66話 真夜中のタコ足
夜になり私たち+サンと千尋さんはダイビング用品が置いてある場所に向かった。
「さぁ、この服を着て」
「なんだか宇宙服みたいなダイビングスーツだね」
「ピチピチだー」
「これは私が所属してる会社が考えに考え抜いて作り出したんだが……私でもいえる。ダサイな」
私たちはダイビングスーツを着た、背中には酸素ボンベ、酸素ボンベの下には耐水性のあるバッテリーがあった。
「とりあえず起動させるね」
千尋さんが遠隔のリモコンを操作すると顔の部分が光り始めた。
「凄いなこれ……もしかして酸素残量とか表示するのか?」
「そうだね、常に空気は地上の物と同じように作られるから安心して」
「それに通信機があるのか?」
「地上と交信するためだね、ちなみに水中に入ったら普通会話が出来なくなるでしょ?そのスーツなら会話ができるんだ」
そして私たちは船に乗り込みタコ足の少女が居る場所に向かった。
「この辺りに居るはず」
「分かった、心配だけど行ってみる」
「美味の後を追うよ~」
私は海に飛び込み、それに続いて桜も飛び込んだ。
「これは水中で快適に進めるスクリュー装置か、助かる」
マスターも水中に入ってくると通信で千尋さんの声が聞こえてきた。
「タコ足の少女は海底に居るという情報だからそこまで頑張って潜ってくれ」
「分かった、スクリューモードで潜っていく」
「あとバッテリー残量と酸素残量に気を付けてね」
私たちは海底に潜っていき、海底にたどり着くとソナーで何かいないか確かめた。
「本当に居るのか?」
「千尋さんが言っていたんだ、居るに決まっている」
私たちは海底を歩きタコ足の少女が居るか居ないか確かめていた。すると私は足を滑らせて穴に落ちた。
「うわっ」
「どうしたんだ」
「痛てて……穴に落ちちゃった」
「本当に大丈夫なのか?スーツに穴は開いてないか?」
「大丈夫そう、だがここにどうして穴が……?」
その時私の右腕に何かが絡みつくような感覚があった。
「誰か!助けて!」
「どうしたんだ!」
あまりの恐怖で私は仲間に助けを出していた。私も必死の抵抗でスクリュー装置の出力を最大にして穴から脱出しようともがいていた。すぐに仲間が来ると私の左腕を掴んで引っ張りだそうとしていた。
「両方から引っ張られてるよぉぉお」
よく見るとバッテリー容量がもうすぐ無くなりそうで私はスクリューの出力を抑えた。その時マスターは何を思ったのかダイビングスーツを外した。
「何をやってんだぁ!?!?」
「どうかしたんだ!?」
「マスターがダイビングスーツを脱いだんだ!」
「はぁぁぁあ!?!?今すぐ引き上げろ!!」
マスターは素潜りで穴の奥に向かっていった。
「かなりぶっ飛んでるな……」
私は右腕が動くことに気が付き、ライトを穴の奥に照らした。見えた光景、それはボロ布の隙間からタコ足が伸びている女の子がマスターに口づけをしている光景だった。
「うぇ……?」
「これはどういう事なの?」
私は桜の目線を隠そうとしていたが何とか見ようと顔を動かしていた。
「だがこのままだと意思疎通できないよね……」
「何とかハンドサインで上にあげてくれ……」
私はハンドサインでマスターに船に戻ってと伝えた。マスターは了承したようで穴の出口に泳いでいった。それに続いてタコ足の少女が泳いでいった。
「あの少女は……」
「マスターが言っていた少女だろう、ちょっと事情を聴かないといけないかもしれないけどね」
こうして私たちは船に戻り、マスターが千尋さんに説教されていてその後ろでタコ足の少女がぼけーっとしていたのだった。
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