51話 欲ばかり
翌日、昨日と同じく静かに営業をしていると政府軍がドアを粉々にして入ってきた。
「お前ら!ここで何をしてる!」
(ここは私が出た方がいいな、もしみんながヴァンパイアとバレればまずい気がする)
私は軍の人に話をした。
「ドアを粉々にしてどうかしました?」
「店員は女しかいねぇのか……ちょうどいい。こっちにこい!」
「ちょっと何するのよ!?」
軍の人は私の手を引いて路地に連れ込もうとしていた、だが通行人は軍に関わりたくないのかそっぽを向いていた。
(誰か……!)
すると路地に入って人目につかなくなると軍は急に息が荒くなった。
「こんなことをやっても軍はもみ消してくれるんだ……さぁ思いのまま暴れてくれや」
「うるせぇ軍の皮を被った化け物が」
私はその軍の人に楯突いた。
「威勢がいいガキだ。俺らは知ってるんだ、ヴァンパイアと協力しているセリア・ドゥーロ」
(ここでガッと噛みついたらだめだ、まだだ)
ここで噛みつけばヴァンパイアが働いているとして喫茶店が軍に襲撃されると思ったのだ。
「何か行ったらいいんだ?お?」
軍の人はそう言って私の体をなぞるようになでた。すると何かが擦れる音、そして地面には太陽の光がさしていた。すると上空から誰かが飛び降りて軍の人の頭を蹴った。
「おい、何女を襲おうとしてるんだ?」
「ぐっ……」
それは超常現象対策課の千尋さんだった。だが千尋さんはどうしてここに?
「千尋さん、どうしてここに?」
「私の運命だな、しかしまだまだ奴は気絶してないから下がってて」
千尋さんの手には鉈が握られていた。
「このガキが……軍を舐めるな!」
軍の人は銃を持っていたが千尋さんは軍の人の両手足を切った。
「遅い、訓練を受けてたとしても遅い」
「腕がぁああ!!!」
「知ってると思わないがこの土地に宿る話、知っているか?」
血が滴っている千尋さんは私に聞いてきた。
「いや、まったく知らないんだけど」
「レイプをしたら悪霊がやってくる、この話は私が広げたんだ」
千尋さんの後ろには何か黒い靄が見えてきた。
「元々は私は悪霊だった、だが理由あって肉体を手に入れたんだ」
「つまり一度死んでるって事?だとしたら転生したの?」
「違うな、新しい肉体に魂をぶち込んだのが私ってことだ」
千尋さんは鉈に付着した血を拭き取り、カバーに入れた。
「それじゃ、追っ手が来る前に逃げた方がいいわよ」
「ありがとう千尋さん……」
「後で喫茶店を訪れるからね」
そう言って千尋さんは上空に飛んでいった。
(もしかして千尋さんは人間じゃないだろ……)
そして私は来た道と違う道で喫茶店に戻り、その後に千尋さんが普通の顔でやってきたのだった。
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