44話 新たな人体実験の漏れ
翌日、喫茶店で午前の営業をしているとシスターがまたしてもやってきた。
「いらっしゃいませ~」
「どうも~また伝えたいことがあるから営業時間外にまた来ますね~」
(伝えたいこと……また始祖ヴァンパイアの情報かな?)
私はカウンター越しにこの事を聞いていた。そしてふと店内に目線を送ると桜が客と親しげに話している様子が見えた。
(桜は客と話すことが好きなのかな、でもむやみに刀を触らせない所が配慮が行き届いてるのかって思っちゃうな)
そして午前の営業が終わりさっき入ってきたシスターが入り口の前に居るのをサンに言った。
「サン、あのシスターが店の前に居るよ」
「分かった、店の中に入れて話を聞いてみる」
サンはシスターを店の中に招き、何を伝えたいのか聞くことにした。
「何か伝えたいことがあるんですか?」
「ええ、政府の人たちが新たに人体実験をするという噂があるらしいのです」
「新たに人体実験……」
「ええ、それでもう始祖は完成しているらしいです」
そしてシスターは一枚の紙を渡してきた。
「今日、ここに襲撃をかけるので一緒についてきてもらえませんか?」
「随分山奥だな、それだけ人目につかせたくないのか」
「ええ、私たちヴァンパイアもですが一般人には知られていません。人体実験をしていると知られれば支持率が低下してしまいますもの」
そしてシスターは営業終わりに車をこっちに回してくれるように手配すると言って帰った。
「しかし新たに人体実験をするって、どれだけ戦争になった時に勝ちたいって思うのよ」
「民を守りたいと思うのは君主が思う事ですわよ?」
「まぁそうだけど国民を改造してまで守りたいって言うのかな……」
私は国民を守りたいがために国民を改造するという矛盾を感じていた、そして午後の業務が始まったがその矛盾が頭の中を駆け巡っていた。
(まずい、仕事に集中できてないかも)
「ドゥーロ大丈夫?」
「ちょっと頭の中にある問題がぐるぐる回ってるだけだから」
「本当に大丈夫なの?」
途中サンに心配されたが何とか午後の営業を終えた。
「お疲れ~」
「ああ、後は探偵業だけど……問題ってのはなんなの?」
「国民を守るのにその国民を改造するってのはどうなのかなって」
「確かに私もその問題について考えてたけど国のトップになったことないから一瞬で忘れちゃったな」
「サンの考え方いいね、私もこの問題の事忘れておくよ」
すると喫茶店の前に黒塗りの高級車が来た。
「もう時間だね、それじゃ行こうか」
「ああ、みんなを連れて行こう」
私とサンは喫茶店メンバーを呼び、黒塗りの高級車に乗り込んだ。そしてこれから対面するのは始祖ヴァンパイアとは違う種類の始祖だったのだ。
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