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第42話 青ヶ島潜入

 

 1月15日 午前4時


 青ヶ島は伊豆諸島最南端の有人島である。

 火山島であり、海から出たカルデラが島の外輪をなぞり、その中にある底部に村がある。


 亜細亜太平洋島嶼連邦共和国はこの島に無理矢理弾道弾部隊と警備部隊を配置し、東京への示威行為を行っている。


 ところがこの村には車両はおろか、人すらなかなか上陸しにくい。

 構造上、この島は断崖絶壁で覆われ、トンネルで村とつながっている青ヶ島港とヘリポートが島への入り口だ。


 亜連軍はそれを無視して空挺による将兵や機材、物資の降下を行った模様だが、まさかこの状況下でまともに自衛隊が港やヘリポートを使えるとは思えない。


 よって、空挺部隊による島への降下が決定された。


 しかし、自衛隊はその前に、弾道弾部隊を機能不全にさせる必要があった。

 自衛隊が島を奪還する行動を悟られ、その前に弾道弾が発射される可能性を排除するのだ。




  

 青ヶ島近海に、海上自衛隊潜水艦『たいげい』はゆっくり静かに浮上する。


 ハッチが開かれ、甲板に30名近い人間が展開する。


 ゴムボートが2つ用意され、そこに陸上自衛隊の潜伏部隊が分乗する。


「では、これで」


 潜伏部隊指揮官嶋野二尉は、『たいげい』の野崎艦長に敬礼する。

 野崎艦長は返礼。


「武運を祈っています」


 野崎艦長の言葉に、嶋野二尉はありがとうございます、と頷いて、ゴムボートに乗った。


 ゴムボートが『たいげい』から離れると、『たいげい』乗員たちは艦内に戻り、ただちに潜行する。





 ゴムボートが青ヶ島の断崖絶壁に接岸する。


 隊員の一人が先端に尖った重しが付いたワイヤーガンを放つと、岸壁に突き刺さる。


 これを辿って、隊員たちが断崖を上がる。


 これを繰り返し、断崖を登っていく。




 断崖を登り切った隊員たちは島の全景を見る。


 




 さらに命綱を頂上から垂らし、島の内部へと迫っていく。

 命綱を途中で打ち込みながら、隊員たちは徐々に下がっていく。


 島の中心部には山が見え、その東側には巨大な弾道弾を載せた、8輪駆動の大型車両が3台確認できた。


「あれですね」


 老練なベテラン自衛隊員の工藤陸曹長が、双眼鏡で島内部を見つめていた指揮官嶋野二尉に語り掛けた。

 

 嶋野は双眼鏡を目から外すと、頷いた。


「そうだ、あれを排除する」 




 隊員たちは島の内部に潜入すると、3手に分かれて行動する。


 1台ずつ、弾道弾を排除するのだ。

 


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