第11話 羽田強行着陸
4時37分
羽田国際空港は今日の運行をまだはじめていない。
そこに、大型機が一直線に並んで10機侵入してくる。
亜連空軍の大型輸送機、CiP-130、10機である。
1機が無理矢理降下し、続けてもう1機が降下していく。
それから2機は駐機場に強硬的に入り、機体を止めて後部ドアを開ける。
SAT94改空挺戦車4両、20ミリ機関砲をつけたMST12装輪装甲車10両、20ミリ機関砲の代わりにミサイルをつけたMST12M空挺装輪装甲車6両、そして空挺隊員200名が地上に降りていく。
空挺隊員の多くはAM08主力小銃の折りたたみ型、AM08c小銃を持っていた。まっすぐ伸びた弾倉に正面から見るとUの字型をしたハンドガード、木製の銃身などが特徴的な小銃である。
彼らの中には、やはりなかにはMM11機関銃、SR08個人携帯型対戦車ロケットランチャーを装備している兵士もいる。
半分の人員は羽田空港の滑走路の周囲に配置され、SAT94改戦車2両、MST12M空挺装輪装甲車3両が同様に警戒に当たった。
もしてもう半分の隊員たちは装甲車にのった。
空挺装甲車群は滑走路を出て、羽田空港を後にした。
「総理、羽田空港に亜連の国籍識別マークをつけた輸送機が数機降下、装甲車と兵士たちを連れて空港を出たそうです。なお、滑走路や輸送機が駐機している所には武装した兵士たちがいる模様です」
オペレーターのひとりが言った。
総理は今までの様子と違った。
何かにひどく興奮したかのようであり、矛盾したかのようにひどく冷静だった。
猛禽類が獲物を狙うときのような印象だ。
しかし、現状は逆だ。
「目標は私か……」
偶然昨晩から危機管理センターに籠っていた内閣危機管理監の菊池は、鈴木総理の言葉に補足した。
「はい。敵はこの国の政治的中枢部への襲撃をかけたものかと思われます。よって、総理以下、閣僚の皆様の拘束、連行、或いは……殺害も含まれているかと思います」
「なんて……」
ことだ、と言いかけた時、ある事に気が付いた。
私は行政のトップにすぎない。もちろん重要なターゲットだ。
しかし、この国には象徴がいる。
「まさか……」
鈴木総理は気づいた。
菊池内閣危機管理監は重く口を開いた。
「はい……恐らく、両陛下はじめ、皇族の方も目標になっているかと思われます」




