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真っ赤なドレスと純白のフランベルジュ  作者: 猫こんた


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26話 鉄女

サンが戻ってくると茶封筒が手に握られていた。


「今日は探偵業の資料来たぞ」

「おっ、何日ぶりだ?」

「……戦い?」


桜はサンが持ってきた茶封筒をガン見していた。


「まぁ戦いになりそうな感じはするね」


サンが広げた資料、それはヴァンパイアを駆除してほしいという依頼だった。


「恐らくこのヴァンパイアが食った人間の数は数十人。力は強いだろう」

「戦い……血が高鳴る」


そう桜が言うと刀を抜きだした。


「ちょっと桜、まだ戦うわけじゃないぞ」

「そうなの?」

「ああ、とにかくこの場所に行くぞ。急がないと奴が逃げる」


そうサンが言うと下に降りていった。


「まぁ、サンについて行かないとね」

「ついてくよ~」

「桜もついて行くんだ……その刀を振るのか」


こうして私たちは軽トラに乗り込んだ、だが私とシリウスは荷台に、桜は助手席に乗り込ませた。


「ドゥーロ、桜にいつもののポジションを取られたな」

「シリウスは桜を止めれるの?」

「止められないな」


そして軽トラが走り出し、依頼場所まで向かっていった。


「シリウスって喫茶店のマスターって知らない?」

「知らないな、どうしてそんなことを聞いてきたんだ?」

「あの喫茶店、元々はマスターがいたらしいんだよね。でもサンが働き始めるとマスターが消えたんだ」

「そうなのか……」


シリウスはそう言って空を見つめた。


「見つかると良いな、そのマスター」


そうして依頼場所にたどり着くと桜は刀を抜いた。


「それで敵は何処に居るの?」

「なんだか桜、血気盛んだね」

「ああ、始祖ヴァンパイアだからだと思うけど……」

「しかしサンがチワワって言ったこと、あってたじゃん」


そんな話をしながら一番ヴァンパイアの被害を受けている場所に向かっていった。


「確かこの周辺がヴァンパイアの被害が一番起こってる場所なんだよな」

「敵……どこ?」


桜が周りを見回した、すると私以外の3人は血の匂いを嗅ぎ分けたのか一斉に同じ方向に首を振った。


「こっちから血の臭いがした」

「私も同じだ、桜も?」

「うん、血の臭いだ」

(私以外の3人はヴァンパイアと始祖ヴァンパイアだっけ、嗅覚鋭いなぁ~)


私にできない事を3人はやってくれたのだった。


「じゃ、ドゥーロは後ろで何か来ないか警戒してて」

「分かった、前は頼んだ」


私たちは血の匂いがした場所に向かって走り出した。路地に入り、前を走っていたサンが血を踏んだ途端、血が光り始めて爆発した。


「うわっ!?」

「サン!大丈夫か!?」


煙が晴れ、サンが横たわっていた。


「何とか足は守った、地面に滴っている血を踏んだら爆発するとか……どんな能力だよ」

「良かった……」


その時桜は何を思ったのか建物の上から能力で鎖をたらしてきた。


「これで上に登って」

「上に登る……まぁここより安全かもしれないね」

「桜ありがとう」


私たちは桜にお礼をした、だが桜は何かを感じ取っているようだった。


「この近くにヴァンパイアがいる、私には分かる」

「そうなのね……なら私たちが居た方がいいと思うけど」

「駄目、巻き込んでしまう」

(巻き込む……?攻撃に巻き込むのか?)


私たちは桜が作ってくれた鎖で屋上に登った、シリウスが屋上にたどり着いたと同時に下から地響きが鳴った。


「なんだ!?」


私は下を覗いた、すると爆発する血を踏んだ桜とそのそばにいるヴァンパイアが見えた。


(あのヴァンパイアが私たちが追っていた奴だ!!)


桜は建物に能力で鎖を突き刺し、上空に飛んできた。


「桜!大丈夫か!?」

「ああ、少し離れてて」


桜の服の袖から鎖が伸びてくると下に居たヴァンパイアを絡め、そして上空に飛ばした。


「落ちるか」


桜がそう言った瞬間、背中から何かが皮膚を突き破ろうとする音が聞こえ、そして桜の背中から羽が生えた。


「サン、あれって……」

「始祖ヴァンパイアが持つ能力、飛行能力だ」

「飛行能力……さすが始祖ヴァンパイアだね~」


私たち3人が感心していると桜の後ろにはアイアンメイデンが現れた。


「いただきます」


アイアンメイデンが勢いよく開くとその中から先に刃がついた鎖が飛び出し、ヴァンパイアの肩や足を貫いた。


「まさかこれって私が受けた技!?」

「そうだ、これが私が人間にやりたかったこと」


するとアイアンメイデンから出ている鎖が一気に引かれ、ヴァンパイアがアイアンメイデンの中に入り、そして扉が閉まると隙間から血が溢れだしてきた。


「ご馳走様」


桜がそう言うとアイアンメイデンが消え、出てきた血が光になって桜に入っていった。


「……私が抵抗しなかったら今頃桜の栄養になってたのか」

「そうらしいな……改めてこの能力凄いな」


桜は私の方に飛んでくると私の首を舐め始めた。


「やっぱりヴァンパイアの血より人間の血の方が美味しい、人間の事を美味って呼んでいい?」

「それって私の事を言ってる?」

「そうだよ?美味」


桜の圧倒的な強さを目の当たりにした私たち、戦いはあっという間に終わって桜は私の呼び名を美味にしようとしていた。


「私はドゥーロ、そう呼んで」

「分かった、美味」


そして私たちは軽トラに帰ってくると私と桜が荷台に乗り、シリウスが助手席に乗り込んだ。そして喫茶店に帰るのだった。桜の圧倒的な強さを目の当たりにした私は桜が懐いてくることに裏があるのではと疑うのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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