ力で、同じデウスエクスだから、変異を免れている」
ディオスが頷いて
「ここからの脱出だが、単純な法則だ。私達を取り込んだという事は、解放する方法もあるはずだ」
ライアーが
「まるで、スーパーマリオの世界だ。クッパによってピーチ姫が攫われて、クッパがキノコの王国の皆をブロックに変えてしまった。ここで戦い再生して戦う修羅地獄を行っている者達は、取り込まれて変異した者達か…」
ディオスが雷御に
「雷御、胎中って事は、曼荼羅と同じだよなぁ…」
雷御が頷き
「中心点があるはずだ」
ディオスが
「むやみに歩き回っても…」
雷御が頷き
「ああ…意味は無い」
ディオスが、リュシュオル達四人に近づき
「協力してくれるよね。君達も巻き込まれたみたいだから」
四人のデウスエクスの女神達は視線を合わせて頷き、マレーナが
「ええ…その、ちょっと不信が…」
ユティスが
「アシュリードが言っていた。御方とアシュリードに関しての…」
ディオスは頷き
「ウソではない」
イエツァが渋い顔をして
「ここを脱出するまでの間だけの…」
ディオスが頷き「ああ」と告げてアルシュを見ると、アルシュは頷いた。
仕方ない事だ。
ディオスが雷御に
「胎中の曼荼羅って事は…直線で動いても意味は無いよなぁ…」
雷御が
「そうだ。曼荼羅は広がるフラクタル、螺旋だ。だが、螺旋の方向が…」
ディオスがデウスエクスの女神達に
「四人とも、少しだけ…染まっていない力を放出してくれないか?」
リュシュオル・ユティス・イエツァ・マレーナの四人が右手を上げて、アシュリードと同じ黄金の粒子を放つと、イエツァとマレーナは昇るだけだが…リュシュオルとユティスの二人の黄金の粒子は、正反対の方向へ流れる。
ディオスは、え?と戸惑う。
想定していた答えと違う。
イエツァとマレーナのように反応しないのは分かるが、反応して別の方向へ流れるなんて。
ディオスが悩んでいると、リュシュオルが
「ユティスの力が流れている方向が正しいかもしれない」
ディオスがリュシュオルに
「どうして、そう思うんだい?」
リュシュオルが
「ユティスの祖母に当たるのがロゴスリア、リザーナだから…つまり眷属ね。そして、私は、それと仲悪いレーヴァティンの側の眷属だから」
ディオスは腕を組み納得して
「なるほど、では…行ってみるとしよう」
こうして一同は、反応があるであろうユティスの示した方へ向かう。
幾つもの戦場の地獄、地球上の第一次世界大戦や第二次世界大戦のような戦場、未来のような骸骨機械兵器達の戦場、歪な髑髏が浮かぶ宇宙戦艦達が上で戦う戦場を通り過ぎて、そして、とある教会のような建物の場所に来た。
その朽ち果てたような古い建物と、斜めになっている門柱にはウルズの泉、レーベンスボルンと…。
ディオス達がそこを見詰めると、その教会の庭園で、子供達と遊ぶ女性達がいる。
ドレスを纏い、子供達と手を繋いで遊ぶ彼女達。
ディオス達がそこへ入ると女性達が気付き、一人が近づく。
眼鏡を掛けているが、ロゴスリアだ。
だが、少し若いように思える。
ディオス達は警戒する。
これも通過する修羅地獄の一つか?…と。
近づいた女性が
「どちら様でしょうか?」
ディオス達は警戒で下がっていると、ディオスが
「道に迷ってしまって」
馬鹿正直に答えたディオスに、アルシュが
「おい!」
ディオスが「いいから」と告げて
「ここは何処でしょうか?」
と、女性に
「はい。ここは孤児院です。戦災孤児の…」
と、女性が告げると、教会の鐘が鳴る。
そして、教会のドアが開くとそこには数名の軍服に着替えた者達がいた。
その中に、金髪のレオニドスと、黒髪のメファノタスの二人がいた。
女性がディオス達から離れると、その出て行こうとする軍服の青年達に近づき、青年達を抱きしめる。
軍服の青年達は、優しく女性達を抱きしめ
「行って来ます。母さん」
と、告げて教会の門を潜って遠くへ向かって行くと、全身が青く燃えて髑髏の兵士や、髑髏の兵器に変わって去ってった。
髑髏の修羅地獄の者達となった青年達を女性が見詰め、ディオス達は驚愕で唖然とする。
女性が、唖然とするディオス達に
「辛い事です。今も…戦争は続いている。あのように…兵士として適性がある子達は…皆、行ってしまうのですから」
ディオスは、青年達を見詰める女性の横顔を凝視する。
悲しんでいるというより、達観している。
アルシュがディオスの脇を小突き
「ここは、地獄の兵士達を送り出すポイントで…中心ではないかもしれないぞ」
ディオスが女性に
「少し、ここで休憩してもよろしいでしょうか? 皆…歩き疲れて…」
女性は微笑み
「どうぞ…」
ディオスは、孤児院とされる教会内に入る。
「お、おい」とアルシュが続き、雷御が鋭い顔をしている。
それに奏が
「じゅーくん。何か…」
雷御も前に出て
「なるほど」
それに奏も続き、ライアーとキャロルも、そしてデウスエクスの女神達も続いた。
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