封印
全く・・・。人間というやつは・・・。
「解せぬな・・・。」
ここ何日間、解せぬことばかりだ。
ケイに関しては今に始まったことではないが、
何故、人間は自分が弱い人種であることを認めようとしない?
認め、惨めに生きていればよいものを・・・。
抗い、争い、咎め合い。自己顕示欲の塊のようなものだ。
「下らん。」
理解に値しないな。
怒りを沈めながら、歩いているとどうやら、相当奥まで来た様だ。
強い魔力を感じる・・・。
強いと言っても邪念を感じるようなものではなかった。
何だ一体・・・。
「封印か。」
私はとっさに悟った。
「どうした?アルベール。」
どうやら、ケイが追い付いてきた様だ。
「魔の封印だ。ケイ。」
「魔の封印か・・・。」
魔の封印・・・。周囲の魔力を一定値以上に
上昇させないようにするための、
人間の魔術師共が作った忌々しい物だ。
だが、私にとっては破壊するのは容易いものだ。
「・・・・・・・・・・・。」
しかし、強力な魔力トラップがあった場合、
この私でも無傷では済まないだろうがな。
「どうするんだ?破壊するのか?」
「ああ、そのつもりだ。魔力を抑えられては
私の最大限の力を活かせんからな。」
私は魔力が一点に集中している場所へ立った。
「ふん!」
魔力を抑えるといえども、過度に魔力を送り込めば、
抑え切る事が出来なくなる。
「・・・・・・・・・・。」
どうやら、封印が解かれたようだ。
並の人間では感じることなどできない
微弱な魔力エネルギーが周囲に充満している。
「よし・・・。」
封印は無事に解かれた。
どうやら、簡易な封印だったようだ。
「おーい!ハァ・・・ハァ・・・!走るなよな~。」
ヒロが遅れて追い付く。
「すまんすまん~。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
さて、ここからだな。
強い魔力を感じたのが封印の魔力ではない事がわかった。
奥に、憎悪に満ちた魔力を感じる。
さほど知能は高くない動物に宿っているようだ。
「行くぞ・・・。」
私は洞窟の奥へ歩き出した。




