第51話 小笠原沖海戦 その7 終結
「まず」
中井は呟いた。
それから中井はCICルームで、巡洋艦『チオイア』の現在位置を問うた。『チオイア』は大型巡洋艦『ツミル』級の巡洋艦で亜連海軍では空母に次ぐ大きさだというのは、中井も知っていた。。
中井は全艦艇に命令を下す。
「敵艦隊単縦陣から散開!」
『チオイア』CICのレーダー員が言った。
艦隊司令官代行のチ大佐はレーダーを見た。
何故散開したのだろう?
恐らく固まっては狙い撃ちされるとも思ったのだろう。
そういえば……
「敵が通信を使った兆しはあったか?」
と通信員に尋ねる。
「いえ、敵は沈黙を保ったままです」
と、いうことは
『艦長』
艦橋にいた副長の声が響いた。
「敵は手旗信号か、発光信号を使ってコミュニケーションをとっているようです」
副長は双眼鏡で敵艦のマストをみて言った。
砲戦の中でよく身を現わして、信号を出しているな。
副長は感嘆した。
すると、残存している敵艦数隻がこちらに接近するのがわかった。
砲身がこちらに向けられている。
副長は敵の意図を理解した。
「艦長、敵艦は本艦に向け集中攻撃を―――」
『チオイア』に大きな衝撃。
敵の残存艦艇は一気に『チオイア』に集中砲火を浴びせる。
艦橋は損壊。後部甲板に命中。煙突が折れ、すでに何も入っていないミサイル発射管にも砲弾が当たる
ただちに次弾発射。敵も発砲するが、マストが破壊され、射撃統制装置が破損された『チオイア』に正確な射撃はできない。
第1水上戦群の残存艦艇は他の艦艇からも砲撃を受ける。『ありあけ』の煙突に砲弾が当たる。
さらに次弾砲撃。3発が機関室に命中し、機関室を炎の海になる。
突然機関が止まり、速力を失った『チオイア』、その後ろにいた駆逐艦は焦って、速力を落とし、戦列を乱して、『チオイア』との衝突を回避しようとしている。
そこに砲撃。不運だったのは、3門の内、2門の155ミリ連装砲に命中、誘爆し、大爆発を引き起こす、
単縦陣が乱れる中、第1水上戦群は『チオイア』に砲撃。
先ほどの砲撃で、敵の主砲を狙うのが有効とわかった第1水上戦群は、敵の主砲に向けて砲撃。
爆発。艦上は炎上する。
爆発とともにCICルームも破損し、チ大佐は通信で他の指揮官を任命しようとしたが、通信そのものが破壊されたようだ。
彼はくそっ、と唸って体を震わせた。
「おれはこんな終わり方みとめねぇぞ……」
そう言った直後、大爆発が起きた。『チオイア』は後方で、主砲を燃やしていた駆逐艦を誘爆させながら、大爆発させた。
それから第2艦隊は指揮官を失い、その後、新しい指揮官を立てられないまま、艦を失い続けた。
駆逐艦『アリマセ』の艦橋、主砲を砲撃した後、機関室に集中砲撃する。こうしてあっという間に駆逐艦『アリマセ』は沈んだ。
混乱する亜連艦は統制が取れないまま、各艦が任意で攻撃を行っていた。
残った亜連海軍駆逐艦が統制の取れない攻撃を行っている隙に、海上自衛隊護衛艦隊が統率をとって、残る亜連海軍駆逐艦に1隻1隻、攻撃を受けながらも致命的な攻撃を与え、第3艦隊は残り2隻になった時点で、南方に逃げようとしていた。
しかし、救助任務に就いた3隻を除いて、『まや』と数隻から成る海上自衛隊護衛艦隊が彼らを追い詰め、ついに砲戦で敵を殲滅させることに成功した。
海上自衛隊第1水上戦群は大量の救助した乗員、捕虜となった敵の乗員を載せて、『やましろ』らと合流した。
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