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でびるハンター  作者: 片山翔
第五章 与える者と与えられる者
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合流

村の中心にあるオアシスを横切って、俺は村長の家へ走っていた。

この村に起きている事件。そして、再出した遺跡。この二つに因果関係が在るのは間違いない。だが、今回においては魔物が関わっているのか、はたまた他の何者かの仕業なのか。それを調べなくてはな・・・。


「おーーーーーーーーーーい!」


行き成りの大声に俺は足を止め、辺りを見渡した。

よく見ると、ヒロがこちらに走って来ていた。

「おう、ヒロ。どうした?」

俺はヒロに状況を訊いた。

「いやあ~、この村って狭くて見る所少なくてさ。

 それで、特にやること無いんだ。」

成る程な。まあ、そりゃあそうだ。この村は観光地ではなく、元々はハンターの駐屯地に使うようなもんだからな。とりあえず、ヒロに今の俺の状況を説明するか。

「そうだったのか。これからちょい、村長に会ってくるんだが、ヒロも行くか?」

「何か用でもあるのか?」

「ここで起きている事件について話しに行く所さ。」

「事件?」

「ああ、実は村に人が居ないのと今回の事件が深く関わってる様なんだ。」

「何だって!?」

今回の事件の事を説明するとなると過去の事件も説明しないといけないな。

皆集まった時にでも詳しく話すか・・・。

「とりあえず、細かい話は後にしよう。今は村長に会うのが先決だ。」

「分かった。俺も行くよ。」

「そうか。じゃあ行こう。」


俺とヒロは村長の家の前まで足を運んだ。

村長の家と言っても他の民家と大きさが対して変わらないな。

俺達は家の中に入った。

「すいませーん!」

「・・・・・・・・・・。」

「誰も居ないのか?」

その時、奥の方から物音がした。

そして、銀色の髪をした若い青年が姿を現した。

「何でしょうか?」

「すまんが村長を呼んでくれないか?」

青年は頭を掻きながら答えた。

「あの、僕が村長です・・・。」

「あんたが!?若いな・・・。」

ヒロは驚きの言葉を述べて、まじまじとその青年を眺めた。

「それで、何か御用でしょうか?」

「その前に自己紹介しよう。俺はケイ。そして、こっちはヒロ。」

青年は少しまごつきながらお辞儀をした。

「僕はセインです。立ち話も難ですから、こちらへどうぞ。」

俺達は少し大きめのテーブルがある客間に案内された。

「さて、俺等がここに来たのは他でもない。今この村で起こっている

 事件についての話だ。」

その話題を出した途端、村長の顔が少しばかり陰りを見せた。

「情けない話ですよね。冒険者達を止めることも出来ず、問題も解決することも

 出来ず、ただただ祈るばかりで・・・。」


「・・・・・・・・・・・。」


「あんたのせいなんかじゃないさ。これはハンターの世界ならごく普通な事だ。」

「どういう事ですか?」

「神秘性が高まった地に赴く。無謀で横暴なハンター達がやる事そのものだ。」

「人が寄り付かない場所は神秘性が高まる。そして、そういった場所には魔物も

 集まる。ハンター達にとっては、まさに格好の的だからな。」

「ですが、見て見ぬふりは出来ませんよ!」

「実際、この村に人が居なくなるということは収入源が無くなると言う事です。

 それはこの村の死活問題なんです・・・。」

まあ、そうだろうな。この村はハンター達に寝場所を貸し出すことで稼いでいる。

それが無くなると言う事は死活問題に発展するわな。

村長は再度、口を開いた。

「原因は遺跡だと分かってはいます。ですが、私に何の力があると言うのでしょうか!

 私は単なる人に過ぎません!村長だって!父親が死んでしまったから仕方なく

 継いだだけの事です・・・。」

セインという青年は愚痴混じりの言葉を吐いた。

若いのに一人でこの村を統制していたのだろう。苦しみや葛藤を分かち合える人が

近くに居ない。それに加え、今回の事件で精神を相当やられているのだろうな。

「まあ、そう悲観的になるなよ。今回の事件を俺達に任せてくれないか?」

「あなた方が?どうやって?」

「人が居なくなる原因。それは殆どの場合は魔物の仕業だろう。

 親玉を倒せば、自然に元の平穏を取り戻せるさ。」

「ですが・・・。あなた方にそれが可能なのですか?

 あの遺跡は多くの冒険者達を飲み込んでいます。一介の旅人に過ぎない貴方に、

 そんな事が出来るのですか?」

まあ、そうなるよな。突然現れた男が問題を解決してやると言った所で、

信頼性もクソも有ったもんじゃないからな。しかし、この事件は俺の手で解決しなくてはいけない。過去の不始末は自分で付けなきゃな。

「細かい所は気にするなって、こっちは面子が揃ってる。」

「そうなんですか。」

「それはそうと、ちょっと訊きたいことがある。」

「何でしょうか?」

「俺達は飛剣のレイアという人物を探しているんだが、心当たりは無いか?」

「飛剣のレイア・・・。」

「ハンターの話ですよね?それでしたら私の知り合いに物知りな奴が居ましてね。

 彼に聞けば何か分かるかもしれません。ええと、彼の居場所は・・・。」

「ちょっと待った。」

俺はセインが口走るのを止めた。

「何です?」

「その話は事件が解決してから聞くわ。報酬は後に取っておいたほうが楽しみが

 増えるってもんだろ?」

「はぁ・・・。」

「それじゃあ、俺達が事件を解決したら、その物知りな奴の居場所を

 教えてもらうぜ。」

「じゃあ、行ってくるわ。」

俺達は席を立ち、部屋を出ようとした時に突然、セインが俺を呼び止めた。

「ケイさん。この村には宿がございません。もしよかったら、この家の向かいに

 空き家が有ります。それを宿代わりにでも使って下さい。」

「お!マジか!サンキューな!」

宿の事をすっかり忘れていたが、とりあえずこれで寝床には困らないな。

俺達は村長の家の外に出ると辺りは暗くなりかけていた。


「・・・良いのか?あんなんで。」


さっきまでずっと黙っていたヒロが話しかけてきた。

「ああ、当てもないしな。しかもレイアだけを探すのが旅の目的じゃないだろ?」

「え?」

「勿論、レイアを探す事も大事だが、その前に俺達は困った人達を助ける

 何でも屋だろ?」

それに、この事件は俺にとっても深い思い入れがある。

「とりあえず、次郎とアルベールを探しに行くか。」

俺がそう言った矢先、次郎とアルベールがこちらに歩いて来ているのが見えた。

「探す手間が省けたな。ヒロ、行くぞ。」


俺等は合流を果たした。いろいろ話さなきゃいけないことが沢山あるな。

まずはセインが言っていた空き家にでも行ってゆっくり話すとするか・・・。

俺は次郎達に今までの事を大体説明し、空き家へと向かった・・・。

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