鉄拳の女王 第37話 問題の始まり
次話を読んでいただきありがとうございます。
シンイラの者達とムゲンとエイトが…
ゼオン時空のとある場所
ムゲンとエイトは、追い詰められていた。
二人を追い詰めているのは、サタンヴァルデウス…罪喰いの神人達の四人、アマカス達だ。
ムゲンとエイトは背中から目を伴った触手の力を伸ばしている。
それを何度もアマカス達四人に向けるも
「ヌルい」
と、片手で襲い掛かる目の触手達を払い除ける。
ムゲンとエイトは、焦燥する。
アマカス達四人は、ムゲンとエイトの二人を囲む。
ムゲンとエイトは、あくまでも超越存在モドキ。
囲んでいる四人はサタンヴァルデウス、その領域にいる存在だ。
そこには圧倒的な差が、越えられない壁がある。
追い詰められるムゲンとエイトだが…
アマカスが
「大人しく投降するなら…悪いようには」
明治時代の軍服のような衣装を纏うアマカスの足下が僅かに沈む。
「ん?」
全員がいる場所は、特殊金属素材の地面だ。
沈むなんて事はありえない。
アマカス達四人が気付くと、四人の足下を囲むように漆黒の液体が広がっていた。
「何!」
と、アマカスがそこから離れようとするが、足が上がらない。
粘度が高い何かに掴まれた如く足が地面に張り付いた。
アマカス達が前身から手の形をした獣の口、喰手触手を伸ばそうとしたが…足下を抑える漆黒の粘液がアマカス達に伸びて、広がろうとした喰手触手と共に渦状の繭に閉じ込めた。
ムゲンとエイトの二人の周囲に、漆黒の甲殻で構築された繭が四つ現れた。
その四つはサタンヴァルデウスのアマカス達だ。
その場景を見て、エイトが
「アズルか…」
アマカス達を閉じ込めた漆黒の粘液から人が現れる。
黒いフードの外套を纏った男が、フードを外すとアイゾと同じ第三の目に紅く輝く瞳をしたアズルが顔を見せて
「大丈夫だったか?」
エイトが立ち上がり
「来ていたのか…」
アズルがエイトの隣にいるムゲンを見て
「ムゲンが帰って来ると聞いてな…」
ムゲンがアズルに
「言っただろう。オレは帰って来る…と」
アズルは笑み
「そうか…それなら構わない」
エイトがサタンヴァルデウスを閉じ込めた物質、漆黒の粘液の繭に触れて
「流石だ。サタンヴァルデウスを、シンイラの連中を閉じ込めるなんて」
アズルが
「一時的だ。数時間後には破壊されて出てくるだろう。そのくらいなら逃げるに十分だ」
ムゲンが
「アズルが作る無限乱流の中でも、サタンヴァルデウスは越えてくるのか…」
アズルが
「サタンヴァルデウスはサタンヴァルデットが神化した存在だ。その内在する圧倒的な質量は、一つの宇宙に匹敵する。ゆえに罪喰いの神人…サタンヴァルデウスと呼ばれる」
エイトが
「シンイラが追っ手を寄越したって事は、オレ達のやろうとしている事を嗅ぎつけているのか?」
アズルが
「アイゾの事が関係しているのだろう。いずれにせよ…今後はシンイラも考慮せねばな」
ムゲンが肩をすくめて
「長話は…後にして、ここから逃げようぜ。数時間は大丈夫とは言っても」
ビキ…とアマカスが閉じ込められている漆黒の粘液の繭に亀裂が入る。
アズルが厳しい顔で
「そのようだな…」
アズルとムゲンとエイトの三人はその場から逃げて、一時間後にサタンヴァルデウスを閉じ込めた漆黒の粘液の繭が砕けてサタンヴァルデウス達が出て来た。
アマカスが厳しい顔をして
「逃がしたか…」
◇◇◇◇◇
ヒイロは、スカーレット時空へ来た。
「リーサ!」
と、何時も通りリーサの城に来た。
そのお供にゴードを連れてきた。
何時も通りにヒイロは、リーサの城にある停泊場に時空戦艦を止めて、降りて来ると…そこにリーサとリューオンが待ち構えていた。
時空戦艦から降りるヒイロが困惑を向ける。
何時もならリーサと執事の二人が出迎えだが、リーサとリューオンの二人が出迎える。
つまり…それは
ヒイロは、リーサの元へ行き
「どうしたの? 何か…」
リューオンが共にいるという事は、そういう事だ。
ゴードも続いて
「姉貴…何かあったのか?」
リューオンがゴードを見つめて
「この方は…ヒイロと同じなのか?」
ヒイロが
「私の姉弟、弟よ」
リューオンが
「それは、前世からの…か?」
それにヒイロは少し鋭い顔をして
「言う必要があるの?」
リーサがヒイロに
「ごめんなさい。ヒイロ…リューオンはちょっと…苛立っていて」
ヒイロがリューオンに呆れ顔で
「リューオンが苛立つ程の問題でも持ち込まれたの?」
リューオンは息を荒く出して
「ああ…本当に次々と…舞い込んでくる」
ゴードが困り顔で
「オレだけ、外れようか…」
一同の後ろから
「いいえ。是非ともお聞き頂きたいですわ。初代ゴード帝様」
と、金糸の豪華なドレスを纏った女性が姿を現す。
その隣には、数名の部下が伴い。
そして、その女性の隣に青いドレスを纏った女性が続き、その女性が
「ヒイロ様。いえ…初代スカーレット様の転生様。どうか、お力をお貸しください」
と、頭を下げた。
それを見てヒイロは眉間を押さえた。
問題事の匂いしかない。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
アナタに幸せが訪れますように…
次回、頼る者達




