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日曜日、風吹の試合の当日になった。
試合会場へ行くと人がいっぱいだった。
「はるちゃん!」
純一くんと彼女がいた。
「初めまして、佐伯瑠依です!私もはるちゃんって呼んでもいい?」
「もちろん!私も瑠依ちゃんって呼んでもいい?」
「もちろん!」
瑠依ちゃんは綺麗系な子だった。
純一くんとよく似合ってた。
「応援席へ行こうか!」
私が高校違うから行きにくいだろうということで純一君達も来てくれる事になった。
前回、二人で並んでてかなり風吹が嫉妬していたから今回は瑠依ちゃんにも来てもらった。
「はるちゃんって東堂くんの試合って見た事ある?」
「練習試合はあるけど、本格的な試合は初めてかも……」
「そっか……うちの高校ってバスケに力入れてるから応援もすごいよ」
「そうなんだ……」
何か不安になってきた。
私の応援聞こえるかな?
「お!!風吹出てきたよ。」
風吹の高校が出てきた。
かっこいい!!
私の彼氏本当に最高だなぁって思った……
風吹をかっこいいと思ってるのは私だけじゃなかったみたいで……
「きやー東堂くーん」
「かっこいい」
「きゃー三雲くーん」
「齋藤くーん」
「加藤先輩!」
凄っ!!
何あれ?
え?!
芸能人のコンサートに行ったみたい。
「凄いでしょう?」
瑠依ちゃんが言った。
私は軽く……
いやかなり引いていた。
叫んでいる子達もだけど……叫ばれてる彼らの中にはこの雰囲気を喜んでいる子もいた。
頭大丈夫なんだろうか?
凄く冷めた目で見ている自分がいた事に驚いた。
ふと風吹と目が合った。
真顔だった風吹の顔がたちまち笑顔になった。
あの八重歯が見えた。
そして私に向かって笑顔で手を振っていた。
私も笑顔で振った。
けど、絶叫している子達は自分に振られたんだと思ったみたい。
「きゃー、東堂くんが私に手を!」
「笑顔可愛い」
と黄色い声をあげていた。
私は純一くんと瑠依ちゃんと席についた。
LINEで風吹にメッセージを送った。
【風吹がんばってね!応援してるよ!さっき手振ってくれてありがとう♡】
風吹も準備をしている時に携帯を見ていた。
口角が上がっている。
ありがとうというスタンプを送り返してきた。
風吹のチームは勝ち進んでいった。
トーナメント形式でAコートとBコートで勝ったチームで決勝戦をするみたいだった。
午前中には準決勝までいった。
もちろん、風吹のチームは残ってた。
お昼休憩をするみたい。
風吹達は応援席の方に上がってきた。
風吹が私を見て近づいてきた。
「おう!風吹!」
「純も佐伯さんも応援ありがとな。」
「どういたしまして」
純一くんと瑠依ちゃんが挨拶をしていた。
このカップルはみんなも知ってるのか風吹と話してても何も言ってなかった。
確かに……純一くんは風吹の親友だしね。
「羽留♡応援ありがとう」
破顔の笑顔で声をかけてきた。
「ううん!かっこよかったよ!風吹♡」
私も笑顔で答えた。
「ありがとう♡午後からも応援よろしくな」
「うん!お弁当食べたの?」
「今からだよ!今日もお弁当ありがとう♡」
「ううん!」
耳元で風吹が小声で言った。
「今日終わったらさせてくれる?」
「優勝したらいいよ♡」
「じゃあ頑張ろ!!」
ほっぺたをふにふにしてチームメイトの方へ行った。
「風吹もういいのか?」
「ああ。飯たべないとな」
風吹が触ったほっぺたを撫でる。
「相変わらずラブラブだな」
純一くんが、言った。
「そうかな?普通じゃないの?」
「まぁ俺達もあれくらいラブラブか?」
「やめてよ!恥ずかしい」
瑠依ちゃんの顔は真っ赤だった。
純一くんがトイレに行っている間に瑠依ちゃんと同じクラスの女子が近づいてきた。
「あの?もしかして東堂くんの彼女ですか?」
「はい!そうです。」
「やっぱり?」
ヒソヒソ話をしていた。
中には私を品定めする様な子もいた。
風吹は彼女贔屓じゃなくてもモデルみたいに背も高いし、顔はかっこいい。
真顔はクールな感じだが、笑ったら八重歯が見えて子犬の様な可愛い顔になる。
その風吹に似合う彼女としたら私は似合わないのかもしれない。
私は平凡な顔をしている。
被服コースやメイクコースの友達や先輩達は私の性格も見て可愛いと言ってくれるが、自分が一般的に可愛いかと言われたら可愛い訳じゃない事くらい自分でも分かってる。
分かってるが……
風吹を他の人に渡す気なんてない。
だって……大好きだもん。
物心ついた時から大好き♡
私の初恋は風吹だから。
風吹の隣は私の物だから。
1人の女の子が言った。
「東堂くんの手鏡に貼ってあるプリクラの彼女さんですよね?」
「そうです。」
笑顔で答えた。
「やっぱり?プリクラでも可愛いと思ってましたが実物も可愛いですね♡」
「え??」
風吹の高校の人でこんな反応した人がいなかったからびっくりした。
「関西の高校で服の勉強してるって聞いたんですけど……」
「ああ。そうです。このスカートも自分で作りましたよ」
「めっちゃ可愛いって思ってたんです!!」
「ありがとうございます」
やっぱり自分の服を褒められたら嬉しいなぁ。
「彼女さんのスカート自分で作ったんだって!」
「まじで?!」
今度は男子だった。
「自分で服が作れるって凄いね!風吹の部活の服も作ってるんだよね?」
前に風吹の誕生日に作った服の事かな?
「そうだよ!風吹の誕生日にはるちゃんがプレゼントした物だよ!」
純一くんが、答えてくれた。
「え?!あの服ってはるちゃんが作ったの?」
瑠依ちゃんが驚いて言った。
「うん。私が作ったの!でも……まだまだ下手だけどね……」
「凄いなぁ。彼氏に服プレゼントって……」
「ありがとう。」
私に敵意の人ばっかりじゃないこの環境がなぜかむず痒かった。
地元は敵意が多かったから変に身構えてたかも……
こんなにフレンドリーに話せて楽しかった。
私もトイレへ行って帰ろうとした時にさっき私を褒めてた女の子がいた。
その子の発言に耳を疑った。
「ねえねえ、さっき東堂くんの彼女と話してたじゃん?どうだった?」
「え??普通の女の子だったよ。でも東堂くんの彼女とは、認めれないかも」
「まじ?」
「顔も普通だしね。」
「確かに……東堂くんだもんね。」
「幼なじみなんだよね?」
「うん。私も東堂くんと幼なじみだったらな」
「本当それ!!服作ってるらしいけど、あんなの私でも作れるよ」
「確かに??」
「頭も弱そうだし、仲良くして横取りしちゃう?」
「それいいかも?!でも遠距離だもんね……難しいか」
やっぱり……
地元でいい人なんかいなかった。
暗い気持ちになってると肩をポンと叩かれた。
振り向くと……
「よ!!はぁちゃん!」
「え?!優くん?何でここに?」
「従兄弟が試合に出てるんだ。はぁちゃんは彼氏の応援?」
「そうなの!」
「俺の従兄弟さっきはぁちゃんの彼氏のチームに負けてさ。迎えもまだかかるし、はぁちゃんと一緒に彼氏の応援してもいい?」
「もちろん!」
飲み物買って席に戻ってきた。
私が仲良く話してるのを見て純一くんが目を丸くしていた。
「はるちゃん?」
「純一くん、こちらは私の高校の友だちの岸本優大くん」
「優ちゃん、こちら私と彼氏と同じ小学校の同級生の加藤純一くんとその彼女の佐伯瑠依ちゃんだよ」
「どうも!はぁちゃんの友達の優くんです」
「はぁちゃん??」
みんなが驚いていたが、私は優くんのテンションに慣れてたので普通だった。
「そういえばはぁちゃん、課題通った?」
「通ったよ!めっちゃ大変だったねー」
「俺も……菜那ちゃんにも迷惑かけて凹みそう」
「大丈夫だよ!新学期から頑張ろ!」
「本当に!!チームでも、ペアでも個人でも頑張ろうな」
「本当にね!」
試合が始まるホイッスルが鳴った。
準決勝の試合が始まった。




