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晶ちゃんの好きな人は隣に家に住む3つ上の幼なじみで、名前は進藤侑くんと言うそうだ。
私たちの高校の近くの大学に通っていて1人暮しをしているとの事。
晶ちゃんのお兄ちゃんと同級生らしく小さい頃から一緒に遊んで貰っていたそうだ。
私から見ても晶ちゃんは整った顔をしている。
「私、はぁちゃんみたいに可愛い子に憧れるんだぁ。私も可愛かったら侑くんも好きになってくれたかな?」
風吹と同じく侑くんにも好きな子がいるらしいが私と晶ちゃんには決定的に違う所がある。
侑くんと晶ちゃんは体の関係があるのだ。
「侑くんが遊び人とかではないんだよ!私の高校合格が決まった時に侑くんが間違ってお父さんのお酒をのんじゃったの……それで私の部屋でやすんでたんだけど、様子を見に行った時にしてしまったの。」
「侑くんは覚えてたの?」
「うん。覚えてたよ。」
「じゃあ晶ちゃんの事を好きかもしれないのに何で違うと思うの?」
「行為が終わってキスされてその時に【あき好きだ】って言ってたの」
「えぇ?じゃあ晶ちゃんとそのあきさんを間違えてしてたって事?」
「次の日に私ってわかってた?って聞いてみたの……そしたら、うんって言ってた。」
「そうなんだ……」
私は何と言ったらいいのか分からなかった。
「でもいいの!私の初めては小さい頃から大好きな人だったから。もう二度とする事はないと思うから。うれしい。でも話聞いてくれてありがとう。誰にも言えなかったの……本当は侑くんに好きな人が……ヒック……いて…ショックでぇ」
晶ちゃんは肩をふるせて泣きだした。
私は晶ちゃんの背中をなでる。
「泣いていいんだよ。今だけ思いっきり泣いて……」
「ありがとう。はぁちゃん。侑くんには好きな人がいるのわかってるけど、ゴールデンウィークにデート行けないか聞いてみようと思ってるの。」
「がんばれ!晶ちゃん。」
「うん。はぁちゃんは、風吹くんとは会わないの?」
「ゴールデンウィークは両親が旅行に行くから、会わないんだ。おばあちゃん家には泊まりに行くつもりだよ。」
「じゃあ。良かったらゴールデンウィークどの日かイケメン3組と私、はぁちゃん、奈那ちゃんのトリプルペアチームで遊ぼうよ!!!」
「いいねぇ。了解!」
「そろそろ寝よっかぁ」
「うん。おやすみ」
✤次の日✤
授業を受ける。
専門高校だが、普通の教科の授業は受けている。
授業で分からない所を大ちゃん先生に皆で聞く。
さすが学年3位だっただけあり教え方も上手く分かりやすかった。
ふと、風吹にも教えて貰った事思い出した。
ずっと一緒だったなぁとあらためて思った。
ここ1.2年はいじめとかあって避けてたけど、相変わらず風吹は私の事助けてくれてたもんなぁ。
風吹は5月1日が誕生日だった。
毎年あげてたけど、今年はどうしようかな?
LINEを送る。
【久しぶり。今年の誕生日何が欲しい?】
藍良ちゃんと付き合っていたら悪いなぁって思ったけど、ここには私をいじめる人も藍良ちゃんもいないから気にしなくて大丈夫だよね?
お昼は寮生は学食で食べる。
寮生のみんなに聞いてみた。
「ねぇ。幼なじみから誕生日プレゼントもらってもいやじゃない?」
「別に大丈夫でしょー」
「はぁちゃん大丈夫だよー」
皆からそう言われて安堵する。
風吹からLINEの返事がきた。
【部活で使う、タオルとかが欲しい】
【好きなメーカーとかある?風吹の好きな青なら何でもいい?】
【羽留が選んでくれたものなら何でもいいよ】
【分かった。当日って何時なら家にいる?】
【何で?】
【宅配に時間指定するから、家に誰かいたら大丈夫だと思うけど……風吹が居る時の方がいいかなって思って】
【わざわざ悪いからこっちに戻ってきた時でいいよ。】
【そしたら8月になっちゃうし……流石に遅すぎない?】
電話がかかってきた。
「もしもし?どうしたの?」
「次帰るの8月ってどうゆう事?」
「ゴールデンウィークはお母さん達、旅行行くから、お盆に帰る予定なの。だからやっぱり郵送するね。」
「……ふぅ」
ため息が聞こえてきた。
「ぁぃたかったのに」
小さい声で何か聞こえてきた。
「え?風吹?もう一度言って!!!」
「だから……」
「はぁちゃん唐揚げ全部貰っていいの?」
優ちゃんが声をかけてきた。
多いから誰か食べてと電話の前に声をかけていたので、その確認だった。
「いいよー優ちゃん助かる!」
「こちらこそサンキューめっちゃ腹減ってたから嬉しい。今度はぁちゃんの好きな物買ったあげる!」
「そんなのいいよーじゃあココアで♪」
結局買うんかーいとお決まりのフレーズで盛り上がっていた。
「ごめんね。風吹」
「はぁちゃんって呼ばれてるの?」
「うん!同室の子がはぁちゃんって呼んでるから皆呼んでるよ。」
「男も?何か羽留嬉しそうだな」
「新しくできた友達だしね。男女問わず優しくて楽しい子ばっかりだよ」
「ふーん。」
風吹の声のトーンが変わった。昔からつまらない時にする声のトーンだ。
「何か嫌な事でも言っちゃった?」
「何で?」
「何か風吹機嫌悪そうだから……」
「俺が何で不機嫌になったかわかってる?」
「何?」
「知りたいならゴールデンウィークに家に帰って来て」
「親旅行なんだってば~」
「じゃあ俺ん家に、泊まれば?」
「いやいや。それはおばさん達にも悪いからいいよーそれにさっきのメンバーで遊ぶ約束してるから」
「分かったよ。」
ちょっとむくれてる声だった。
「今回はごめんね。次は遊ぼうよ?」
と試しに言ってみた。断られたらどうしよう。
「約束だよ。」
と風吹が言った。良かったぁ。と自然と笑顔になる。
「そろそろ教室に行かないと行けないから切るね。誕生日当日電話していい?」
勇気を出して言ってみた。
「いいよ!はぁちゃん」
と言われた。
風吹に言われると何か耳がムズムズしてくる。
「じゃあな!」
恥ずかしくて小さい声でうんと言って切ってしまった。
「どうだった?」
晶ちゃんが聞いてきたのでさっきの事を話する。
「良かったね。当日、テレビ電話で話したら近くに感じるよ」
「本当だね。テレビ電話でもいいか聞いてみる。」
【風吹?当日テレビ電話でもいい?顔見たいし】
打って消して打って消してやっと送ってみる。
【いいよ】
って帰ってきた。
嬉しいというスタンプを押す。
頑張ってみた。
午後からはペアの大ちゎんと一緒にデザインを書いていく。
私は男物のシャツ、大ちゃんはスカートをデザインしていく。
男女ペアにする事で採寸や色々な事をできるように今から学んでいけるからとの事だった。
凄い繊細なデザインだった。
頭も言いし、男前だし、性格いいし、才能もあって凄いなぁと改めて思った。
「大ちゃんは凄いね」
「はぁちゃんも凄いよ」
「褒めて貰うと嬉しいもんだね。」
「俺もだよ。ありがとう」
お互いのを見ながらここがこーして欲しいとか話し合いをしていく。
終わってから寮に向かう。
今日も楽しかったなぁと思っているとしらない番号から電話がある。
出ると藍良ちゃんだった。
「久しぶりだね。羽留ちゃん。風吹に聞いたけど、誕生日プレゼント渡すんだって?」
「うん。そうだけど……」
「あげるのは構わないけど、私たち付き合ってるからそれ以上は求めないでね?」
「え?いつから?」
「高校入ってからよ。だからあまり風吹と連絡取らないでね。嫉妬しちゃうから。わかってね?羽留ちゃん」
「分かった。」
「さすが羽留ちゃん。分かってくれると思ってたよ。じゃあね!」
ぶちっと切られた。
あんなに嬉しかった気持ちが一気に暗くなった。
「はぁちゃんどうしたの?」
部屋にもどった時に晶ちゃんが心配していた。
さっき藍良ちゃんから言われた事を相談する。
「ねぇ?はぁちゃん。今から風吹くんに電話してみなよ。」
「え?なんて言うの?」
「彼女できたの?って聞いてみなよ。」
「でも……」
「じゃあ。私が聞いたあげるよ!」
「ちょっと!晶ちゃーん!」
電話をかけて、スピーカーにしている。
「もしもし。」
「あの……あの……」
「どうした?羽留?」
私が固まってると晶ちゃんが言う。
「風吹くん、ごめんなさい。はぁちゃんの同室の晶ちゃんです!羽留ちゃんが風吹くんに彼女できてるか気にしてるんだけど、彼女いますか?」
「ちょっと……晶ちゃん?恥ずかしいよ。」
「いないよ。羽留。そんな事気にしなくていいよ。俺は他の女と付き合う気ないから。」
「分かった……じゃあね。いきなりかけてごめん。おやすみ」
どうゆう事?他の女の子と付き合わないって言ってた?頭に???がついてる。




