第46話 小笠原沖海戦 その2 航空接敵
『やましろ』から発艦した海上自衛隊第101飛行群第101戦闘航空隊、第102戦闘航空隊のF35戦闘機群40機は対艦ミサイルを抱えて、出撃した。
第101戦闘航空隊と第102戦闘航空隊は分かれて、敵亜連海軍第3艦隊に向かっていた。
『全機、気を引き締めてかかれ』
第101戦闘航空隊隊長の長峰二佐の通信に、全パイロット、了解の返答。
冷静なエースパイロット、青木一尉も一言了解と言い、操縦桿を少し強く握る。
青木一尉の頭部に装着したヘッドセットから流れるディスプレイが、状況を逐次教えてくれる。
現在は周囲の機体しか映っていない。敵機による襲撃を回避するため、なるべく早期に出撃して、敵艦隊に向かっている。
と、前方に何かを捕えた。
無線越しに長峰二佐が言った。
『敵機集団をレーダーで探知』
「くそっ」
航空機確認、数20、敵機と認む。デル・ウァン大尉はその報告に思わずぼやいた。
こちらは対艦ミサイルを抱えたままだ。
恐らく向こうも気が付いただろう。
『全機、艦載機などには目もくれるな、敵艦隊をねらえ』
飛行隊長の中佐は全機に命令を下した。
『全機、そのまますれ違うんだ。任務は敵艦隊への攻撃だ』
亜連海軍AaF-11M戦闘機20機は増槽を捨て、散開していく。
テル・ヴァン大尉も操縦桿を握って、増槽を捨て、上昇する。
第101戦闘航空隊も散開する。
『全機、敵艦隊に向けて飛行せよ。敵戦闘機部隊とはすれ違え。任務は続行だ』
全機に緊張が走った。
それは敵機もそうであった。
両飛行隊とも、任務は敵艦隊の攻撃、また武装も対艦装備となっている。
互いに通過するしかないのだ。
両飛行隊の緊張の度合いが上がっていく。
そして、頂点に達する。
二つの飛行隊、それも敵味方がすれ違う
青木はふと斜め横を見た。
敵戦闘機に乗っていたパイロットの顔が見えたような気がした。
と、いってもマスクやヘルメットに覆われ、顔そのものは見れなかったのだが。
両飛行隊は母艦に敵とすれ違ったこと、損害はなく、当航空隊も任務を継続する旨、伝えた。
この通信を受信した各航空母艦に乗艦していた双方の艦隊司令官は、艦隊全艦艇に対空戦闘準用意を発令した。
第1水上戦群の全艦艇に対空戦闘用意の号令とともに警報が鳴る。
各艦のCICルームでは対空ミサイルの発射がいつでも行えるような態勢が出来上がっていた。
主砲。機関砲の類も空を向いて、警戒態勢に入る。
レーダー員は対空レーダーを凝視していた。
すると、
「敵対艦ミサイル確認、10時方向に数は40……2時方向に新たに40です」
『やましろ』CDCでレーダー員が報告した。
艦隊司令、中井海将補は間髪入れず命令を下した。
「対艦ミサイルの迎撃を行う。全艦ECM作動、対空ミサイル発射」




