降り積もる雪
窓の外では雪がしんしんと降り続いていた。森での戦いで体力を消耗した俺は、ここ「雪の村・メルーサ」の宿で一息ついていた。
「・・・ふう。」
俺はため息を吐き、コーヒーを口へと運んだ。無糖のコーヒーの風味が
口いっぱいに広がり、不思議と体を落ち着かせてくれる。
さて、とりあえず村には着いたが、これからだな。
こんな旅を続けて一体、何になるのか俺にもさっぱりだが、
何か答えが見つかるんじゃないかとそう思えてしまう。
魔の遺産・・・。
そんなもの、ただのおとぎ話だと思っていたんだがな・・・。
いや、まだ確証が得られた訳ではない。この目で存在を確かめなければ、
俄然信じる気にはなれない。奴が言っていた事が本当なら、
この世界のどこか、魔力の集中している場所に存在するらしい。
「・・・・・・・・・・・・。」
今思うと、ガキでも考え付きそうな発想だな。
しかし、今はそれに掛けるしか無い。魔の遺産に関しては何もかも未知だ。魔術戦争に使われたという話もあるらしいが、何故使われたのかも、
どういう用途かも不明だ。一部の人間しか知り得ない情報なのかもな。
「・・・・・・・・・・・・。」
それにしても、約束の時間はもうとっくに過ぎている。
場所はここで合っているはずなんだが、全くズボラな奴等だ。
丁度良くメイアが寝ているんだ。さっさと来てもらわないと困る。
「・・・・・・・・・・・・。」
窓の外に目を遣ると、雪は降り続いている。当分の間はこの村に滞在する
ことになりそうだ。吹雪の森や山を舐めてかかっては痛い目に遭う事になるだろう。雪が降っては地面に積もる降っては積もるその繰り返しを俺はボゥっと見ていた。そして、ため息を一つ吐いた。
さて、いつまで待たされるか・・・。




