69話 タコの魅力
営業時間になり私はドアのカギを開けた。そして客がなだれ込んでくるとなぜかマスターが涙を流していた。
「僕がやっていた時は数人ぐらいだったのに今となってはこんなに……」
「可愛さパワーでこうなっちゃったんだ」
「そうか……なら僕は裏方に回る、ホールは任せたぞ」
そして肝心のタコだが触手を器用に使って料理を運んでいた。
「凄いわね……これって本物のゲソなの?」
「そうだよ~」
(タコの触手はなんだかんだで客に愛されているのか……気味が悪いと言われなくてよかった)
この街の人はとても暖かく、よそ者のタコでも受け入れてくれているようだった。そしてタコの姿はネット上にアップされていったのだった。
「凄いですねタコ」
「ああ、やっぱり僕が育てた甲斐があった」
「器用に触手を使って仕事をしているしタコがいたら3人分の動きが出来ちゃうね」
「本当に無垢で優しいな……」
そして朝の営業時間が終わるとサンが猫の餌をあげに行っている間、各々昼食をとっていった。
(自由に料理をして食べていいって言われてるけど……タコは何を食べるんだろう)
タコはパンを取り出すとそのまま食べた。
「生で食べるのか」
「駄目だった?」
「いいや、生食パンでも美味しいけどさ、焼いたりしないの?」
「だって焼いたら熱いから食べれない」
「それがいいんだけどなぁ~」
そして私は食パンを取り出し、焼き始めた。
(さてと、午後からの営業も頑張りますか)
昼の営業もタコが3人分の仕事をしてとてつもなく速く業務が行われていった。
「いやぁ~助かったよ」
「へへ、どういたしまして~」
(なんだかタコ、マスターに褒められてうれしそうだなぁ)
「それじゃポストを見に行ってくる、他のみんなは上の階に行っていてくれ」
「はーい、わかったよー」
そして探偵業に必要な書類をマスターが取りに行き、私たちは二階に上がったのだった。
(マスターが加わった今、どういう動きになるんだろう?)
そしてマスターが二階に上がってくると資料を机に並べた。
「ヴァンパイアの討伐依頼がたくさんだな、いつの間にか傭兵屋と思われてるのか?」
「さぁ、でも今となっては頼もしい仲間が居るよ」
そう、私たちには心強い仲間がいるのだ。
「そうだな……指示するから各々依頼の場所に向かってくれ」
こうしてマスターは私たちに指示を飛ばし、各々依頼の場所に向かったのだった。
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