鉄拳の女王 第36話 ウルと再び
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かつての超座達が…
リアス選帝侯の元にいるウルは、リアスからヒイロの事を聞いて
「ほう…それはそれは、会いに行くべきだな」
リアスは肯き
「師匠の旧友だった者達でしょう?」
ウルは
「ああ…今、どんな顔なのか見る権利はあるさ」
◇◇◇◇◇
ヒイロはゴードを連れて近くの街中を歩く。
ゴードの両脇には、ディオスの子供達、弟妹がいてゴードの手を引いていく
「あそこに行こうよ」
と、子供達がゴードを引っ張って自分達の地元の街を案内する。
それにゴードは微笑みながら手を引かれていく。
その後ろ姿をヒイロは見て
「みんな、ゴードは色々と知らないから、教えてあげてね」
『はーい』
と、ゴードの手を握る弟妹達が返事をする。
ゴードは微笑みながら弟妹達と一緒に色んな店を回る。
新たに転生したゴードには、前世とは町並みが違うアースガイヤの風景だが、懐かしさを感じる雰囲気を見つめていた。
ゴードが初代ゴード帝だった頃の町並みも似たような風景で、その頃を思い出す。
「こういう暖かさは、どこでも変わらない」
と、ゴードは呟く。
そして、子供達と一緒に歩いて行くゴードとヒイロ。
その目の前に一人の老紳士が立つ。
それをヒイロとゴードが見て、ヒイロが腰に手を置いて
「アナタもお久しぶりね。ウル…」
ヒイロ達の目の前にはウルが立ち
「懐かしいね」
と、微笑む。
ヒイロとゴードに弟妹達は、ウルを交えて街中を進む。
ゴードとヒイロの回りにいる弟妹の子達がウルを見つめている。
ウルが微笑み
「すっかり子供達に好かれるようになったね」
ゴードが眉間を寄せて
「そうだな。あの頃の昔は…そんな事なんて…いや、殺気立っていた時が多かったからな。怖がって避けられたよ」
ウルがゴードを見つめて
「超座は…持っていないな…」
ヒイロがウルに
「アナタは、没収されていないみたいね」
ウルが呆れ笑みで
「アレほどの事をしたのに…覇遵は奪わなかった」
ヒイロは少しだけ悲しげな笑みで
「そうね。覇遵様は…私にも罰を与えてくれなかった」
ウルも少しだけ悲しげに
「そうだな。あの方は、覇遵は甘すぎる」
ゴードが
「いや、甘くないと思う。自分で自分を罰せよ。一番、難しくて厳しい事をしていると思うよ」
ウルが帽子のツバを持ち
「自縄自罰か…自らに縛り自らに罰を決めよ…か」
ゴードが
「誰かに罰して貰うなんて楽だろう。自分で自分の嫌な部分、ダメな部分、罪を受け入れて、自分で何とかする。それは凄く難しい」
と、空を見上げて
「そうして、オレは…ゴード帝の時に…」
ヒイロが
「その自罰が厳しすぎて、自分が敵と演じて周辺が纏まれば…って、その後は…」
ウルが
「人は自らを縛る罰する事が苦手な生き物だ。どんなに過ちを犯して、その都度、反省して縛るも…それは過去の事やら、今は違うやら…言い訳をして欲望のままに動き出す。かく言う私も似たようなモノか…」
ヒイロが
「説法はいいから、今はどこにいるの?」
ウルが
「そのゴード時空の領主の元へ余生を過ごしているよ。そこで私の寿命も終わるさ」
ヒイロが
「オージンには会っていかないの?」
ウルが
「そうだな。せっかく来たのだから…会っていくか。いるのだろう」
ヒイロが
「今、ティリオに色々と教えているわ」
ウルが
「そうか…では、行っても…というか、良いから言っているのだろう」
ヒイロが
「もちろん」
こうして、ウルを連れてヒイロ達は屋敷に帰る。
ディオスの屋敷の隣にあるティリオの屋敷へウルが向かうと、ティリオに色々と教えているオージンがウルに気付いて
「おお…放蕩していた分析屋が帰って来た」
ウルが
「技の財が大好きな王様が…誰かに教えておるわ」
オージンがウルに近づき
「元気だったか?」
ウルがオージンを見つめて
「オージンの覚悟を知っていたから、会えるのは死後だと思っていた」
オージンが腕を叩き
「だが、こうして…また、会えた。嬉しいよ」
ウルが肯き
「ああ…また、生きている時に会えて良かった」
二人は懐かしきお茶会を再開させた。
お茶会のお菓子は、ティリオが作って用意して、ティリオの屋敷のテーブルで懐かしさの花を咲かせた。
そして、別の場所、ディオスの屋敷の書斎では、リアス選帝侯がいた。
書斎に座るディオスと、その前にあるソファーに座るリアス選帝侯
リアス選帝侯が
「突然の訪問を受け入れていただき感謝します。聖帝様」
ディオスが溜息を漏らして
「こちらこそ、貴殿とは交流を暖めたいと思っていたのでね」
杓子定規な挨拶をする両者。
ディオスが
「で、どんなトラブルを持って来たのかね?」
リアス選帝侯がフンと鼻息を荒げて
「データは渡せないので、口で言う。スカーレット時空で大事件を起こした黒の女王オルガ・グラーフレイの配下だったムゲンが、我らの領土で確認された」
ディオスが難しい顔で
「ほう…そちらで暗躍を?」
リアス選帝侯がディオスを見つめて
「同時に、我らの領土でシンイラの者達も密かに入り混み、ムゲンとその仲間の一人の二人を捕らえようとしたらしい。だが、失敗した」
ディオスの眉間が険しくなる。
「サタンヴァルデウスでも捕まえる事が困難だという事か…」
リアス選帝侯が鋭い視線で
「公式としては、テロリストが違法兵器を奪取して、それが暴走の結果、その現場であった惑星に多大な被害を与えた…になっているが、シンイラの者達とムゲンの者達による戦闘で…」
ディオスが手を組み、それで口元を隠して
「で、どうしたいのだ? そちらは…」
リアス選帝侯が
「公には動けない我らの代わりに…そちらが動いて欲しい。無論、対処で動いて頂けるなら相応の報酬と情報は提供するつもりだ」
ディオスが
「相応の報酬と情報ねぇ…」
リアス選帝侯が
「オレ達は…ミカボシ達と通じている。その情報の横流しをしても構わない」
ディオスとリアス選帝侯は静かに見つめ合う。
どう、駆け引きをするか?
静かな探り合いが行われていた。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
アナタに幸せが訪れますように…
次回、問題の始まり




