四度目の朝日
海に近いのだろう。波の音とカモメの鳴き声が聴こえた。
俺は相変わらず重いまぶたを開く。そして、起き上がろうとしたのだが体に力が入らない。いや、正確には入れる気が無いのだろう。朝に弱いのか自分の心が弱いのかどちらかだ。
俺はもそもそと動き仰向けになると、そこには窓の外を見つめる次郎の姿があった。何をしているんだ?次郎の顔に朝日が当たりとても眩しそうだ。
朝日で日光浴といったところか、俺はもう一度眠りに就こうとしたがさすがに二度寝はマズイと思い起き上がった。体の至る所が筋肉痛になっていた。慣れないことをするとすぐにこうだ。
「やっと起きたか。」
次郎の第一声がこれだった。それを聞いた瞬間、
俺以外はもう旅の準備が済んでいるのだろうと思った。
「もう、出発?」俺は次郎に問い掛ける。
「さっきケイが来てな。ヒロが起きたら教えてくれってな。
俺はケイのところに行って来るから、
ヒロは準備を済ませておいてくれ。」
「・・・リョーカイ。」
次郎が部屋から出て行くのを見送ると、俺は早速準備に取り掛かった。
顔を洗い、髪を整え、服を着る。一つ一つの動作が重い。朝はこれだから嫌いなんだ。準備を済ませて部屋を出るとそこにはケイがいた。
「さて、これからが本番だな。」
「・・・え?おう。」
ケイの言った言葉の意味がよく分からないが、とりあえず返事をした。
本番?旅はもう始まっているけどな・・・。まあ、次は砂漠に行くから危険だって事かな。俺はそう自分で解釈し、宿屋を出た。
「遅いぞ。ヒロ。」
不機嫌そうな様子のアルベールと腕組みをしながらこちらを見る次郎。
「ごめん。」俺がそう言った後、ケイが間に入って軽快に掛け声を発した。
「さて、次は砂漠の大陸・ガルダに行くよー!」
朝っぱらからこのテンション。俺には出来ない芸当だな。
「お、おう。」次郎は少し驚くも返事を返した。
アルベールはというと、いつも通り黙っている。
「まずは朝飯だー!日の光も浴びたし!これで気分よく食べれるな!」
そう言うとケイは街中へと歩き始めた。俺等もそれに続く。
それにしても、朝だというのにこのテンションを維持し続けるケイって一体、何なんだろうか?変に明るく振る舞う仕草は妙の一言に尽きる。
「・・・・・・・・・・。」
朝食を簡単に済ませ、俺達は出発の準備をした。
「次はガルダに行くと言っていたが?本当にどうやって
大陸を移動するんだ?俺達は移動手段を持ち合わせていないぞ?」
次郎はケイに問い掛ける。ケイは余裕ぶった表情を浮かべながら答えた。
「ところがどっこい、あるんだな!これが!」
「いいからさっさと行くぞ。」
アルベールは早く行動に移したいらしく、ケイの事を睨んだ。
「じゃあ、早速行きますか~!」
「結局、分からないじゃないままじゃないか。」
「行けば分かるって!ヒロ!」
「う~ん、まあ。いいか。」
昨日の夜にケイが神父から貰った鍵が何か関係しているのだろうか?
俺は考えに考え込んだが全く見当が付かなかった。
俺はケイの自信満々の姿を後ろで見ながら付いて行った・・・。




