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祭りまでの1週間……全くLINEも電話も無かった。
お弁当も作らなくていいと言われて風吹と関わる事が一気になくなってしまった。
どうしたらいいの?
私も「わかった」なんて返事しなければよかった。
嫌だ!と言えばよかったのに……
私のばか……
気分転換に買い物にやってきた。
日比谷先輩の彼氏さんが目の前にいた。
「あ!?のあの後輩ちゃん!」
「こんにちは!この間はありがとうございます!」
「いやいや!俺もありがとう。って元気ないね?」
「実は彼氏と喧嘩してしまって……」
「まじで?!」
「彼氏からLINEも返事いいとか言われて……私、振られるのかな?」
悲しくなってきた。
先輩の彼氏さんの前で何してるの……
「ちょっと待ってな」
彼氏さんは電話をかけて話をした後言った。
「ちょっと俺についてきて!」
「はい」
彼氏さんに連れられて行ったのは美容院だった、
「いらっしゃいませ」
店内は人盛りだった。
「あら?いらっしゃい!」
「お疲れ様です!兄貴いますか?」
「店長~弟さん来られましたよ」
「おう!どうした?」
「のあの後輩ちゃんを可愛くしてあげてくれない?」
「え?!」
人気店の店長にして貰うなんておこがましいのでは?
私が青い顔をしてるのを見て言った。
「良かったら可愛くなって帰ろ!」
「すみません。」
「そっか……彼氏と喧嘩しちゃったんだ。でもLINEが無いだけで怒った訳ではないんじゃないかな?」
「そうですかね……」
「意外と話したらたいしたことない事かもしれないよ!」
「うーん」
「後で会いたいってLINEしてみなよ!」
「わかりました。」
店長さんにはそう言われたが……
自信があくて送れなかった。
せっかく可愛くしてもらったから写メを撮っておく。
また自分でも出来るように練習してみよう!
風吹とのデートの時に可愛くしたいしね!
ブラブラしていたら風吹が好きそうな文房具があったから買ってみた。
これを会う口実にしようかな?
店を出たら騒がしい声が聞こえた。
「東堂くん~」
「ああ。」
2度見してしまった。
風吹が……
風吹が……
女の子と二人で歩いている。
え?!
どういうこと?
私にはお弁当も……LINEも無しって言ってたのに……
他の女と何してるの?
嘲笑の声が出る。
何してるんだろ……
バカバカしくなってきた。
私はLINEを送っていた。
【祭り行くの辞めない?今の状態で行っても楽しくないと思う】
私は風吹がどうするのか見ていた。
少しでも悲しそうな顔したら……
携帯を見た風吹の顔は無表情だった。
返事が来た。
涙が出てきた。
もう……私たちだめなのかな?
【わかった。】
それだけだった。
「東堂くん!こっち!」
女の子の方を向いて歩いて行った。
私は涙を拭いて家路に着いた。
「このプレゼントどうしよう……」
でも……
私が持ってても仕方ないよね……
風吹へ
良かったら使ってね。
部活頑張ってね。
羽留より
メッセージカードに書いてプレゼントに付けてポストの中に入れた。
もう、実家にいても仕方ないかもと思い帰ってきた父親に言った。
他にも課題が出て、みんなで取り組まないといけないから土曜日に帰ろうと思う。
「お盆にはまた帰ってくるのか?」
「うん。迎えって来てくれる?」
「もちろん!」
「羽留、ふぶくんと祭りは?」
「風吹も用事できて行かない事になったの……」
「そうなのね……わかった。」
私は荷造りをした。
土曜日の朝になった。
キャリーバッグを車に積んでもらい寮へ送ってもらう。
早い時間だったので、風吹もまだ寝てるだろう。
話も出来なかった。
というか……しなかった。
別れよう……
好きじゃない。
そんな言葉を聞きたくなかった。
本当にグズグズで困る。
小声で言う。
「またね。風吹」
早く出たのでいつもより早く寮に着いた。
寮には蓮くん、晶ちゃん、菜那ちゃんがいた。
優くんと大ちゃんは帰省中だった。
「早い帰りだったね。はぁちゃん!」
「ちょっと彼氏と喧嘩しちゃって……」
「え?!」
涙が溢れてきた。
「他の女といるの見ちゃって……しかもLINEもいらないとか言われて」
どうしてこうなったの……
楽しくお祭りにいくはずだったのに
「明日よかったら祭りいこー」
「え?!カップルの邪魔出来ないよ!」
「大丈夫だよ!」
侑くんが特等席を準備してくれたらしい。
クルーズで花火を見るらしい。
てか!侑くんって御曹司?
すごっ
「俺と菜ーちゃんも行くから大丈夫だよ!」
「じゃあお言葉に甘えて」
少しはこの気持ちも晴れるといいな!
侑くんがドレスコードを準備してくれてそれに着替えた。
メイドさんが来て化粧や髪型もしてくれた。
これ本当に私?
「はぁちゃん!可愛い♡」
「ありがとう♡2人も可愛い」
寮まで黒塗りの車が迎えにきた。
「やばいね」
蓮くんも緊張してる。
「本当に私行っても大丈夫?」
「大丈夫だよ!」
晶ちゃんがそういうなら大丈夫なのかな?
緊張してきた。
クルーズ船の前に車が止まり、降りた。
「うわー別世界だね」
「本当に……」
「あぁ。ってか晶ちゃん驚いてないね。もしかしてお嬢?」
「うーん。でもこういう社交界には昔からよく連れて行って貰ってたかな?」
晶ちゃんの所作が凄く美しい。
もしかして……
ダンスとかあるの?
どうしたらいいの?!
私の姿を見て晶ちゃんが言う。
「今日は花火を見るだけだから大丈夫だよ!」
「よかった……」
安堵のため息を漏らす。
クルーズ船に乗ると侑くんが近寄ってきた。
「今日はありがとう!案内するね。」
さ……爽やか……
案内してもらったのは夜空を座りながら……見れる場所だった。
飲み物も食べ物も持ってきてくれる。
本当に世界が……
セレブって凄いなって思った。
食事を食べながら待っていると花火が上がる。
バーン、バーンと音が聞こえる。
凄い迫力だった。
写メを撮ろうと思いカバンポシェットに手を伸ばしたが携帯がなかった。
「うわっ寮に忘れてきたっっ」
「はぁちゃん!私が写メ撮っとくよ」
菜那ちゃんにお願いした。
「綺麗……」
うっとりしながら見ていた。
風吹と一緒に見れたらよかったのに……って思った。
喧嘩なんてしてなかったら……
祭り行かないとこなんてLINEしなかったら。
一緒に過ごせたのに……
付き合って初めての祭りだったのに……
涙が零れた。
みんな花火に夢中なので気づかれてなくてよかった。
寮に帰ったら正直な気持ちを風吹に伝えよう。
あの女の子は誰なの?って聞いてみよ
それで別れ話になっても……
辛い……
ほんとうに大好きなの……
だから……風吹……
別れようなんて言わないで……
仲直りしたい。
そんな事ばっかり考えてた。
気づいたら給仕係りの使用人さんが新しい飲み物とデザートをテーブルに置いてくれていた。
ティラミスがしょっぱかった。
涙が頬を伝って口の中に入っていたからだ。
急いで食べて涙を拭いた。
クルーズ船は元々いた港へ
車が待機していた。
車内で花火の綺麗な所を菜那ちゃんと蓮くんと話した。
晶ちゃんは今日、侑くんと泊まるそうだ。
寮に着いた。
2人と別れて私はお風呂に入った。
頭を洗いながらまた涙が零れてきた。
顔も洗う。
涙が止まらない。
「風吹……風吹。お願い……私を嫌いにならないで……」
のぼせてしまった。
ドライヤーで乾かして部屋に戻った。
携帯は充電が切れて真っ黒だった。
充電器に繋ぐと……
明るくなった画面をみた……
「よかった……」
涙が出てきた。
悲しみじゃない……
すぐに電話をかけた。
風吹が出た。
きっと怒っていたかもしれない……呆れてたかとしれない。
でも……そんな事どうでもよかった。
「風吹……とっても大好き。ごめんなさい。」
「……」
「ううん。俺こそごめんな。大好きだよ♡」
あぁ。風吹だ♡
私の大好きな風吹の優しい声だった♡




