25話 チビ
喫茶店に降りてきた私とサン、あと桜は開店準備をしていった。
「シリウスが来てないけどどうしたの?」
「いつものの寝坊、シリウスは朝が弱いからこうなるのは分かってたよ」
「そうなのね」
私は桜の服装を見てこう思った。持ってる刀って人を斬れるのかなと。
「ねぇ桜、その刀ってもしかして人を斬れたりしないよね?」
「斬れるよ?」
(そうだよね~うん、でも危ないと思うから注意しないと)
「でもね、この刀は綺麗だから帯刀していたい」
するとサンが桜の帯刀の位置を変えた。
「横に持つんじゃなくて縦に持った方がいいよ」
「楽かも」
こうしてシリウスが開店時間ギリギリで喫茶店に降りてきた。そして開店時間になって私はドアの鍵を開けた。
「何だかいつもより人多くないですか?」
「まぁな、シスターが居たと話題になってたから人が多く訪れるようになったんだろう。シスター様様だな」
私とサンがキッチンに入り、シリウスと桜が料理を運ぶ役割だ。そして桜は思いもよらない所で活躍するのだった。
「キャー可愛い~」
「私桜!」
「桜ちゃんなのね~かわいい~」
桜を可愛がるJKの声がキッチンからでも聞こえてきた。
「サン、なんだか桜が可愛がられてるね」
「まぁ小さいから可愛がられるだろうなって。チワワみたいな感じだ」
「チワワ……ですか」
ふとカウンターの向こうを見ると桜が後ろを向いて刀の模様をJKに見せてた。
「桜色で桜柄の刀だ~珍し~」
「斬れちゃうよ」
(桜は刀を客に見せてるけど危なくないのかな?)
シリウスは桜に負けじとアピールをしていたが人間の性だろうか、小さい桜に注目が集まっていたのだった。
「ここまで来るとシリウスが可愛そうに見えるんだけど」
「ドゥーロの言っていることは何となくわかる。うん。桜は可愛い。あれが始祖ヴァンパイアなんて誰が認めるんだ」
私とサンの間でも桜に注目が寄っていた。そして午前の営業時間が終わるとシリウスはパンをやけ食いしていた。
「なんで新入りの桜が人気をすべて搔っ攫っていくんだよ!!!んななななな!!!」
「シリウス、小さい小動物に愛着を持つ感情に近いんだよ。ドンマイ」
「何が小さいだ!胸か!?ん!?」
確かにシリウスの胸はまな板のようにぺったんこだ。逆に私とサンはそれなりの物を持っている。嫉妬なのか?
「二人はいいな!いいブツを持ってて!もぎってやるぞ!!!」
「サンはどこいった!?」
(とにかくシリウスをサンに擦り付けるんだ)
私はシリウスから逃げようとしたがさすが元政府軍、私との距離を一気に縮めて絞め落した。
「おらぁ!いい物を落とせ!!」
「痛い痛い!!これは私だけの物だぞ!!」
この醜い闘争を目撃していた桜は黙って胸に手を当てた。
「……一緒」
桜はシリウスの肩を掴んで私から引きはがそうとした。だが簡単に引きはがせなかったのか桜は能力を解禁した。
「繋ぐよ~」
天井から鎖が伸びてくるとシリウスの肩を巻きつけ、そして私から引きはがした。
「ギャー!!!私のブツ!!!」
「これって私が足に食らった鎖だよね……」
「そうだよ~」
(人を強制的に移動させることが出来るのか、かなり汎用性高そう)
こうして私はシリウスから逃げることに成功した。そしてサンが帰ってくるとシリウスが鎖で天井から吊り下げられているところを目撃したのだった。
「何じゃこれ!?」
「やぁ、桜にこんなことをさせられた」
「だって人間の乳を捥ごうとしたから」
「……放してあげなさい」
シリウスは床に降ろされ、午後の開店準備を始めていった。
「しかしまた一層騒がしくなったな。まぁ私は騒がしい方が好きだけど」
そして午後の営業が始まったがその営業時間のほとんどは桜の独り舞台だったのだ。そして営業時間が終わり、サンはポストを見に行き、私たちは上の居住スペースに戻っていったのだった。
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