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5月1日当日の朝になった。
そわそわしてる私を見て晶ちゃんが笑顔で言う。
「はぁちゃん、ひとまず落ち着いて朝食食べよう」
「うん。分かった。でも緊張する……」
「告白するみたいな感じだね。」
「こ、告白!!」
風吹に告白なんて考えた事もなかった。
風吹には好きな人がいるからしても振られるからって思っていたし、私みたいな平凡な人間が、ヒエラルキー上位の風吹の隣りに相応しいとは思わなかったからだ。
「はぁちゃん。告白は相手に自分の気持ちを伝える1番大事な事じゃない?特に幼なじみ関係が長い私たちにはある意味必要だと思うよ」
「そうだよね。もし言えそうな雰囲気になったら言ってみる!」
「その意気だよ!はぁちゃん。」
1日の授業が終わった。
寮に一度戻り帰省の荷物をもって寮母さんに外泊提出書を出してバス停まで行く。
風吹のパパさんは隣の県に出張に来ている。
電話を一応かけると繋がった。
「パパさん今からバスに乗って大山駅まで行きます。」
隣の県だが私がいる市のすぐ横なので30分もあれば着くことができる。
「羽留ちゃんごめんね。おじちゃん迎えに行けれたら良かったのに」
「全然!家まで乗せてくれるだけ助かる。ありがとう!」
「気をつけておいでね」
「ありがとう」
一応風吹にもLINEを送る。
【今からバス乗って出ます。】
すぐに既読になり返事がくる。
【分かった。早く羽留に会いたい】
ドキッとする。
前までこんな事言わなかったのに……どうして?
もしかして風吹も私のこと?
私も素直に送ってみた。
【私も早く会いたい。会ってぎゅってして欲しい】
打ちながらいきなりこんなLINEしたら風吹引くかも……辞めとこって思って消したつもりが送信してしまった。
いや!顔が赤くなる。
送信取り消ししないとって思ったのに既読ついちゃった。
どうしよう……
段々怖くなってきた。
何言ってんの?とか言われたら立ち直れないよ……
目に涙が溜まる。
ピコンとLINEの通知がなる。
恐る恐る開くと大ちゃんだった。
「晶ちゃんから聞いたよ!告白も頑張っておいでよ!ペアとして応援してる」
とLINEが来ていた。
クラスメイト達からも何人か頑張ってね!
気に入るといいね。って来ていた。
みんなの優しさが嬉しくなる。
風吹からの連絡は止まってしまった。
引かれてたら引かれてたで仕方ないよね。
このバスは終点まで乗るので少しウトウトして寝てしまっていた。
寝てる間に風吹から返事が来ていた。
【いっぱいしたあげる。俺も抱きしめたい】
良く寝ていた。
バスが終点に着いた時に風吹パパから電話がかかってきた。
「羽留ちゃん駅に着いてるよ」
「はーい!」
風吹パパを見つけて車に乗る。
「待たせてごめんなさい」
「全然!待ってないよ。羽留ちゃんがまさか高校で親元を離れるなんてね。おじさん。てっきり風吹と同じ高校に行くんだと思ってたよ。」
「今の高校がもし落ちたら行くつもりだったんですけど……受かったから」
「そっかぁ。お父さんから聞いたよ昔から服を作るのが夢だって。夢に向かって頑張って偉いよ。高校も離れて羽留ちゃんに毎日会えなくなって風吹寂しそうだったから今回会えて喜んでるとおもうよ。」
「私も会えて嬉しいです。風吹もですがパパさん、ママさんにも」
「高速乗って3時間半はかかるから寝ときなさい」
「はい。」
私は眠りについた。
夢で風吹と抱き合っているを見る。
風吹が「羽留だいすき」と言っている、
こんな嬉しい夢を見られなんて本当に嬉しい。
その間に風吹からLINEの連絡が来ていた。
【羽留。今日、言いたい事があるからご飯終わったら俺の部屋に来て欲しい。】
「もしもし母さん。後30分したら着くよ」
「母さんさんは今、料理してるから伝えとくよ。」
「よろしく頼む。後、羽留ちゃん。今夜泊まることになったから布団の準備をして欲しいと伝えてくれ。」
「わかった。羽留は?」
「課題がいっぱい出るからって言ってたから疲れて寝ちゃってる。じゃあ風吹よろしくな!」
「パパさん、さっきの風吹?」
「あぁそうだよ!後、今夜は終わるの遅くなるからおじさんの家で泊まりな?夜帰すの心配だから」
「分かりました。」
無下に断るのも悪いしパパさんのご好意に甘える事にした。
LINEに連絡が来ているので開くと風吹からだった。
【いっぱいしてあげる。俺も抱きしめたい】
【羽留。今日、言いたい事があるからご飯終わったら俺の部屋に来て欲しい。】
どひゃー!!え?え?もしかして……風吹も私の事好き?でも……藍良ちゃんの事、あれだけ甘い目線で見てたよね?
高校入って喧嘩したとか?
風吹に限って女子と喧嘩なんて有り得ないよね。
自慢じゃないが、風吹とか赤ちゃんの時からの付き合いだが、一度も喧嘩をした事ない。
じゃあ。何で抱きしめたいなんて返事を……
はっ!!と思考がクリアになった。
私は風吹を好きだから好きの気持ち全開のぎゅってして欲しいだけど……
風吹は幼なじみとしての抱きしめたいって事なんだ。
藍良ちゃんから付き合ったって電話が来てたから幼なじみとして風吹からも報告って事かな?
良かった……また勘違いする所だった。
でも!ちゃんと私も気持ちを言おう。
それで……自分の気持ちに区切りをつけよう。
そう思ったら気持ちが晴れやかになった。
【風吹もぎゅってしてくれるの?ありがとう!!話の件も了解♪じゃあ誕生日プレゼントは風吹の部屋で渡していい?】
風吹からも返事がきた。
【いいよ。いっぱい母さんが料理作ってるから楽しみにしときなよ。】
了解♪のスタンプを押す。
風吹の家に着いた。
時刻は8時を回っていた。
玄関先でも分かる位に美味しい匂いが充満していた。
「おかえり!パパも羽留ちゃんも疲れたでしょう?」
「私は助手席に座ってただけだったので、パパさんありがとうございます。」
「いやいや。羽留ちゃん気にしなくて大丈夫だよ!」
「羽留ちゃん、今日は風夏の部屋を使ったら大丈夫だからね」
風夏ちゃんは風吹のお姉さんで今は大学生のため1人暮らしをしている。
「風夏も羽留ちゃんが使うなら全然大丈夫OK!って返事来てるから気にしないでね。」
「ありがとうございます!」
「じゃあ手を洗ってきて!ご飯にしましょ!」
手を洗ってダイニングへ行くと風吹は椅子に座っていた。
「風吹。お誕生日おめでとう」と声をかける。
笑顔で風吹から「ありがとう」って言われる。
「じゃあ。乾杯しよう!風吹誕生日おめでとう!そして羽留ちゃんおかえり。乾杯~」
「羽留ちゃん痩せたんじゃない?いっぱい食べてね」
「ありがとうママさん。寮で栄養管理されたご飯作って貰ってるから痩せてないですよー。」
「学校楽しい?」
「はい!皆、それぞれ個性的だし、他府県から来てるからあたらしい発見とかもあって楽しいです。」
「へぇ。羽留ちゃんが楽しそうで良かった。」
4人で色々話をした。
卒業前に怪我をさせられて、式にも出てなかったし。そのまま会わなかったから2ヶ月近く経ってるので凄く心配させてたんだなと思った。
「あの時、風吹が助けてくれたお陰です。卒業式には出れなかったですが、おばあちゃんの家でしっかり静養もできましたよ」
「そっかぁ。元気そうで良かった。」
食事も終わり、後片付けを手伝おうと思ったらママさんに早くお風呂に入っておいでと言われてシャワーを浴びてきた。
風吹の家は1階と2階で1つずつお風呂があるので風吹もお風呂から上がっていた。
私のキャリーバックを軽々持ち上げて風夏ちゃんの部屋に持って行ってくれた。
「ありがとう!風吹」
風吹が振り向いた。
ぎゅっと抱きよせられた。
髪からはシトラスの香りがする。
耳元で「会いたかった。羽留。凄く……寂しかった」
と言われた。
胸がドキドキする。
「私も……会いたかったよ。風吹。」
風吹の大きな背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめた。
風吹の頬にすりすりする。
「相変わらず、風吹のほっぺた柔らかい」
風吹の抱く力が更に強くなった。
「俺の部屋に行こっか……」
体が離れて行く。
まだもうちょっとハグしたかったなぁって思った。
でもこの後、この残念を覆す事が起こるなんて……今の私は知る由もない。




