33話 甘々ですわー
喫茶店に帰ってきた私たちは始祖ヴァンパイアを担ぎ上げて二階に連れて行った。
「早くこの拘束を解いてくださいまし!」
「はいはい。桜、この拘束を解いて」
「分かった、だけど暴れたら再び捕らえるよ」
桜が始祖ヴァンパイアを拘束している鎖を消し、始祖ヴァンパイアは一旦自由に動けるようになった。
「それでここからどうしたらいいんですの?あなた方が政府の奴らではないのだったらどうしてわ私をここに連れてきたんですの?」
「まずあなたたちのような始祖ヴァンパイアを利用して私たちみたいなヴァンパイアが作られてるんだ、私たちは始祖ヴァンパイアを開放してるんだ」
「つまり新たなヴァンパイアを生み出さないために私を敷地から解放したのですね」
「そうだ」
すると始祖ヴァンパイアは手を握ったりほぐしたりしていた。
「どうしたんだ?」
「紅茶出してくれたらありがたいですわ」
「紅茶か、ちょっと待っててくれ」
サンが紅茶を淹れる間、私は始祖ヴァンパイアに質問を投げかけていた。
「どうしてそんなお嬢様口調なの?私気になるんだけど」
「私は優雅に過ごしたい、そう思っているからですわね」
「優雅に過ごしたいんだ、だから紅茶を飲もうとしてるのか」
サンが紅茶を淹れてくると始祖ヴァンパイアはチビチビと紅茶を飲み始めた。
「あ……あ……」
「どうしたんだ?」
「甘々ですわーっ!!!何ですかこの紅茶の茶葉は!?何処産ですの!?」
「市販の紅茶に砂糖を少し入れたんだけど、甘いのね」
「ええ、この甘さ……店でも飲みたいぐらいの甘さですわ!!!決めました、私ここで住みますわ!」
「だってさサン、どう?」
「まぁいいけど……これマスターが帰ってきた時の説明がややこしくなりそうだな」
サンが頭を抱えている中、始祖ヴァンパイアはこう言った。
「マスター……と言うのは一体誰なんですか?」
「この喫茶店を前まで仕切ってた人、だけど誰かにさらわれたんだ」
「なるほどですわ……なら私、メルクールがそのマスターを探す手助けをいたしますわ!!!」
「そうしてくれると助かる。あなたの名前はメルクールなのね」
「そうですわ!」
こうして水銀を操ることが出来るメルクールが仲間に入り、私たちの喫茶店が一層賑わうようになるのだった。だがメルクールは水銀を操ることが出来るが故、客が水銀中毒にならないか心配になったのだった。
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