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第58話 先島諸島奪還


 海上自衛隊輸送艦『おおすみ』の艦内に設けられた統合任務部隊の臨時司令部。


 そこで戦況を確認しながら、統合任務部隊指揮官の水崎陸将補は命令を下していた。


 航空部隊及び護衛艦は、島々の要所を攻撃。第一次上陸艦艇は抵抗を受けながら各島の上陸地点に接近、まもなく上陸する見込み―――


(なかなか落ち着かないな)


 落ち着くような立場ではないか、と水崎陸将補は内心で思う。


 もちろん、そのような表情を表に出してはいけないと思っている。


 水崎陸将補は代わりに頭をかこうとしたが、鉄帽を被っていたので、首の後ろ側をかいた。


 通信員が報告。


「宮古島に部隊上陸。敵の抵抗を受けている模様」




 宮古島北東部に上陸した陸上自衛隊水陸機動団第1水陸機動連隊を主力とする陸上自衛隊戦闘団は、亜連陸軍宮古島守備隊と接触。

 戦闘に入った。


 第1水陸機動連隊第1中隊はすでに海岸を抜け、島の内陸部に突入していた。


 だが、そこに敵守備隊の、鬼のような連射、砲撃が集中する。


 先端部にいた第3小隊隊長の二尉率いる隊員たちは身を屈め、或いはうつぶせになって攻撃に耐えるしかない。


 しかも砲弾や銃弾が隊員たちを吹き飛ばしたり、体をえぐたっりしている。


 すでに数名の隊員がここで死亡している。


 どうしたら……。


 すると、後方から轟く砲撃音。


 数個の砲弾が彼らの頭上を飛び、それだけで敵の大半が沈黙した。


 後方にいた第4小隊が前進してくる。


 さらにその後方には10式戦車が4両いて、前進を開始していた。


「大丈夫か!」


 第4小隊隊長が、第3小隊隊長に言った。


「大丈夫に見えるか!?」


 第3小隊長はそういった。半分冗談で、半分本気だった。


「悪い。お前らの部隊はここを確保しろって命令だ」


「わかった。ありがとう」


 第3小隊長はそういって、第4小隊長と握手をした。


 第4小隊長はすぐに握手を解いて、他の隊員や車両とともに前進を開始した。




 それから数時間と立たないうちに先島諸島の島々に次々と日章旗が翻った。


 数日ぶりに先島諸島は、日本の領土へと戻った。

 


  

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