第65話 亜人街炎上
1月16日22時
東京都新宿区新宿八丁目、亜細亜太平洋島嶼連邦共和国からやってきた人々が住む、通称亜人街である。
夜。
大きな火炎を亜人街が包み、黒煙が暗い夜に上がっていた。
亜人街は最近、機動隊と自衛隊が警備を行っていた。
しかし、一台の軽トラックが亜人街の北に進入しようとしてバリケードに阻まれた。その直後、自爆。
爆発は相当規模のもので、バリケードを軽く吹き飛ばし、周囲の家屋や警察の輸送車やパトカーにも延焼、もしくは爆風で一部が吹き飛んだ。
その直後、より大きな、中型トラックがバリケードのなくなった亜人街の入り口に突っ込んだ。
「止めろ! 止めろ!」
中型トラックは炎上する軽トラックと接触しながらも、亜人街中心部に高速で進んでいった。
その間に警備する警察官や自衛官を次々と跳ねた。
「撃て!! 射殺しろ!! 構わん!!」
自衛官のひとりがそう言いながら、小銃を構えた直後だった。
凄まじい爆発。
新宿7丁目全域に爆風と爆炎が届き、亜人街は炎上した。周辺の地区にも爆風や炎が届き、軒並みガラスが割れ、一部の家屋は燃えた。様々な破片が爆心地から4キロ四方に飛び散っている。
炎上している家屋は30以上を超えるだらう。
近くの自衛官や警察官、亜人街の住人たち、さらに付近住人たちも救助活動も決死の救助活動を開始した。
遠くで救急車や消防車のサイレンが鳴り響いた。
亜人街爆破テロ事件と通称されたこの事件は、自衛官、警察官、亜人街の住人、近くの住人やその他の日本人を含め、126人が死亡、400人以上が重軽傷を負った。
警察の現場検証の結果、肥料を用いた爆弾を満載し、突撃したと断定した。
警察、自衛隊は亜連から国内過激派、個人の犯行まで視野に入れて捜査を開始した。
犯人たちはすぐわかった。
犯人2人が生前ネットに動画を上げ、犯行声明のようなものを出していた。
2人は東京に住む会社員の男性と大学生の男性だった。
2人は会社員の男性は甲府の出身であったが、千葉県船橋市出身で都内に住む、大学生の友人男性宅に遊びにきていたところ、地元が原爆攻撃にあったのだ。
彼らは地元の仇を打つために、肥料その他爆薬として使用できる資材を集め、トラックを2台かり、亜人街への攻撃を敢行した。
被害の凄惨さ、犯人の背景を含め、暗い影を落とす事件となった。
多くの日本人、亜連人も犠牲になる事件であった。
警察の捜査は続いたが、警察は改めて亜連人の生命や財産を傷つける行為は厳罰に対応すると発表した。




