111話 ブラッディバインド
私たちは敵の本陣の中を進んでいき私の周りには血の玉が浮かんでいた。
「この先に敵が居るかもしれないから注意して」
「分かった」
私は先の通路に滑り込んで敵が居ないかクリアリングした。
「居ない、来て」
「無茶するねぇ~」
「ああいうところがドゥーロのいい所で欠点なんだよな」
「何が欠点なのよ」
「もし敵が居たら対応次第で死ぬぞ?」
「まぁまぁ、そんなの考えないでね」
そして通路を進んでいくと横から敵が奇襲してきた。
「血の縄!」
「動けん……」
私はとっさの判断で敵の胴体を拘束して動けなくした。
「簡単に殺せた、このチーム最強だね」
「桜が何だか不満げだけど……後で暴れさせるから」
「暴れる」
そして奥に進んでいくと大広間があり、その奥に60代ぐらいの人が座っていた。
「ここまでたどり着いたか」
「お前はいったい誰なんだ?」
「知らずにここまで来たのか、世間知らずの子供だな」
そう目の前の奴が言うと左右から護衛が飛び出してきた。
「こいつを始末します」
「ああ、頼んだ」
桜は鎖を伸ばし、奴を逃げないように捕まえた。
「なるほど、始祖ヴァンパイアが混ざっているのか」
「お前、どうしてその名前を知ってるんだ!」
(もしかしてこいつがターゲットの裏のフィクサー……!)
私はそう確信するとハンドガンを持った。
「始祖ヴァンパイアを知っているのならこの後ろの羽の生えた子の事、知っているよな?」
「ああ、知っているさ。だがそっち側につくのは予想外だったがな」
天子は内心穏やかでは無いようで私の前に出た。
「もはや人間なんて私の敵じゃないんだ、そこを退いてくれ、護衛さん」
「ちょっと天子、あまり前に出ないで」
「いや、私の正体を知るだけでいいんだ。そう、私の本当の正体を」
天子はそう言うとフランベルジュをぶんぶん振った。
「このガキが!!」
「排除する」
当然挑発を受けた護衛は天子に向かって攻撃を仕掛ける、だが天子はその攻撃をじっと見ていた。
「言ったでしょ、人間なんて私の敵じゃないって」
いつの間にか天子は護衛の後ろに回り込んでおり、数秒が経って初めて攻撃の存在がはっきり表れ始めた。
「な……が」
「うぉ……」
天子は一瞬のうちに2人の護衛を細切れにしていて裏のフィクサーの目の前に居た。
「私の正体を話して」
「……さすが天使のDNAを持つ唯一無二の子だ。何も言うことはない」
「そう、なら死んで」
天子はそう言って裏のフィクサーの頭をフランベルジュで刎ね飛ばした。
「……これで終わったの?」
「いや、まだ終わってない」
天子はまだ終わっていないと言うとサンと桜に対して敵対の視線を送った。
「私の目的は私自身の存在を知るため、そして一部の人間を覗いた人類の抹殺」
「天子、それって人間を皆殺しにするって事?」
「だけどドゥーロ、あなただけは生かす。だって好きだから」
そう言うと天子は桜の近くに近づいていた。
「速っ」
桜はギリギリ刀を滑り込ませ、何とか攻撃を防ぎ、その隙に私は天子の胴体に腕を通していた。
「どうしてそんなことをするんだ!」
「どうせ私を道具としか見ていないと思って、でもドゥーロは違った。私を人間だと言ってくれた。だからドゥーロだけは生かす」
(一体どうしたら……サンと桜を逃がすか?だとしたら私と天子の一騎打ちになる。仕方ないがそうするしかないか!)
「サン!桜!私を置いて逃げろ!今すぐ有無を言わさず逃げろ!」
「後で拾ってやる!だから死ぬな!」
サンは桜を抱えて逃げ、私は天子をなるべく遠くに投げ飛ばした。
「どうしてドゥーロは人間をかばうの?」
「私の仲間だからだ、天子!」
「……分かった。私が負けたら人類を皆殺しにしない、だけど私が勝ったら人類は皆殺しだ」
「その勝負、乗った」
私は血を集め、短剣を作った。
「それじゃ行く!」
こうして私は天子と戦うことになり、これが正真正銘の最後の戦いになるのだった。
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