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第52話 小笠原群島の地上戦 その1

 

 亜連海軍第2艦隊は壊滅した。


 亜連軍は小笠原諸島近海での制海権を失った。


 同時に空母艦載機に制空権の維持を頼っていたことから、制空権も失うことになってしまう。


 

 続いて自衛隊が行ったのは小笠原群島の奪還だった。


 小笠原群島とは聟島列島、父島列島、母島列島から成る島々のことを指す。


 なお、小笠原諸島とはこれに硫黄島含む小笠原諸島、西之島、沖ノ鳥島、南鳥島を含むものとなる。





 小笠原群島にいくつかの場所で爆発があった。


 空自のF35による、対空兵器への空爆だった。

 

 しらばくすると空爆は止み、小笠原群島上空に空自のC2輸送機数機が現れた。


 カーゴドアが開くと、第1空挺団の隊員たちが落下具をもって降下する


 父島とその周辺島嶼部に隊員たちが落下傘を開いて、降下する。


 第1空挺団副団長の山下一佐もパラシュートで父島に降下。


 森に着陸したため、不時着したような形になる。腕が枝に当たって痛い。


 落下具を外して以降は20式小銃を構えて、移動する。


 所々で銃声が聞こえる。


 彼は身を屈めながら、道なき道を前進する。


 と、目の前に2人が現れた。


 自衛官か。そう思ったが、その迷彩の柄、持っている小銃からして違った。亜連兵だ。


 亜連兵は何かを叫ぶ。


 その前に山下一佐は20式小銃を向け、銃弾を2名の兵士に叩きこむ。


 2人の兵士は小銃を向ける前に絶命した。


 山下一佐は空になった弾倉を好感しながら、思わずその倒れた2人の兵士の亡骸を見る。


 物音がした。小銃を構える。


「一佐、味方です」


 そこには二尉の階級章をつけた空挺隊員と、曹士の隊員が3名いた。


 山下は銃口をそらし、ああ、ああ、と答える。


「銃声が至近で聞こえたので来ました」と二尉。


「うん、降りたらいきなりこれだよ。情けないが、胆が冷えた」


 そういって山下は顎の下を手で拭う。


「自分らも道路に着陸しまして、敵と交戦して制圧しました……とはいえ、こんなところに敵がいるとは予想外でした」


「うん、敵もこんなところに敵兵がいるとは予想外だったろうな」

 

 遠くで爆発音、引き続き銃声。


「我々も向かおう」


 山下一佐とともに二佐と他の空挺隊員たちも前進していく。




島の各所では戦闘が起こっていた。


 公共施設を中心に、亜連軍兵士たちが立てこもり、自衛官と戦闘を繰り広げている。


「村民の皆様にお知らせします! 絶対に外に出ないでください!」


 自衛官がそう呼びかける。呼びかける側も、これほどの戦闘では外にも出れないだろうと思う。


 正直、自衛隊側が気にしているのは戦闘によって家屋が燃えてしまうこと、また流れ弾が屋内に入って住人を傷つけることだった。


 村の地域福祉センターの2階から、亜連兵士がSR08個人携帯型対戦車ロケットランチャーを外の自衛官に向けてぶっ放す。


 間髪入れずMM11機関銃が火を噴く。


 3名の自衛官が怪我をし、後送される。


 その場で指揮をとっていた三佐が、カールもってこい! と叫んだ。


 後ろの隊員がカールグスタフを携帯してくる。


 三佐が受け取ると、2階に向けて照準を合わせた。

 

「他のカールグスタフもっているやつは1階入り口部分に向けろ。カールグスタフ攻撃後に突入だ」


 2名のカールグスタフをもった隊員が頷き、照準を合わせる。

 他の隊員も頷き、小銃を構える。


「撃ッ!!」


 1階入り口部分2階で大爆発が起こる。


「突入!」

 

 隊員たちは地域福祉センターへと突入していく。


 まだ4,5名の兵士がいたが、あっという間に制圧され、残りの兵士も投降した


 村の地域福祉センターは奪還された。




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