98話 ディストピア
私たちはとある一室に入った。そこは空調が一つしかなく、風通しが悪そうな場所だった。
「とても空気が籠ってるな……」
「仕方ないよ、空調が一つしかないからね」
「どうして空調が一つしかないんですか?」
「誰かが盗聴器を仕掛けてるかもしれないからね、電波とかが通りにくい作りにしてあるのよ」
「だからこの部屋の事を冷たいって……」
千尋さんは一枚の紙を出した。
「作戦図はこうだ。シグマとミューがここで待機。その他のメンバーは政府の主要メンバーを襲うという事にする。そして協力者を呼んでいる」
千尋さんは時計を確認すると出入り口のドアを開けた。
「どうも、待たせたか?」
(何だこの人……50代……いや60ぐらいのお爺さんだ)
「この人は国の表のトップだ。名前は飯嶋だっけ?」
「はい……正直この事を聞いて私は駄目だなと」
(千尋さんはもうすでに先手を打っていたのか……)
すると飯嶋さんはこう言った。
「正直正面から突破するのは警備とかがあり難しいかもです」
「そう、だから飯嶋さんに頼んで私たちを中に運んでもらい、中で国を仕切っている大臣たちを襲うという算段だ」
「ええ、見た限り軽そうなのでどうかなりそうと思いつつ……」
(普通にセクハラ発言だけどまぁみんな体が軽そうだなと思うよな)
そして千尋さんは作戦を言った。
「段ボールに隠れるのは私、セツナ、ジータ。外から静かに侵入するのはドゥーロと桜、ラムダにタウだ」
「ちょっと待って、私は何をしてたらいいんだ?」
サンがそう言った。
「サンと鏡花さん、二人はここを守ってほしい。つまりシグマとミューを守ってほしいんだ」
「守る……つまりここで敵の襲撃を耐えるんでござるな?」
「そう言うことになる。そしてシグマとミューは私たちが指示をした物にハッキングをしてほしい。簡単でしょ?」
「まぁ……ハブさえあれば……なんとか」
「とりあえず警備が薄くなる時間まで私たちは段ボールに入って準備するからね。それまでゆっくりして」
そう言って千尋さんは倉庫らしき場所に入っていった。
(しかし千尋さんの人脈が凄いな……誰でも知っていそうだ)
「ねぇサン、ここを守ることになってるけど大丈夫?」
「消耗戦には最適だろうな。レガリアというのが無い私は前線に出られないからね。黙ってここを守るよ」
「気をつけてね」
こうして私たちは攻め込む準備を整えていった。千尋さんは余裕で3人がすっぽり入る段ボールを見つけ、私たちのチームは侵入するコースを決めていったのだった。
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