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「羽留から貰ったTシャツとは別に後、2着ほど欲しいんだよね。どれがいいと思う?」
「この生地は汗を吸収しやすいけど、速乾は弱いかな。こっちの方は私が作った生地と同じだから吸収も速乾もしてくれるよ」
「じゃあ。緑と黄色にしようかな。ありがとう!羽留」
風吹もお目当ての物が買えたみたい。
新しくできたカフェでお昼を食べる事にした。
「新しくこんな可愛い店出来てたんだね」
店内の装飾が凄い私好みだった。
「羽留が好きそうだなって思ってて、羽留が帰ってきたら一緒に行こうと決めてたんだ。嬉しい?」
「うん。色々考えてくれて凄い嬉しい。風吹。ありがとう」
「うん。」
凄い嬉しそうに俯いた。よく見ると耳が赤くなっている。
風吹の手を握りしめて顔を覗き込むと目線を逸らされた。
「どうしたの?」
「羽留が可愛すぎて直視出来ない。」
ええ?今更?可愛いのは風吹の方だよ!
頼んでたご飯がくる。
「うーん!このオムライス美味しい」
「羽留って子供の頃からオムライス好きだよね。いつもレストラン行ってもオムライスだったし」
「風吹だってハンバーグばっかりじゃん!」
「確かに。昔から変わらないな」
二人で顔を見合せてぶはぁっと笑い合う。
「おい!あれって3組の東堂風吹じゃん。」
「東堂って1年でバスケ部のスタメンになった?」
「そうそう!しかも顔よし、頭よし、性格よしの三拍子揃ってるって言う」
「隣にいる子って??」
「うわっ笑った顔超可愛い!」
「東堂って2組の林藍良と付き合ってるんじゃなかったっけ?」
「噂は噂って事だな!」
「俺は林よりあの子の方がタイプかも」
「確かに!素直そうで…」
「おいおい!お前ら風吹に殺されるぞ」
「加藤じゃん!あれって、東堂の彼女?」
「あぁ。風吹が小学生の時から好きな初恋の女の子だよ」
「風吹よかったな。如月さんに片思いしてたもんな」
中学からの友人の齋藤隼人が言う。
「え?あの子にそんなに長い間片思いしてたのか?」
「羽留ちゃんも風吹の事すきだったから両片思いだよ。小学校の同級生達の間では有名だったけどな」
「何で?」
「お互い好き同士なのに当の本人達は片思いだと思ってたし。」
「なぁ。純?4月の初めと終わりに何で風吹荒れてたんだ?」
「あぁ。入学式の時に羽留ちゃんに電話掛けたんだけど男の声が聞こえてきてさ、しかも羽留ちゃんの事をはぁちゃんって呼んでてさ…それで嫉妬してんのに羽留ちゃんからそいつのいい所言われてしまったって感じだよ!末は確かゴールデンウイークに羽留ちゃんにこっちに帰ってこないっていわれて…要は寂しくて荒れてたって感じ」
「あぁ。確か卒業式前に如月さん怪我させられて休んでたもんな。」
「えぇ?マジで?!それで如月さん来てなかったのか?怪我させたのって?」
「ほら?林藍良信者の男だよ。」
「まじかぁ。最低だな」
「林の取り巻き達に羽留ちゃんいじめられてたらしい。だから風吹は林藍良の事嫌ってるから2人が付き合ってるとか絶対ないからな!!そんなん言ったらあいつ切れるかもしれないからか言うの辞めとけよ。」
会計終わって風吹が御手洗へいっている間にふと見ると純一くんの姿が見えた。
「純一くん。久しぶりだね?」
「羽留ちゃん?!あれ?風吹は?」
「今、御手洗に行ってるよ。皆で遊びにきたの?凄い大人数だね」
ざっと10人はいた。
「如月さん!久しぶり!」
声のする方を見ると齋藤くんと後藤くんだった。
「久しぶりだね。皆、高校一緒なの?」
「そうなんだよ」
風吹がトイレから出てきた。
「じゃあね!話してくれてありがとう!」
風吹の方に駆け寄る。
純一くん達がいた事を話すと風吹も彼らを見て手を振っていた。
私たちは手を繋ぎ映画館へ目指した。
「凄い沢山の友達で遊びに行くんだね?」
「別々で来たと思うよ。」
「そうなんだ」
「羽留。俺といる時に他の男の話しないで?ヤキモチ妬いちゃうから」
繋いでいた手をぎゅっと強く握られる。
確かに顔も少し怒ってるかも。
「わかったよ。ごめんね。」
「いいよ。嫉妬深くてごめんね。でも、羽留を取られたくないんだ。独り占めしたい」
風吹の頬を撫でたあげる。
風吹が頬を私の手にスリスリしてくる。
小さい時から変わらない所がまた見れて嬉しかった。
映画館に着いて飲み物を買うことにした。
「ポップコーンとオレンジとファンタでいい?」
「うん!風吹に任せるよ」
「俺の方が多分沢山食べるからここは俺が払うよ」
「わかった。ありがとう」
待っている間、映画のパンフレットとか、グッズを見る。
お揃いのキーホルダーを買った。
後で風吹に渡そ。
背後から「おい!」という声が聞こえてくる。
振り返るとそこにいた人物を見て鼓動が激しく動く。
息も荒くなってきた。
「お前、本当に人の忠告聞かねえな。いつまで東堂くんに付きまとってるんだ?また蹴られてえのか?」
中学時代に私をいじめていた男子だ。
しかも卒業式前に私に飛び蹴りしてきたのもこの男子だった。
「あなたの忠告なんて関係ない。私は風吹と付き合ってるんだから」
「ぷはぁっお前とうとう妄想まで入ったのか?お前が東堂くんの彼女?笑わせるな。藍良様が彼女だ勘違いするな。今のうちに帰るなら許してやる。もしまだここにいるつもりなら病院送りにしてやる。」
心臓がバクバクしてきた。
中学の時より横に大きくなってる。
こんなのにまた蹴られたら死んじゃうよ。
私は目に涙が溢れてきた。
私の背中と左側は壁だし前にはこの巨漢がいる。
右側からしか見えないのに半分はグッズが並んでる棚があるため死角になってる。
どうしよう。
呼吸が早くなる。
涙が流れてきた。
不意に男の視線が止まる。
「へぇ?中学の時は制服着てたからわかんなかったけど、意外と…」
「え?何?」
いきなり壁ドンしてきた。私の耳元に顔を近づけてきて息をふきかけてきた。
気持ち悪い。顔を逸らしながら「やめて…」と言う。
「お前って意外と顔可愛いんだな?胸も大きいし、しかも…」
近づいてきた。気持ち悪い。
「良い匂いがする。」
もう嫌。風吹助けて…
気配が離れる。
「離せよ!」
目を開けると風吹が男の襟元を持って持ち上げていた。
「風吹…」涙が出てきた。
風吹は近くの店員に言う。
「すみません、こいつがこの子にセクハラしてます。僕たちこれから映画を観に行くので対応お願いします」
店員がインカムで警備員を呼んでくれたので連れられて行った。
「大丈夫?羽留!ごめんな」
ぎゅと抱きしめてくれた。
「ううん。ありがとう。」
「映画観に行けそう?」
「大丈夫だよ。」
私はニコッと笑って風吹と一緒に劇場へ行く。
店員さんに風吹が声をかける。
支払い後に私があの男子に私が壁ドンされてるのが見えて事情を話して預かって貰っていたらしい。
警備員の到着が早かったのもこの店員さんが連絡してくれていたからだそうだ。
「よかったね。彼女に怪我なくて」
「ありがとうございました。」
二人でお礼を言う。
「映画デート楽しんでね」
「はい!」
番号を探して座る。
憧れのカップルシートだった。
「ありがとう。風吹」
「ううん。映画館で恋人同士っていったらカップルシートだろ?って実は俺が羽留と付き合えたらカップルシートで映画を観たかったんだ。夢が1つ叶って嬉しい」
暗くなったので風吹の頬にキスをする。
「さっきは、本当にありがとう。すごく怖かったから嬉しかった。やっぱり風吹は私のヒーローだね」
風吹からも抱きしめられて唇にキスされる。
「ヒーローじゃないよ。中学の時、怪我する前に助けれなかったから。」
今度は私から深いキスを返す。
「ううん。嬉しかったよ。今日もありがとう。大好き♡風吹」
予告が終わるまで抱きしめながらキスを続けた。
「続きは映画終わってから羽留の家でしてもいい?」
「わかった。約束ね?」
最後に長めにキスをして映画を観る。
風吹チョイスの映画は本当に面白かった。
映画が終わって風吹の携帯に電話がかかる。
「もしもし?」
「風吹、お母さんとお父さん出かけてくるわ。ご飯作ってるから羽留ちゃんと一緒に食べなさいね。早く帰ってこないくるのよ!」
「今から帰る所。了解!ありがとう」
帰って風吹の家で晩御飯を食べる。




