第48話 小笠原沖海戦 その4 ミサイル到達
第1水上戦群の護衛艦『いかづち』にラーワ大型対艦ミサイル2発が着弾した。
前部と後部にそれぞれに着弾し、爆発炎上する。艦体は前後2つに割れ、そのまま海に飲み込まれる。
護衛艦『ありあけ』は艦橋にシラメ対艦ミサイル1発が着弾、もう1発は後部の対艦ミサイル発射管にもあたり、大爆発を起こす。
護衛艦『ゆうぎり』はラーワ対艦ミサイル4発が艦橋、後部煙突、格納庫、後部飛行甲板に命中する。
『ゆうぎり』は炎の塊と化し、海に浮かぶのみとなった。
護衛艦『はるさめ』、『すずつき』もラーワ大型対艦ミサイル1発ずつが着弾した。
『はるさめ』の艦橋に、『すずつき』の格納庫にそれぞれ命中し、炎上する。
被害を受けた艦のなかで、まだ機能を維持している艦では防火服を着用した隊員が消火作業に従事し、その他の隊員が浸水を食い止めと作業をしている。
同じ頃、対艦ミサイル群が到達しつつあった。
F35C戦闘機から発射されたものである。
電子妨害を受けながらも目標を見失わず、迎撃ミサイルも回避した数発が艦隊に向かう。
それらも対空砲火に晒され、次々と爆発していく。
しかしこれを通り抜けたミサイルが艦艇に命中していく。
駆逐艦『カッサン』の中央部に2発が命中し、艦体が二つに割れる。
駆逐艦『サワオー』は『ミルツ』級駆逐艦特有の、艦橋後部にある円状のドームのついたタワーのような構造物に、ミサイルが着弾する。
レーダーに大きな損傷を受け、艦体後部が炎上する。
一旦攻撃が止む。
しかし、次は第一水上艦群本隊から発射された対艦ミサイル群だ。
メカ提督は言った。
「対空ミサイル発射、残弾がなくなっても構わん。迎撃しろ」
対空ミサイルの一斉発射。電子妨害。それらの妨害を抜け、艦砲や対空機関銃の射撃をかいくぐりながら、艦隊へと突入していく。
まず被害を受けたのは空母『カオウミ』の飛行甲板だった。対艦ミサイルが突っ込んできて、格納庫まで爆発が飛んできた。
これによって飛行甲板は使用不能に陥った。
さらに巡洋艦『オリメン』と駆逐艦2隻が対艦ミサイルをそれぞれ3発~4発ずつ食らう。
いずれも艦橋やマストがやられ、航行も不能になった。あとは沈むしかない。
第2艦隊の防空に大きな穴があいた。
これによって最も被害を受けたのは『カオウミ』だった。
さらに4発の対艦ミサイルが飛び込む。1発は格納庫で大爆発を起こした。他の艦載ヘリの燃料に引火して状況が悪化したのだった。
総員はダメージコントロールに必死だった。しかし。もう指揮を執る人間が誰もいなかった。
艦橋にもミサイルの破片が飛び込み、航海艦橋にいた艦長以下全員が死亡した。
さらにCDCも破壊された。提督は爆発の時に天井より落下してきた物体に頭部を強打した。即死だった。
海上自衛隊第1水上戦群にも、第2艦隊からのミサイルが到達しつつあった。
電子妨害を行い、全対空ミサイルを叩きこんでもなお、十数発のミサイルが飛んでくる。
主砲の砲撃とCIWSの射撃がはじまる。効果はあった。
しかし、それでも艦隊にミサイルが突入する……
すでに被害を受けている『むらさめ』にラーワ対艦ミサイルが飛び込む。艦体左舷にあたり、大きな穴が空いた。
海水が侵入し、すでに手に負えるものではないと判断した、艦長は総員退艦の命令を下した。
『まきなみ』も艦砲射撃を続けていたが、艦首部にシラメ対艦ミサイルが着弾する。
前方のVLSに引火し、爆発、艦は海に向かって沈んでいくこととなった。
『やましろ』にもミサイルが当たった。飛行甲板に当たったのだ。
艦橋に穴は開いたが、ただちに応急処置がとられ、発生した火災も初期消火で済んだ。
しかし発艦システムに一時手に異常をきたしてしまい、しばらくは発艦できない状態になった。
この時点で両海軍の損害は以下のようになる
海上自衛隊第1水上戦群 大破、沈没:5 損傷:2(航空機搭載護衛艦含む、いずれも航行可能) 残存戦力8(航行可能含む)
亜連第2艦隊:大破、沈没5(空母含む) 残存戦力8
しかし小笠原沖海戦はこれで終わったわけはなかった。
次回投稿は7月11日(土)を予定しています




