丘の上の教会
「ここがその教会だぜ。」
ケイに案内されてやって来たのが、他の家より遥かに古めかしい教会だった。
何故かここだけ小高い丘の上に建っている。
ここからなら、街の大体は見渡せそうだった。
俺達が教会に近付くとアルベールが出てくる姿が見えた。
「何だ。アルベールもここにいたのか。」
「私用でな。」
「お前等も用があるのだろう?」
「ああ、まあな。」
「それで、そいつは誰だ?」
アルベールの視線の先は勿論、この次郎とかいうおっさんに向けられていた。
次郎は前に出ると軽く自己紹介をした。
「俺は次郎。君はケイの仲間だろ?これからよろしくな。」
「ふッ、何だ?ケイ。遂に一般人を仲間にしてしまったのか?」
アルベールは嘲笑う様にこっちを見た。
まあ、俺もアルベールの気持ちは分からなくもない。
ただの中年のおっさんがいきなり仲間になったらそりゃあそうなる。
と言っても、俺も一般人なんだけどな・・・。
「まあ、良いじゃないか。仲間は多いほうが良いだろ?」
ケイはそう言ってアルベールの肩をたたく。
「それはどうだろうな。まあ、良い。」
「私はアルベール。精々、足を引っ張らないようにするのだな。」
「・・・・・・・・・・・。」
しばしの沈黙、一般人から見てアルベールの傍若無人っぷりは滑稽にも見える。
俺も最初は戸惑った。まず第一に普通の女の子の喋り方をしないのだから。
それより驚くべき事は只者ではない魔力だろうけど、
その力を見て、次郎はどう思うのかな・・・。
俺は次郎とアルベールを交互に見ながら、両者の反応を窺った。
「ああ、よろしくな。アルベール。」
次郎は特に動じてない様子だ。
さすが大人と言ったところなのか?
「さて、私はもう用は済んだ。
お前等だけで中に入るがいい。」
「私はここで待っている。」
「ああ、分かった。じゃあ後でな。」
ケイは話が終わると逃げるように教会に入って行ってしまった。
このぎこちない空気感に耐え切れなくなったのか、
何にせよ、俺もさっさと中に入ろう。
「次郎さん。俺達も行こう。」
「ああ、そうしよう。」
俺と次郎は教会のドアを開けた。
古いドアが今にも外れて飛んでいきそうなくらいボロかった。
そして、俺達は教会の中へ入って行った・・・。




